小児歯科が始まって・・・

小児歯科が始まり、子供の検診や治療をしています。

前にも記載しましたが、スウェーデンは3歳から2年おきに義務検診があり子供は必ず歯科に通わなければなりません。
子供は歯科治療が無料なので、カロリンスカ大学やFTVは代わりに国からお金をもらうので2年おきに”検診をした”ということを報告しなければなりません。
カロリンスカの小児歯科では1歳児から保護者への指導などを部屋に集めて行っています。
私たちが担当しているのはその義務検診やリスクが高い子供への検診、歯の萌出や歯並びのコントロール、そして検診時に見つけたカリエスの治療です。

日本にいる時から子供はすごく好きだったのですが、なかなか治療がうまく行かないこともあり少し苦手意識がありました。
泣かれてしまったり、叫ばれてしまったり・・・でも、こちらで検査や治療をしているとなかなか協力的な子が多く小児が好きになってきました。

最初はスウェーデン語で子供と話すなんで絶対できないと思っていましたが、子供と話すほうが正直楽です。何故なら、子供はあまり難しい単語を使いませんし、私が言ったことがわからないとストレートにわからないと言ってくれるからです。
そっちのほうが私にはありがたいと感じています。

スウェーデンの小児歯科は日本の小児歯科と比べて結構違いがあると感じています。
面白いかったのが、ある日先生から『日本では子供を押さえつけて治療するんでしょ!?ネットにぐるぐる巻きにされてヘルメットみたいなのをかぶらさせられて治療しているというのを、日本から来た先生に当たり前のように見せられてとっても驚いたんだけど本当なの!?』と聞かれました。

ヘルメットはわかりませんが、それはレストレーナーのことだったようです。
治療に協力的でない子供や障害を持つ子供などに安全に治療を受けてもらえるように日本の小児歯科や障がい者歯科で使われているものですが、私も手が出てしまったり動いてしまうような子供のけがを防ぐためには有用なのではないかと思っていました。レストレーナーを使わないにしても、歯科医院のスタッフが数人で抑えて治療するような場面は見たことがあります。

こちらでは一切使われていないとのことで、小児科の先生に『暴れてしまう子供や障害を持つ子供、治療に協力できない子供たちはどうやって対応するのですか?』と聞いたところ以下の回答をもらいました。
1、だいたいの子供はTell Show Doでゆっくり慣らしていけばうまく治療できる
2、不随運動などがあったり協力できない子には押さえつけでなくビーンバッグに座らせると安定して安心するので治療できるようになることが多い
3、保護者に抑えてもらうこともある。
4、それでもだめなら鎮静(ミダゾラムを経口か経腸)
5、それでもだめなら全麻(毎週月曜日、1日2,3症例。なんと1年待ち・・・)
という流れだそうです。

ここでは歯科治療を子供に受けさせるのは保護者の責任であり、歯科医師の責任は適切な検診・治療の提供。そのため、必要に応じて抑えるのは保護者の仕事であり、医療従事者がレストレーナーを使って抑えるものではないということを強調していました。文化の違いなのよ、と。

Tell Show Doの大切さは、今身をもって痛感しています。
本当にできるようになる子が多くて!!
この前来た4歳の子供も、最初は怖くてお母さんの膝から降りようとしなかったし口もあけられませんでしたが、きちんとミラー・探針・ユニット・バキューム・3ウェイシリンジさらにはゴム手袋を見せて触らせて、水や風を出してもらい、ランプを自分でつけてもらったりして徐々に慣らしていきました。口腔内を見る際も、何かを行う前に必ず説明して1段階ずつ丁寧にすすめていきました。
探針を使う際にはまず爪にあてて、その後に『歯にあいさつするからお口ワニさんみたいに開いてね』と言って挨拶しながら歯数をチェックしプラークを見ていきました。フッ化物塗布までうまくできたのですが、残念ながらカリエスがあったので治療の必要がありました。
もう1度時間を取り、今度は削るためのTell Show Doです。
2回目は自分からユニットに座り、大きく口をあけてくれました。お母さんから『この前とっても上手にできたからってすっごく誇らしげに帰ってきて、いまだに歯医者さんからもらったシールを飾ってるんですよ!歯医者さんが好きになったみたい!』と言われたのでとても嬉しくなりました。
ワニのぬいぐるみ”クロコちゃん”を使って、パワードライブを用い患者さんにボタンを押してもらいました。そしてグラスアイオノマーを詰めるところまで見せました。
こうやってすべて見せることで子供も心の準備ができるし、安心して治療が受けられるようになるのかもしれないと思いました。

麻酔の感覚に驚いて怖くなってしまう子供もいるのでそこは難しいのですが、うまく行くケースは本当に多いような気がしています。

それから、かなり注意して言われるのは『子供にまず話しかけること』です。私も子供を待合室に迎えに行くときには必ず保護者より先に子供に握手し、自己紹介します。そして、問診するときも絶対に初めに子供に聞くようにしています。
『元気かな?』と聞いた後にあくまで補足として(問診に書くのはこっちがメインですが)保護者に『大きな病気やアレルギーはないですか』と確認しています。
保護者はあくまでも補足してくれる存在で、治療や検診の中心は子供だからです。
ちょっとやりすぎかな・・・なんて思うこともありますが、保護者の方も慣れているのでうまくやってくれます。
(ただし文化が違う家族などでは『子供はわからないんだから保護者に聞いてくれ、時間がかかる』みたいに怒った方もいますが、それは稀です。)

小さいころからこのような経験をしている子供は歯科に対して恐怖心を抱きにくく、ポジティブなイメージをもってくれるとのことです。
そうすれば大人になっても検診に来てくれるし、もし治療が必要になってもそこまで『歯医者さん行きたくない・・・』とはならないのではないでしょうか。

カリエス治療のほとんどにおいて麻酔が推奨されています。
私たちが削ると判断した歯は、治療に痛みが伴うことが多いからだそうです・・・
10歳以下では麻酔の有無の判断が自分でできないので必ず麻酔を、それ以上なら様子を見ながら・・・とのことです。
こっちは子供にも伝達麻酔を普通に使用します。治療中に痛みを感じさせることが何よりも悪いとされているようです。
ただし、乳歯のオープンになっているカリエスであればカリソルブやパワードライブ・ハンドエキスカを使用して無麻酔での治療も可能です。
パワードライブは自分でボタンを押してもらうので、ゲーム感覚で楽しいみたいです。

検診で調べることはココに記載してあります!
補足としては、3歳の検診では夜にミルクなどを飲んでいるかどうかの確認です。それはリスクなので、きちんと説明して辞めるように指導します。
ちなみに去年の夏ごろに小児について書いていましたが、少しは私にも心境の変化があったのでしょうか・・・
(日本では)小児歯科の実習中に、やるときは泣いてても覚悟を決めて治療する!こっちが弱い態度を取っていたら子供も覚悟ができなくて泣いてしまう、と言われたことがあったので、タイミングを見てぱっと治療するようにしていました。
なのでスウェーデンの、嫌がったらすぐに中断し子供に語り掛け説得するスタイルはなかなか慣れません。
『あーあー、余計泣かせちゃってるよ』と思うこともしばしば。。。
こんなことを書いていましたが、いまではすっかりスウェーデンの考え方に慣れてきたんでしょうね・・・嫌がったら中断して子供に語り掛けるの、すっかり慣れてしまいました。
なんだか自分の心境の変化を見られるのもこのブログをやっていてよかったと思う点です。
日本で育った私は、性別や年齢でできることは変わってくるんだからもっと臨機応変に対応すればいいのになぁなんて思うこともありますけどね。ここだけの話・・・“と最後にコメントしていますが、おそらくスウェーデンはスウェーデンで臨機応変に対応した結果、今のようになっているのかななんて思っています。どっちがいいか悪いかは全く言えません。でも、これがそれぞれの国の文化というものなんだと痛感しています。

でも、ちょっと悲しいと思うのは、子供は治療がタダということは子供1人に予算があってそれを超える治療は医院の持ち出しになってしまうようなので(自費でやる方法もあるようですが、詳しくは知りません。とにかく手続きが面倒くさいとのこと。)必要最低限の治療しかできないケースがあるということです。
例えばカリエスがたくさんあって、乳歯が抜歯になってしまうような子供には予算をカリエスの処置と抜歯で使い切ってしまうために保隙ができずそのまま・・・永久歯が変な場所に生えてきて矯正が必要になる、なんてことが多々あります。
確かそれも地域によってシステムが違い、オレブロという場所では結構保隙や咬合誘導に力を入れているなんて話も聞きますがストックホルムではほぼ保隙は行われていないと思います。
乳歯のエンドは一切行われず、大きな虫歯はほぼ即抜歯になります。エンドしてとりあえずスペース確保に~なんてことはなかなかできないようです。
これも予算の問題が大きく絡んでいるようです。

タダで受けられる、ということはその分我慢しなければいけないこともでてきてしまうということみたいです。小児専門の先生は嘆いていました。

それから、最近の歯科新聞で研究者のCさんが『最近の研究で、2014年にはハイリスクの子供の予防処置に平均29分・リスクが低い子供の予防処置に平均13分の時間がとられている。これは時間的に問題がないと考えられるが、リスクの低い子供には歯科医師が介入する必要があるのかと疑問を投げかけている。リスクが低い子供は衛生士・助手に任せて、歯科医師が介入しなくてもいいのでは。時間をもっと効率的に使うほうがいい。』とコメントしており、さらに、リスクの低い子供は2年ごとの検診は必要なくもっと検診の間隔を長くしてもいいのでは、との見解を述べていました。健康な子はどうせ虫歯にならないから見なくていいわ!ってことなんでしょうか・・・。
スウェーデンでは衛生士さんはカリエス・ペリオの診断が独立して行えるためにこのような提案ができるのだと思います。
これからスウェーデンはよりシステマティックになり、無駄が省かれ、分業化されていくのかななんて思いました。このシステムはほとんどの人口は救えるけれど、1部の急にカリエスになってしまう例は目をつぶる・・・なんてことになるんですよね。スウェーデンらしい考えです。
日本は歯科医師の責任がスウェーデンよりも重く、治療や検診の最後には必ず歯科医師が登場しチェックしているイメージですが、こちらは歯科衛生士さんでも独立して診断できるので歯科医師が介入しなくても大丈夫なようです。
この考え方にもものすごく慣れませんが、きっとまたそれが当たり前になっていくのでしょうか・・・

まだまだ不安なことだらけですが、少しずつ少しずつシステムに慣れていきたいと思います。
常に葛藤し揺れ動き、変化していく移民歯科医師の気持ちは、これからどうなっていくのでしょう・・・。

今、猛烈にアイデンティが迷子になっています!

さて、最後に小児で使われるビーンバッグとワニのクロコちゃんの写真を載せて終わりにしたいと思います。

ビーンバッグ。これにくるまって座ります。


ワニのクロコちゃん達。

おばあちゃんのこと。

今回は、歯科にはあまり関係ない内容ですが
書き記したいことがありましたのでブログを書こうと思います。

『スウェーデンは寝たきりがゼロ』や『高齢者のケアがしっかりしている』
という話は有名で、よく日本のメディアでも取り上げられたりするのを見ます。
口腔内が亡くなるまできちんと保たれているなんていう話も聞くし、健康寿命と平均寿命の差がほとんどないと言われています。
福祉がしっかりしていてゆりかごから墓場まできちんとサポートしてくれるなんてイメージがついていると思います。

私は、これには賛同できません。
何故なら、私の夫のおばあちゃんが寝たきり生活を経て先日亡くなったからです。

今回は、私が見たおばあちゃんの状態の変化・スウェーデンの老人ホームについて、そしておばあちゃんの思い出をつづりたいと思います。
(私と家族が経験したことですので、必ずしもスウェーデン全体がそうではないということを前提にお読みください。)

私がおばあちゃんに出会ったのは2010年。2009年におじいちゃんが亡くなり1人暮らしが始まったばかりでした。
83歳で、すごく元気でした。スウェーデン語が話せない私に英語でいろいろ教えてくれ、白いきれいな髪の毛と真っ青な透き通った目がとても美しかったのを覚えています。若いころの写真を自慢げに見せてくれて、真っ黒な髪の毛と青い目で人気者だったことや、英語の先生をやっていたこと、ステノグラフィもできドイツ語も話せたこと。イギリス留学が決まっていたのにおじいちゃんと出会ってしまい留学を諦めて若くして結婚したことを語ってくれました。
日本で2013年前半に挙げた私たちの結婚式は、体が不自由になりかけていたので断念したのですが、いつも行きたかったと言ってくれたし写真を飾っていてくれました。

2013年後半ごろから発言や行動が変化し始め、料理や掃除ができなくなってしまったのでHemtjänst(訪問サービス)を頼んだのですが、そのサービスの方はスウェーデン語があまり話せずコミュニケーションが取れず、スーパーで買ったお弁当的なものを温めてくれ、掃除をしてくれて帰っていったそうです。
それでもおばあちゃんはその人が来るのを楽しみにしていたそうです。
2014年ごろから徘徊行動が見られるようになり、ついに老人ホームに移ることになりました。ただ、コミューン運営の老人ホームが満室のためそこが空くまでプライベートの老人ホームで暮らすことになりました。

そこは本当にひどくて、
・介護士がスウェーデン語でコミュニケーションが取れない
・介護士が宗教上の理由で女性に触れない。入居者の家族とも握手できない。目を合わせない
・介護士が入居者と一緒にソファーに座ってケータイをいじっている
・入居者は車いすにずーーーっと座ったままぼーっとテレビを見ている

こんな感じだったので、おばあちゃんは一気に刺激がなくなってしまい急激に認知症が進みました。
さらに、おばあちゃんが転んでけがをした際もすぐに親族に連絡がいかず、病院に運ばれホームに帰ってきて、義理の母がけがをしているおばあちゃんに気づき介護士に尋ねてやっとけがをして病院に運ばれたということを知ったそうです。
さすがにひどいので義母はIVOに通報しました。(そしておばあちゃんが亡くなる1週間前にやっとIVOから返事がきました。2年以上・・・)
2016年初旬、やっとコミューンの老人ホームが空いたので引っ越し。
コミューンの老人ホームは大きくてきれいで職員さんたちもみんなフレンドリーでスウェーデン語が話せる人たちでした。アクティビティやイベントも少しあったようですし、友達もできたとかで少しずつ元気を取り戻しました。ただ、一つ心配だったのがおばあちゃんが食事をする際にずっとゴロゴロ言っており飲み込むのにすごく時間がかかっており嚥下機能の低下がかなり疑われました。でも、ストックホルムでは摂食嚥下という科目がありません。嚥下の評価やトレーニングなどは一切行われていなかったようです。

少し元気を取り戻したおばあちゃんを見てみんなが安心していたのもつかの間、おばあちゃんは転倒して大腿骨を骨折してしまいました。手術をし戻ってきたのですがリハビリは思うように進まず(介護現場はストックホルムでもものすごく人手不足で、リハビリをする時間はあまりとれていないようだと義母が言っていました)どんどん歩けなくなり、ご飯も食べられなくなっていきました。そして去年再び骨折。人手がないから1人1人をサポートするのは無理だし、これ以上リハビリをしたり歩かせるのは危険ということでそこからは完全に寝たきりになりました(日中ベッドで過ごしていたようです)。ケアやリハビリは行われず嚥下機能がどんどん弱っていくのが目に見えてわかりました。
口腔ケアも十分行き届いておらず、亡くなる直前はインプラントブリッジの上部構造が取れインプラントも抜け落ちカリエスや歯肉、衛生状態も悲しくなるような状態でした。何で私が何かできなかったのかと後悔しました。誤嚥性肺炎になっていたかもしれません。何も検査をしないので何もわかりませんが。
そして、そのままどんどん弱っていき、つい先日突然気絶。義母が訪ねた時には、ちょっと気絶してしまっただけで理由はわからないといわれ、その次の日にホームからいきなり義母に『もう最期の時です』と連絡が来ました。そしてそれから2日後に亡くなりました。

ここのホームでは、延命治療をしないのが当たり前で、危篤状態になってからは『もう最期の時です。静かに命が終わるのを待ちましょう』と言われ
水も栄養も薬も症状緩和のもの以外は一切中止し、静かにおばあちゃんが息を引き取るのを待ちました。人の自然な人生の終わり方を見た気がしました。
延命しないのは良い選択なのかもしれないと思いました。
義母は、のどが渇いているかもしれないから水くらいはあげられないのかと言っていましたが看護師さんが、もう水は体が受け入れません。そのまま何も与えずに死を待ちましょう。と言いました。
看護師さんが何度も何度も『彼女のvälbefinnande(Well being、幸福な状態)を尊重して・・・』とつぶやいていましたが、それがなんだかむなしく聞こえました。彼女に一体何がわかるのだろう、と思ってしまいました。
延命治療をしない、という観点から言えば寝たきりで延命されている状態はほぼないとはいえると思います。(しかし、おばあちゃんの施設と家族の職場の状況しかわからないのでスウェーデン全体がどうなっているのかはわかりません。)
生命が静かに閉じていき、体の機能がだんだん停止していくのを感じました。
点滴などにつながれて延命するよりも良かったのかなとは思いましたが、この状態になるまでになにかできたんじゃないか、と後悔しました。
私は、これが自分の家族に起こったときにすんなり受け入れられるかわかりません。私だって延命はしてほしくないけれど、そうなる前に止められるならリハビリやトレーニングをして友達と歌ったりアクティビティをやって楽しんでできるだけのことをしてから最後の時を迎えたいです。
ここの老人ホームのように、毎日平たんに過ごし、機能を回復する訓練などもなく、弱ったら最後の時が来るのを静かに受け入れる・・・というのはどうしても・・・。
嚥下訓練は、もちろん状態にもよるけれど
おばあちゃんの場合は食欲もあったし食べるの好きだったし、少しは改善につながったかもしれません。
口腔ケアをもっとしていれば、なにかが改善されたかもしれません。
私がこちらで高齢者歯科の授業を受けた時、嚥下についてはどうか。訓練や検査はするのかと尋ねたら『嚥下機能?なにそれ』みたいな感じで答えられたのでこっちは摂食嚥下機能学というのはあまり考えられていないのかもしれません。
口腔ケアだって、インプラントのブリッジが取れてむき出しになったインプラントが歯肉から突き出ていたのに誰もおばちゃんを歯医者に予約してくれず、義母が訪ねたら『ご自分で歯医者を予約してください』と言われたそうです。
(授業では、施設が歯科医院に連絡をとり病院歯科に連れて行ってくれるか、歯科スタッフが必要に応じてきてくれると言っていました。さらに、衛生士さんがかなりお世話をしていると習いました。しかも、今度歯科実習と称して大学でおばあちゃんが住んでいた施設に見学に行きます。おばあちゃんが十分な口腔ケアを受けていなかったのを知っているので怒りがわきました。)
そういえばなくなる2日前に衛生士さんが来てくれました、とスタッフが言っていたけど来て何をしたのだろう。口腔内はなにも改善されていなかったです。

歯がたくさん残っているから長生きできる?
本当にそうですか?
歯がたくさん残っていたりインプラントがたくさんある口腔内のほうが、ケアができなくなった時に大変ではないですか?
今、ここでは歯がたくさん残っているから起こる問題に悩まされているように感じます。

実は私の家族には介護士をしている子がいます。
彼女はいつも現状を教えてくれますが、私はここで最期の時を迎えたくありません。
認知になって母国語しか話せなくなったり、誰も身寄りがなく1人で亡くなる方、末期がんの最期、入居者の歯磨きがちゃんとできないこと、そんな話や愚痴をたくさん教えてくれます。もちろんそういう経験をしていない方もたくさんいるとは思いますしスウェーデンで働く介護士の方たちも必死に働いてくれているのは理解しています。とんでもない人手不足に陥っているのも十分知っています。
でも私が見たこと、家族が教えてくれたことを聞くととてもじゃないけどここの高齢者ケアが日本よりも特に進んでいるとは思えません。
大学で先生が良く言っているFriska blir friskare, sjuka blir sjukare(健康な人はより健康に、病気の人はより病気に)というのは本当にそうで、ここは健康な人にはいい社会だけど病気になると歯止めが利かないというイメージです。そしてあきらめも早い。

実は私の祖母は夫のおばあちゃんと同い年、同じ認知症を抱えています。しかし、私の祖母はデイケアに通いはじめ、認知はもちろんよくなりませんが今も状態を保っており元気です。楽しんでアクティビティや嚥下体操などをやっているようだしスタッフさんが施設での様子も事細かにノートに書いてくれます。運がよかったのは十分承知の上ですが。
そんな同い年で、状況が似ていた2人のあまりの違いに、よりショックを感じているのかもしれません。

もう後悔したってしょうがないことなんてわかっていますが、それでもおばあちゃんが少しでも元気になるために何かできたのではないかと思ってしまいます。
おばあちゃんがどんどん弱っていくのを諦めて自然に任せるのも1つかもしれませんが、うちの祖母みたいに毎日アクティビティをやり歌ってご飯を食べられるように楽しく訓練してなるべく元気でいられる状態を保つことだって選択にあってもいいのにと思っています。少なくとも、義母はそれを望んでいました。いつも『人手不足なのはわかるけど、もう少しなんとかならないのか・・・』と言っていました。

介護・そして医療にかかわる人材が増えて、スウェーデンが本当に平均寿命=健康寿命になるように高齢者のケアがもっと進むように心から願います。
日本から、摂食嚥下の先生に来てもらいスウェーデン知識を広めていただきたいと思いました。

最後に歯科新聞の記事を紹介して終わりにします。
リンクはコチラ(スウェーデン語です)
タイトルは
“Katastrofal tandhälsa hos äldre på sjukhem”
施設に住む高齢者の歯の健康の大惨事

スウェーデンで行われた21000人の施設に住む高齢者を8年間追った研究によると、5人に一人が無歯顎、歯がある人においては3人に2人はカリエスがあります。平均で1人5歯で、それは入居者すべての歯の23%です。
これは歯の健康の観点から許容できない数字であるというだけでない、と研究者は言います。このような患者さんのグループにおいては歯の状態が悪いと栄養摂取や全身の健康、健康に関する生活の質が悪化すると示されているからです。さらに、歯科医療従事者による口腔衛生ケアは歯肉炎を減らし口腔衛生を改善し、このような患者グループの死因の多くである医療・介護関連肺炎を減らすことができるということが示されています。
~中略~
研究者によると、歯科医療はこのような高齢の患者さんたちにより焦点を当て、患者さんたちの最期の時の口腔健康関連のQOLを向上させなければならない、ということです。

もう1つ、コチラです。
Tandvårdspersonal i äldreomsorgen kan rädda liv
高齢者福祉において歯科医療従事者が命を救える

これはまとめだけ紹介します。

スウェーデンのメタ分析において、病院や施設における歯科医療従事者による歯科医療の提供は、患者さんが肺炎で亡くなるリスクを減らせる ということが示された。しかし、看護師による歯科医療の提供ではリスクは減らないということも示された。

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つまり、歯科医療従事者は歯科医療を高齢者に提供することの大切さが示されたということです。
人生の最後においては、たかが歯・・・となるかもしれませんが
それでも私はおばあちゃんのいい治療がたくさんされた口腔内をなるべくきれいに保てたらよかったのに・・・と思いました。

私にできることは少ないかもしれませんが、歯科医療従事者としてこれから少しでも高齢者施設の入居者の口腔衛生状態の改善に何か貢献できればいいなと思います。
スウェーデンに住む人たちはどんどん残存歯が増えインプラントも多く埋入されています。その口腔内をケアする方法を考えていかなければいけない、と強く思いました。

追記
スウェーデン在住のアンダーナースの方のブログがスウェーデンの介護の現状を伝えてくれていますので紹介させていただきます!
KOKEMOMO sweden
スウェーデンの老人ホームで働くということ
スウェーデンの老人ホームで働くということ/その2
スウェーデンの老人ホームで働くということ/その3

コメントの質問に対して・・・

ありがたいことに、ブログを読んでいただいた方からいくつかの質問をいただきましたので答えられる範囲で答えていきたいと思います!
嬉しいです!ご質問ありごとうございます。

では早速・・・

1、スウェーデンの歯科医師免許は更新制なのでしょうか?

スウェーデンの歯科医師免許は更新制ではありません。さらに、日本と違って国家試験もありませんので、大学の卒業証明をSocialstyrelsen(厚生労働省)に送り免許を取得します。ただ、免許をはく奪されることはまれにあります。スウェーデンで医療の問題が起きると患者さんがIVO(Inspektionen för vård och omsorg・・・Inspektionen(監査) för Vård(医療) och Omsorg(ケア)の略で、医療を監視する政府機関です)に通報し、必要に応じてHSAN(Hälso – och sjukvårdens ansvarsnämnd 医療機関責任機関)と呼ばれる医療の裁判所のような機関で免許のはく奪をするか、いわゆる試用期間(態度が改善されるかを試す)を設けるかの判断がされます。詳しくはコチラをご参照ください。

2、1980年頃に東京医科歯科大の総山先生が、「スウェーデンの歯科医には、定期的なクオリテイチェックがある」と述べておられていたのですが、現在はいかがでしょうか?

例えば、中国やおそらくロシアのように歯科医師のクオリティが国家的なテストなどで定期的にチェックされるということはありません。(中国の件は上海出身のクラスメイトから、ロシアの件は歯科医師に関しては不明ですが、医師の友人から医師は更新制ということをききました)
ただ、スウェーデンの歯科治療に関するナショナルガイドラインは定期的に更新されますし、なにかおかしい治療をして保険の取り方がおかしかったりするとIVOがチェックするようです。でも日本も保険の取り方がおかしかったりするとチェックされると思います。定期的にガイドラインのエビデンスが見直され、全国でだいたい同じ基準に基づいて治療するのでそういう点では知識のクオリティ維持にはつながるかもしれません・・・

3、「金パラによる修復は、先進国では日本だけ」とよく言われますが、スウェーデンの患者の口に「銀歯」を見ることはないのでしょうか?

銀歯を見ることは稀です。でも、それには理由があると考察しています。
スウェーデンでは日本のような”保険制度”がなく(ある一定の料金を超えたら、割引されます)、メタルボンドクラウンで補綴してもセラミックで補綴しても、銀歯で補綴しても基本的にはあまり値段の差がありません(医院で値段を決めることができるので、医院によっては若干材料によって値段に差をつけているところもありますが)。クラウン1本だいたい6万以上はします。銀歯を選んでも高額なら、銀歯は選ばないですよね?たまにご高齢の方でゴールドクラウンを作ってほしいという方はいらっしゃいますが稀です。
日本の保険治療では確か審美に関する部分は硬質レジン前装冠、臼歯部は所謂銀歯でできると思うのですがそうすると1万円もしないですよね。一方自費治療の白い歯は結構値が張ります。なので『じゃあ銀歯でいいです』となることが多いような気がします。
でも、確か臼歯のCADCAM冠が一定の条件下保険適用になったようなので、これからは白い歯が増えていくのではと予想されます!!

4、「アンレーの窩洞をCRで修復」という記述がありましたが(別日に)、CRで日本よりも大きな範囲をやっているのでしょうか?
日本ではアンレーサイズになると「CR修復は壊れる」といって、金パラにする先生が多い印象ですが。

スウェーデンの歯科では、とりあえずなんでもかんでもCRで修復するイメージがあります。SNSでつぶやいたところ、日本の先生が保存修復のガイドラインを紹介してくださいました。
臼歯部の2級窩洞におけるCR修復とメタルインレー修復の臨床成績の違いについてのガイドラインによると、臨床成績の違いはないがCR修復は歯質を可及的に保存することができる上に審美性も高いので確実な接着操作とCRの充填操作が可能ならCRが推奨されるとのことでした。
しかし、この”確実な接着操作と充填操作ができるかどうか”というのは術者の考えにもかなり左右されると考えます。ガイドラインによると、隣接面に限局した小さな窩洞では操作が容易であるが、隅角を超えた大きな窩洞では難しくなるとの記載もあります。
スウェーデンでは隅角を超えるような大きな窩洞や3壁・なんならすべての壁が失われたような場合にもCRを行いますが(4壁歯質のないものにCRしたものをコンポジットクラウンと呼んでいます。)とにかく時間がかかります!時間をかけてマトリックスバンドを歯に1周巻き付けCRをたくさん詰めます。歯質が少ない場合は2種類のマトリックスバンドを使い分け修復することもあります。コンタクトもかなりいいですし、かなり持ちはいいと思います。国民歯科のホームページでインレーについての記載がありましたが”ポーセレンまたはセラミックインレーは口の奥にある大きな欠損のある歯に行われます。”と書かれているので、例えば8がある人の7の遠心などで口があまり長時間あけていられないような人に適応なのかもしれません。でも私は約1年バイトをしていて1度も見たことがありません。
プライベートの歯科のホームページなどを見るとインレーアンレーのほうが強くてきれいで適合もいいとかかれており、インレーアンレーを推す歯科医院もあるようです。インレー・アンレーは保険適応にはなりませんし、CRよりは高額です。
プライベートとしては時間短縮できてお金が高いインレーアンレーのほうがいいのかもしれませんね。

先ほども記載しましたが大きな窩洞のCRは時間がかかるのでインレーのほうが時間が短縮できると思います。形成して印象を取ったほうが早いです!先生が形成して次のユニットへ、そこで形成してる間にスタッフが印象・・・なんていう光景はよく見ますよね。
なので日本の歯科の診療形態ではなかなか時間をかけて大きい窩洞をCRするのは難しいのではないでしょうか。それから、コンタクトが悪くなることを気にされている先生やすぐに壊れてしまうことを心配する先生は多かったような印象です。

こちらでは歯質がかなり少なく根の状態もイマイチで予後が不確かな歯の場合に、本当はクラウンが適応ケースだけれど
予後が悪いのでクラウンの数万円をその歯にかけるのはもったいないというので患者さんに説明してコンポジットクラウンにしてダメになるまで使ってもらうということもよくあります。
安いクラウンがないので、日本のようにとりあえず保険のクラウンをセットして使えるまで使いましょうというのがしにくい環境だと思います。

5、スウェーデンの場合、診療現場で患者に対して歯磨き指導、フロス指導など、予防教育を行うことはあるのでしょうか?
行う場合、費用なども教えてください。

はい、もちろんあります。
検診の際には指導や予防教育をしなければいけません。それをしてやっと点数が取れます。初回の検診は割引などを考えないと830kr(約10700円)なのですが、
・カリエスの診断・簡単な歯肉炎、歯周病の診断・口腔粘膜、顎機能、さらに精査が必要な状態の発見
・診断の必要に応じたレントゲン撮影。4枚の口腔内レントゲンまで。読影も含む
・リスク判定
・口腔清掃指導や食事指導などのアドバイス
・5分以内の予防的処置(口腔清掃指導・歯石除去やフッ化物塗布など)
が含まれます。

さらに細かい予防指導をする場合は、”口腔内の問題に対する情報提供や指導“という項目で点数を取ることができ、だいたい6000円くらいです。ストックホルムの国民歯科だとこれが細かい予防指導とさらに細かい予防指導に分けられており、前者は3000円ちょっと、後者は6000円ほどです。

現場では、例えば初期虫歯が歯と歯の間にたくさんある人に対して進行しない様にフロスを指導したり、フッ化物洗口を勧めたり、食事指導を行います。

私たちの知識を、患者さん1人1人の口腔内状況に合わせて提供するので予防指導にもそれ相応のお金が発生するのは正しいことだという考えのようです。

日本のように予防指導のお金があまり取れず、処置のみに点数があるという状態になると歯科医師は処置をしなければお金を稼ぐことができなくなり、処置すべき部分にばかり目を向けるようになる恐れがあるのではないかと思います。
もっと予防処置に重きをおいてほしいと思うのですが・・・

さて、以上で質問に対する回答は終わりですがいかがでしょうか?
まだ不明瞭な部分・わかりにくいところがあればできる限りお答えしますので教えてください。
私はまだ働き始めたばかりなので足りない部分もあるかと思います。もし何か補足があればぜひ教えていただけると幸いです。

VipeholmsexperimentenとLördagsgodis その1

子供を検診するときに必ず質問することがあります。
『甘いものはどれくらいの頻度で食べている?』ということです。
子供はだいたい週に1回、土曜日とか金曜日の夜などと答えますが、このようにお菓子を週に1回だけ食べるという概念を土曜日のお菓子、ラーダーグスグーディス(Lördagsgodis)と言います。
私の主人も小さいころ、自分専用の容器に入ったお菓子(グーディス)を毎週土曜日に親からもらっていたそうです。かなり楽しみにしていたとか。
今回は、この概念が広まるきっかけになった
そしてスウェーデンの歯科を語る上で外せない研究について書きたいと思います。

その研究は1945年~1955年に行われた有名なVipeholmの研究(Vipeholmsexperimenten)です。
この研究のおかげでスウェーデンはその名を歯科界に轟かせることに成功し、歯科は職人の手工業という立場からアカデミックな分野として考えられるようになりました。
そして今では当たり前に知られている『砂糖を取ると虫歯になる』ということがこの研究で証明されたのです。
しかしこの研究はかなり物議をかもし、現在ではいわゆるスウェーデンの黒歴史的な研究でもあります。

今回、この研究について、スウェーデンで放送されたラジオ番組や論文・精神医学博物館の資料をもとにまとめ、さらに現在のナショナルガイドラインではどのようにとらえられているかを書いてみたいと思います。

この研究を行うに至ったスウェーデンの状況を振り返ってみると、

1942年の時点で徴兵前検診時、つまり18歳くらいにおいて(当時は徴兵が義務でした)99.9%に虫歯がありました。
小さい初期カリエスではなく大きい穴、そして大多数が神経まで達するような虫歯を有していたそうです。
3歳児の83%も虫歯があり、なんと義歯を入れていたりもしたとのこと。
それぐらい、当時のスウェーデンは虫歯が多かったようです。当時は歯科医師が大きな街にしかおらず、さらに高額でなかなか一般人が気軽に通えるようなものではなかったことや、虫歯の原因などがきちんとわかっていなかったこと、砂糖が安くなりお菓子が簡単に手に入るような時代だったことなどが理由のようです。
当然それほどまで大きなカリエスができてしまうと仕事も病欠になり数週間お休みするなんてこともあり、そうなると労働力が少なくなり経済的にも影響が出てしまいます。
なので虫歯は当時スウェーデンにとって本当に大変な社会問題になっていたとのこと。
そこで政府は、市民の口腔内の健康を促進しこの問題を解決するための改革を提案しました。
それは
・歯科医療を17歳まで無料にする
・国が成人の歯科治療を一部負担する
・歯科医院を増やし、大きな街以外にも歯科医院を作る。
ということです。
しかし、以上のことを達成するためには国の予算を大幅に増やす必要がありつまりは税金を増やす必要が出てきてしまいます。
今のスウェーデンに住むものとしては今とのあまりの違いに驚くのですが、当時は『お金を持っている人が貧乏な人の健康と幸福のためにお金を払う』ということに対して大きな疑問と躊躇があり、物議をかもしたようです。(今なんてとんでもない税金を働いている人たちは払っているのに!)
そして、この改革をしたとしても虫歯が増え続ければさらにお金ががかかってしまうということで虫歯を治療するだけでなく予防する必要もあるという結論が出されました。
そのため政府は改革を導入するにあたって国民の信頼を得るためにきちんとした研究をして科学的根拠を示す必要があると考えたようです。

以上のような背景を踏まえて、政府は研究プロジェクトをスタートさせMedicinalstyrelsen(現在のSocialstyrelsen、厚労省)に人間を用いた研究を通して、『虫歯の原因はなにか?』と『どうすれば虫歯を予防できるか?』という2つの疑問を解決するように課題を与えました。
国際的に刑務所や孤児院での研究はありましたが、囚人や子供たちはその場にずっととどまっているわけではないので長期の研究は困難な上に被験者が少数でした。
スウェーデンの研究者たちはどうしたら世界的にも信頼性のある研究ができるかを考え、統計的に信頼性を持たせるためには被験者が約1000人ほど必要であり、さらに被験者が細かくコントロールできるような施設での研究が必要ということになりました。

そこで白羽の矢が立ったのがLundの郊外に位置するVipeholmの施設でした。

Vipeholmの建物(写真はÖppet bildarkiv, Sydsvenska Medicinhistoriska Sällskapet (SMHS)より)

この施設は、重度の精神疾患をもつ方たちのための国の大きな施設4つのうちの1つで、重度の精神および身体障害を抱えた人たちが治療を受けていました。
1/4の患者さんがコミュニケーションをとることができず、半分は寝たきりだったそうです。ほとんどの患者さんが食事介助を必要としさらには一生を施設で過ごしたそうです。
1920年代当時、様々な人種が国に入ってきたために精神障害者が増えたと心配されていました・・・そして、そのような病を抱えた方は感情がなく、痛みなども私たちと同じように感じることができないと考えられていました。さらに、社会に貢献せず重荷な存在として扱われていたそうです。当時は残念ですが、すべての人間の価値は同じとは考えられていなかったんです・・・とても悲しいことです。
そのため、この研究が許可された際にはこの研究は患者さんたちが社会の発展に貢献できるチャンスだとポジティブにとらえられたそうです。

1943年、Vipeholmに歯科研究所が作られ、研究の準備が進められました。患者さんの協力を得るのは思っていたよりも難しく、暴力を行使してはいけないという決まりがあったため被験者は1000人から660人ほどになりました(それでも統計的には十分な被験者です)。

写真はVipeholmで働く歯科医師(写真はÖppet bildarkiv, Sydsvenska Medicinhistoriska Sällskapet (SMHS)より)

1946年、虫歯予防を目的とした研究が開始されました。最初は様々なビタミンやミネラルを患者さんに摂取してもらい何が虫歯予防になるかを調べました。
患者さんはグループに分けられ食事をコントロールされましたが結果は感染症の低下と体重の増加(研究前まではきちんと栄養のある食事ではなかったため)は認められましたが、口腔状況の改善・虫歯予防にはつながりませんでした。
国を挙げての大きな研究プロジェクトなのに思うような結果が得られず、研究チームは焦ります。そしてポジティブな結果を求めて研究者たちは政府や国会に秘密で研究を続けました。
国で決めたプロジェクトは、まず予防の観点から調べるというものだったのにもかかわらず、研究者たちが勝手に虫歯を引き起こすための研究を行うことを決め政府に言わずに実行したのです。
当時、砂糖が虫歯の原因だろうということは言われていたのですが、信頼性のある研究はなくエビデンスがない状態でした。
そしてついに1947年、予防の研究から打って変わって虫歯を引き起こすための実験が開始されました。
ここで興味深いのは、研究が行われる前の会議において研究者たちが『患者さんたちを動物のように扱わないのは当たり前だ』と話していたのに実際は被験者がまるで動物のように扱われてしまったことです。
研究者たちは、倫理的にまずいと知りつつも止められなかったのでしょうか・・・

政府の協力を得ずに研究を続けるためにはスポンサーが必要です。
そこで、砂糖と歯の関係を気にしていた業界・・・砂糖工業が興味を示しました。この研究の結果によっては砂糖の疑いを晴らせるかもしくは製品を調整できると考えたからです。
砂糖の会社がスポンサーになり、研究のために特別なお菓子を作ってもらいました。”Vipeholmskolorヴィぺホルムのコーラ(スウェーデン語でコーラはキャラメルのようなべたべたしたお菓子です)”
とよばれる、大きくて必ずかまなければいけないものすごく粘着性の高い長時間歯にとどまるように作られたキャラメルです。
研究で用意されたチョコレートは500㎏以上、キャラメルは約2トンだったそうです。

患者さんは複数のグループに分けられ、同じ食事+チョコレート・キャラメル・砂糖を入れた飲み物などを毎日決まった数量与えられました。その数は20個以上。そして、歯磨きは1度もしませんでした。施設のスタッフは細かく患者さんが何を食べたかチェックし書き記しました。

そして1年半後、ついに研究者たちの望む結果が出ました。
キャラメルやトッフィーを与えられた220人の患者さんは平均10個、一番多い人で17個もの新しい虫歯ができたのです。研究が終わるまで歯の治療はされませんでした・・・痛くて噛めなくて、苦痛を訴える患者さんはそのままにされ研究は続きました。
統計的には1年半で十分だったのに、さらに半年研究をつづけました。
しかしそれでも研究者たちは軌道に乗った研究をやめるのがもったいないと思いさらに研究を続けようと思いました。
研究を続けるためにお金が必要なので、研究者たちは
Sötsaksjätten Chokofaという会社に連絡をとり、会社は研究の結果を決める際の話し合いに参加する権利を買収しました。
研究者たちは、通常の量の砂糖やお菓子の摂取量で何が起きるかを調べたかったのですがそれにはさらに2年の研究が必要だった上に、通常の量というのを定義するのが不可能なため中止になりました。
そしてその後から結果が書かれました。

1953年、最初のレポートが論文として出されました。
そしてもちろんですが、問題になりました。当時はなんと倫理的な問題には目を向けられず、砂糖工業がスポンサーとして研究に関わっていることが問題になったようです。
次の年、砂糖業界の反対を押し切り砂糖の歯に対する悪い影響を書いた本が出版されてしまいました。研究後しばらくは砂糖業界と研究の関係が問題になっていたのですが、問題の論点はひょんなことから変化します。
Vipeholmで2か月働いていた方が、Vipeholmの実態を記事にしそこでは革のベルトで患者さんを追い回したたくというような記載がありました。
そして、それがもとによって調査されVipeholmで働く一部の人がスウェーデンで初めて人を不正に扱ったとして罰せられました。
Vipeholmでは患者さんたちは古い間違ったやり方例えばベッドに縛り付けられたりという風に扱われていました。
今度は患者さんに対するひどい扱いが物議をかもしたのです。

それでもまだ、研究自体のやり方自体が問題にはなることはなかったようです。
研究の成果によって『炭水化物をなるべく控えるように指導し、砂糖は税金を2倍にする』という提案がなされましたが当時は砂糖工業はたくさんの雇用を抱えておりもし砂糖の税金を上げてしまうと多くの人が職を失うと予想されたために実行は難しく、ちょうどその時ノルウェーの研究でフッ素の予防効果が証明されたために税金を上げるよりも予防を強化しよう、という流れになったそうです。

 

長くなってしまったので、その2へ続きます。

Vipeholmsexperimentenとlördagsgodis その2

前回の記事の続きです。
読んでいない方はコチラから。

さて、
ついに1955年、Vipeholmの歯科研究所は研究の成功をもって閉じられ、スウェーデンは世界の歯科界にその名を轟かせました。
しかし結果はいいものだけではありません。患者さんは完全に歯がボロボロになり、噛めなくなってしまい腸の問題を起こしたりなどの問題に一生苦しめられました。
患者さんは研究後2000本抜歯、3000本が詰め物をされたとのことです。
当時研究にかかわった研究者は生涯を終える前に研究を振り返ってコメントを残しています。『私たちにとってこの研究(患者さんにカリエスを作ること)は倫理的な問題はなかった。私たちにとっての倫理問題は被験者のカリエスを残したまま症状を消せなかったことだ。(治療しようとするとカリエスを取らなければいけないので)』・・・なんと。彼は研究自体に倫理的問題があったとは考えていなかったようです。そういう時代だったんですね。

倫理的な問題に注目され始めたのはずっと後、現在のように人々の価値はみな同じでみな正しく扱われなければいけないという概念が出てきてからのことです。

患者さんたちがこの研究をどうとらえていたのかは今となっては知る由もありません。でも、研究中は通常よりもバランスの取れた豊かな食事をとることができたし、社会からの注目をあび、さらには単調な毎日から少し開放された時だったのかもしれません。キャラメルやチョコレートはおいしく、喜んで食べていた人もいたようなので少しは患者さんにとってポジティブな思いもあればいいけれど・・・とラジオでは言っていました。
嫌いな人もいたようでキャラメルを食べずに丸めてボールのような大きさになるまで隠していたり、患者さん同士で交換したり・・・といったこともあったそうです。

Vipeholmsexperimentenのおかげでスウェーデンは歯科界で有名になりさらにスウェーデンの歯科医療に革命を起こしました。歯科医師の地位は上がり歯科はアカデミック職業になりました。
食事とカリエスの関係が導かれ、国民はどのように歯を磨くか・何をどの頻度で食べるかを話し始めました。
そして、この研究がLödagsgodis(お菓子は1週間に1回だけ)の概念のもとになり、それは今日まで続いています。

しかし同時に、倫理の問題も今日ではより深刻にとらえられています。研究が行われた当時、倫理委員会は存在していませんでしたが、存在したとしても研究後に倫理問題が騒がれなかったことから倫理委員会が今日と同じような働きをするかは不明です。
さらに、ニュルンベルク綱領がすでに提示されていたのにもかかわらず患者さんの同意を得ることもなく患者さんの身体的苦痛を引き起こすような実験をしました。
簡単に行ってしまえば、当時はそういう時代だったのでしょう。
倫理感が全く異なっていたんだと思います。

この研究は歯科界で本当に大きな意味を持つ研究ですし、歯科の発展のためにはなくてはならなかったのかもしれませんが
当時の施設の様子や研究方法を考えると本当に何とも言えない気持ちになります。
ヨーテボリ大学の先生はラジオで『この研究はよく計画され、コントロールされており大きな意味を持つ。すでに行われてしまっているので後から倫理的な問題を判断することはできないし、この研究がスウェーデンで行われたことを誇りに思う』とコメントしています。

私はこの研究に対してはいまだに自分が持つべき感想はわかりません。
最悪だ。と思う気持ちと必要だったと思う気持ちが入り混じっています。

さて、研究によって『虫歯は頻繁に甘くてべたべたした食べ物に歯がさらされた結果起こる(この時点では砂糖の量より摂取の頻度によう要因が大きい)』という結論が出たわけですが、
先ほど書いたように、フッ化物の予防効果が示され1960年代の終わりにはフッ化物入り歯磨剤が売り出されました。
さらに、60年・70年代にシュガーレス製品の研究が進みLördagsgodisの概念が広まったことよりスウェーデンの国民の口腔状況は改善されていったようです。

1970年代にはかなり改善され、70歳の2人に1人が無歯顎、現在はほとんど無歯顎の方はいません。70歳の平均残存歯数は20本です。(1970年代は5~6本)

私の義理の両親は1950年代半ばに産まれたのですが、当時の歯医者の思い出や虫歯についてよく教えてくれます。4、5歳くらいの時、2人とも親に『寝る前にベッドにチョコもっていきなさい』なんて言われてたし、歯はきちんと磨かないしで乳歯は虫歯だらけだったそうです。歯医者さんも恐ろしく、いつも杖をもっていておとなしく治療を受けないと折檻されたと語っていました(今なんてあんなに子供に優しいのに!!)。
Lördagsgodisという概念はまだ広まりきっておらず、さらにお小遣いをもらっていて好きに甘いものが買えたので、甘いものを食べまくっていたといっていました。

でも今、義母と義父の歯はかなりたくさん残っているし、口腔衛生状態もかなりいいです(歯医者についていき、口腔内を診ました)。たまに問題が起きるのは前に治療したところがとれたり・・・という感じです。本人たちは『歯が悪い』と常に言ってくるけれど、口腔内を見る限りではとてもきれいでした。

なぜそんなに口腔状態が改善したのでしょう。
2人によると学校に上がるとFluortantがきてフッ素でうがいをさせられたし、歯磨きさせられたし、甘いものをそんなに食べない様にうるさく言われたとのこと。
学校歯科の充実とフッ化物の使用がカリエスを減らした、ということでしょう。

ちなみにGodisというのはキャンディーやグミのような小さいお菓子で、1985年からスーパーなどで自分で選んで買う方式になり、グーディスを買うのがさらに簡単になったためによりLördagsgodisの考えが広まりました。
(私たちも、今でも土曜日にたまに買ってしまいます!)

グーディスを選んでいる親子。

さてさて、最後にスウェーデンのナショナルガイドラインでは
カリエスに対する食事指導はどのように書かれているのでしょうか。


これはSos(厚生労働省)のガイドラインを訳したものですが、
・進行のリスクがあり、砂糖の摂取が多い方の初期歯冠・歯根カリエス
・歯冠・歯根カリエスになるリスクがあり、砂糖の摂取が多いかたへの対応として
『砂糖の摂取を、頻度・量とともに減らす』というものが高いレベルで推奨されています。
Sosのページでは、状態をクリックするとどうして推奨のレベルが3になったのか、どの研究を用いたのかなどが細かく記載されています。
(後ほどきちんとガイドラインについても書けたら・・・と思います!)
ここにもVipeholmsexperimentenが引用されてはいましたが、”この状態に対する対応に関しての推奨レベルは、十分なエビデンスがないと思われるのでSosのエキスパートグループが現在の最も信頼性のある研究・知識を話し合い判断された”との記載があります。
実は授業で、『私たちの国では食べ物の性状も大きな意味をなしていて、べたべたして歯にくっつくようなものはより歯に悪いとならったけれどなぜその記載はないのか』という疑問が生まれました。
カリオロジーの先生は、『べたべたしたものはよりカリエスを引き起こしやすい、というのはVipeholmから導き出されたことで、現在同じような実験をするのは倫理的にも不可能だし再現性がないために性状に関してはエビデンスが十分とは言えずなんとも言えないと判断されている。さらに、例えばべたべたしていないと虫歯になりにくい・・ということを言ってしまうと、A社のお菓子は虫歯になりにくい・B社のはなりやすいという風に判断されてしまい、お菓子業界にも影響が出たり、お菓子会社が性状のことを推して売り出したす可能性が示唆されるのでガイドラインには記載されていない』とのことでした。
また、最近はフィンランドの研究で、頻度よりも量に注目する研究がでたりしたそうなので今度調べてみたいと思います。
今年ガイドラインが改訂されるので、いろいろな項目がどう変化するのかを楽しみにしています!

今回、有名なVipeholmの研究についてのラジオや資料を読んで知ることができて本当に良かったと思っています。
世界ではかつて、非人道的な人体実験が行われてきて現在の医療はその恩恵を受けているとも言えます。かつての残酷な実験なしには医療がここまで発展しなかっただろうし、本当それらの実験は医療の世界・現代の社会に大きな意味のあることだったのかもしれません。
Vipeholmsexperimentenも歯科界・そして虫歯予防の観点からは本当に大きな意味を持つ実験だったとは思います。その他の残酷な人体実験と比べ『虫歯だし、死に直接かかわることじゃないから・・・』と軽くとらえられてしまうかもしれませんが、それでもすごい痛みを感じた方や虫歯の後遺症に苦しんだ人たちはたくさんいるだろうし
患者さんの状態を利用して病気を作り出した実験・・・受け入れがたいです。でも私たち歯科医師はこの研究で得た結果をもとに現在では当たり前の『砂糖が虫歯を引き起こす』ということをエビデンスのある知識として使えるようになりました。

なので、この研究に参加された患者さんたちに感謝し、苦しんだ人たちもいること、背景をきちんと調べ理解し、忘れないようにしたいと思いました。

ついつい熱くなってしまいましたが、今回色々調べることができて本当に良かったと感じました。

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今回のブログを書くにあたって、
以下のウェブサイト・ラジオを参考にしました。
SverigesradioのP3 Dokumentär
http://sverigesradio.se/sida/avsnitt/65245?programid=2519
Psykiatriska museet
http://www.psykmuseet.se/2013/08/vipeholmsexprimenten/
Göteborg Universitets webbsida, Karies uppgång och fall
https://gu-spegeln.gu.se/tidigare_nummer/guspegeln-nr-1-10/karies-uppgang-och-fall

また、Vipeholmの写真はSydsvenska Medicinhistoriska Sällskapetのウェブサイトからたくさん見ることができます。

スウェーデン語が分かる方は、ラジオ本当に興味深くて面白いのでお勧めです。
(ほとんど内容はブログにまとめてしまったのですが・・・)

日々のこと

いつもブログの記事を書こうと思うと、色々調べたりガイドラインや歯科新聞を読んだりして調べなければいけないのでとても長い時間かかってしまい
なかなか時間がたくさんあるときしか書けないのですが
今日は日々の大学生活について日記感覚で書いてみたいと思います。

さて、昨年8月後半から始まったKUTもあと3ヵ月強しか残っていません。
そろそろ就活をしなければいけない時期がやってきました。
つい先日は卒業間近の学生に向けてたくさんの歯科関係者が集まり、就活セミナーが大学で行われました。

色々と不安です。
なぜかというと、スウェーデンでは大学を卒業したばかりの学生の多くはFTV(国民歯科)で働き始め、数年そこで研鑽してから次のキャリアに移るというのが普通なのですが、ストックホルム(ほかの地域もですが)のFTVはかなり人手不足に陥っておりものすごい忙しいのです。ワークライフバランスのとれたスウェーデン!などと言われていますが、私の職場では先生たちが忙しすぎて業務に全然手が回っていなかったりして色々あり、経験のある先生方が立て続けにやめてしまい、さらに人手不足に。患者さんの予約も数か月先なんてことも。
初めの1年はHandledareというスーパーバイザーの先生がついてくれるのですが、そのHandledareも不足しているといった状態です。
なので職が見つかるかどうか・・・

郊外や田舎に行けばストックホルムよりも落ち着いた環境で仕事ができるとは聞きますが、同じFTVでも使っているレセプトのシステムが違うし何しろストックホルムに家族も家もあるので引っ越すのは無理そうです・・・。

クラスメイトが私の働いているFTVの上司と面接をしたらしいのですが、その時に私の名前が出たらしく『使っていないマイクロがあるから使い放題だね♪ エンドはやってもらおう!』なんて言ってくれていたみたいなのですが、とりあえず数か所見学してから決めたいと思います。(雇ってくれるところなんてあるのかな・・・)

スウェーデンに来て私の短所は極端に自分に自信がないことだとはっきり理解したので、少しは自分が日本で経験があると思いおどおどしないでやりたいと思います。
日本で少しでも働いてきて本当に良かったです・・・これで未経験だったらどうなっていたのでしょう。

大学はというと、1月から本格的に臨床が始まり患者さんを普通に診療しています。
面白いのはFTVではほとんどが検診・CRやクラウン、たまにエンド・・・という感じだったのですが大学では学生が診ることができないケースがKUTに回ってくるので、咬合挙上のケースやパーシャル、さらには内部吸収の歯のエンドまであります。
パーシャルなんてFTVでほとんど見なかったのに!
それからCRでMODBとかの大きな窩洞を修復するのも結構やっています。これはFTVでもかなり見ましたが。

お恥ずかしい話、補綴が苦手だったのですが今では若干鍛えられた気がします。ほぼ毎日技工室に行って石膏を注いでいます。逃げていたことはいつかきちんとやらなければいけない様にできているんですね。

たどたどしいスウェーデン語ながら、きちんと説明するよう心掛けて一生懸命口腔衛生指導を行っていますが、良い患者さんが多く、私の説明や指導にきちんと耳を傾けてくれており今のところ楽しくやっています!
全ての患者さんに対して治療計画を細かく立てなければいけないのでとても勉強になっています。
私は口腔内全体の治療計画を立てるのが割と苦手で、1歯に注目して考えがちだったのですが、計画を立ててチェックしてもらい、さらに治療内容によってさらにチェック表があるので基本からきちんと学ぶことができています。
このコースに入って、本当に良かったと日々感じています!
(エンドに関してはやり方が少し違うしマイクロも使えないので少しストレスですが・・・)

それから、生徒会のメンバーに選ばれました。
コースの改善や選別に関われるらしいので楽しみです。日本で全く器じゃなかったのに生徒会長をやっておりそれをメールに書いたら選ばれたので、やって無駄なことはないものだと感じました。今回の経験も将来につながるかもしれません!

後は、学校のロッカーに泥棒に入られました!
父から送ってもらって慣れ始めたばかりのルーペが盗まれました。
ロッカーにたどり着くまでには鍵が3つあるのですが、2つは上手くすり抜け3つ目はこじ開けられました。
私はルーペとなぜか救急患者さん用のファイル(中身は盗まれませんでした)、クラスメイトは家の鍵(アドレス付き)を盗まれパニックになっていました。
もう1人のクラスメイトはスクラブが盗まれ、犯人は彼女のスクラブと私のファイルを持ち学生に見せかけて逃走したそうです。
鉢合わせてしまった子が追いかけたそうですが、逃げられてしまったようです。
かなり落ち込みましたが、今は少し元気になりました。
盗まれた数日後に、技工士さんから作業模型を落として壊れたと連絡があり印象とり直しになったのでその週はもうガックリでした・・・

スウェーデンに移住し丸2年が経ちましたが、初めに引っ越してきた時の
『スウェーデンの歯科!あこがれる!予防学ぶぞ!』という気持ちから、こちらに慣れれば慣れるほど『自分は海外に住んでいるというだけの若手ペーペー歯科医師・・・スウェーデンの歯科どころか、歯科の基本すらできてない。私ももっとできるようになりたい・・・』と思うようになりました。
あのまま日本にいたらもっとできるようになっていたのかな・・・とか思うこともあります。
活躍する先生方、次のステージに進む先生方を見て、私はなんだかとんでもない方向にずれていっているのではないかなんて考えることも。

とりあえず歯科医師免許を取るのが目標だったのですが、目標に近づくほど自分がやりたいことができているのか、第一の目標のあとに本当にやりたいことはなんなのか悩むことがあります。こちらで免許とってどうすんの!?という気持ちにもなります。
こんなこと書くのはこっぱずかしいのですが(コレ読まれてるし)、私の目標はやっぱり父(そして自分の専門治療をしている時の母)のような歯科医師になることです。口腔内を全体的に把握して、勉強をやめず、患者さんの変化をずーーーっと追っていきたい、自分がやった治療で患者さんがどう変化するか、指導でどれくらい口腔の状態を保っていけるかをずっと見ていきたいです。
でも、それはきっと開業するか同じところでずっと働かなければ無理なことなのかもしれません。だから私はスウェーデンでそれができないかもしれません。ここに居続けていいのか。ここで診療を続けて、自分にしかできないことややりがいがみつけられるのか・・・。まだ何も見えないのでとりあえずはしばらく働いてみてから将来を考えたいと思います。
それからペリオにもカリエスにも補綴にもエンドにも高クオリティな治療と知識を追求し、娘の質問にもだいたいすべて論文付きや自分の症例付きで返事を素早く返すなんてなかなかできることじゃないと思うんです。そういう風になるのはまぁ難しいので何か1つでも武器を身に着けようと思います。

明日からまた診療。とりあえず一歩一歩目の前のことから着実に頑張ろうと思います。

なんだかいろいろ書いてしまいましたが・・・
学校の写真など載せて終わりにします。
くだらない戯言にお付き合いくださりありがとうございました。

15人のクラスです。

私のユニット。今は人形が取られて患者さんが座ります。

カロリンスカ周辺


図書館

印象材で作られた蓋。壊れたものを歯科材料で修復・代用するのは全世界共通のようです。(クラスメイト談)

フッ化物の使い方

お久しぶりです!
本格的に患者さんを見始めて、だいぶ慣れてきました。
ただ、やはり言葉や文化の違いに苦労する毎日です。
年輩の方の冗談やちょっとした世間話にも苦労しています・・・。
予約の電話も私たちがしなければいけないのですが、それだけでも一苦労です・・・

症例は、このほとんどパーシャルのないスウェーデンでパーシャル症例ばかりやっています・・・私、補綴が苦手なのに。いい機会だと思って頑張ります!
好きなエンドは全然来ません。エンドをやるように紹介が来ても、だいたいエンドをする理由が見当たらずに経過観察になっています。
あとはスウェーデンらしい、破折→CRばかり・・・

頭がものすごく疲れますが何とか毎日楽しくやっています!
優しい患者さんも多く、この前は日本語で『ありがとう!』と言ってもらえました。嬉しかったです!

今日は友達と相互でマウスガード(Bettskenaベットフェーナといいます)を作ったのですが、咬合調整・・・難しかったです。
やわらかいマウスガードを日本ではよく見ましたが、こちらでは硬いミシガンタイプのマウスガードがよく使われます。
咬合調整をRP,IPで臼歯から3番まですべて均等に当たるようにし、側方運動、前方運動でガイドの線がまっすぐなるように何度も何度も調整しました。私の咬合がちょっとおかしく、友達は苦労していました。
そういえば、ストレートのハンドピースをあまり使わないのですが、今日は使った上に私の卒業した大学で習ったストレートの持ち方を推奨されてなんとなく嬉しくなりました。

さて、本題ですが。
フッ素(ご指摘をいただきましたので、フッ化物とさせていただきます!)の使い方をできるだけ詳しく書いていきたいと思います!

フッ化物の使用だけが予防ではないのでいろいろそれ以外にも考えなければいけないのですが、とりあえず今回はフッ化物に絞って・・・

はじめに、今回の記事はLandsting(ランスティング)というスウェーデンの医療などを担っている広域連合、または広域連合が集まって決められたvårdprogramというガイドライン、さらにInternetodontologiというスウェーデンの歯科のサイト(すごく良くサイトなんです!スウェーデン語なのですが・・・)、それからカロリンスカの授業を参考にしました。Vårdprogramでは、各連合(または連合の集まり)によってどのように医療を行うかが決められており、だいたいがSocialstyrelsenのナショナルガイドライン等がもとになって決められているようです。
各連合によって少しの差はあるのですが、基本的には似たり寄ったりなので
今回は、Västra Götalands läns landstingのプログラム、
Kronobergのプログラム、
Norrbottens läns landsting
Västerbottens läns landsting
Västernorrlands läns landsting
Jämtlands läns landstingの4つの北の連合の共同のプログラムを参考にしています。

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まずは、
リスクがそれほど高くない、一般の方には
フッ化物の基本的予防【Basprofylax】が推奨されます。
1日2回、1000~1500ppmのフッ化物入りの歯磨き粉を2cm歯ブラシにとって磨く。(ただし、1500ppmのほうが1000ppmよりも予防効果が高い)
というものです。
さらに、北の連合のプログラムには、萌出したばかりの歯はカリエス感受性が高く虫歯になりやすいので、フッ化物塗布を基本的予防として行うと書かれていました。

大人には2,2,2の法則で磨くと教えていて、
1日2回、2cmの歯磨き粉で、2分磨く!と指導しています。
それから、磨き終わった後も水でたくさんゆすがないで、余分な歯磨剤を吐き出して終わりにしてもらいます。

子供は量が違うのですが、後でまた書きます!

カリエスリスクが高い患者さん、初期う蝕がある患者さんで進行のリスクがある患者さん(カリエス活動性が高い)には【Basprofylax】に加え、追加の予防プログラムを勧めます。
1、0.2%フッ化ナトリウム溶液による毎日の洗口
2、フッ化物ジェルをマウスピースに入れて毎日使用する
3、5000ppmのフッ化物入り歯磨き粉(ガイドラインでは根面カリエスに推奨されていますが、歯冠のカリエスにももちろん使用できます)
4、フッ化物塗布1年に2回(カリエスリスクが高い方)
5、フッ化物塗布1年に4回(進行のリスクがある初期カリエス)
が推奨されています。

第一選択としては患者さんが12歳以上なら0.2%フッ化ナトリウム溶液による毎日の洗口が推奨されます。(6歳~12歳までは0.05%の溶液が推奨)

フッ化物のガムやタブレットは、洗口の補足として使用されることがあります。

さらなる選択として、18歳以上~の患者さんにはDuraphat 5000ppm Fの歯磨剤で朝晩2回歯磨きをする、またはマウスピースに4200ppmFのジェルを入れ、1日1回5分間、3か月~6か月、必要があればさらに長期で使用することが推奨されています。

どの選択肢をお勧めするかは、患者さんのニーズと協力度で決定します。

私の職場では、それほどリスクが高くない患者さんに対してもフッ化ナトリウム溶液による洗口をお勧めしていました。フッ化物の歯磨剤で歯磨きをした後にゆすぐのでなく、Fika(コーヒーブレイク)のあとにぶくぶくしましょうねーと勧めている先生もいました。

さらに歯科医院で行うフッ化物塗布は、Duraphat 5% NaF (22600ppm F) を1年に4回・または4200ppmFのジェルをマウスピースに入れて3回×5分のパスを2日連続で1年に4回行う方法が勧められています。
新しいフッ化物塗布剤として、Bifluorid 12® (56 000 ppm F)というのがあるそうですが、最近の研究によるとDuraphat22600 ppm Fと効果の違いはないとのことです。

口腔乾燥が認められる患者さんには、まずは洗口剤で1日に1~2回ゆすぐことを勧めます。歯磨剤は5000ppmFのものを使ってもらい、フッ化物のガムやタブレット・口腔乾燥用のタブレット(ここではXerodentの0.25mgFのタブレット)の使用も勧めます。
協力が得られない患者さんは、歯科医院に来ていただきフッ化物塗布などを行います。

根面カリエスには、フッ化第一スズの使用も勧められていますが着色してしまうのが難点です。

(残念なことに、今スウェーデンで問題になっている酸蝕症にはフッ化物の効果は期待できないようです。再石灰化するための歯質がなくなってしまうからだそうです。)

以上が全員に推奨する基本予防プログラムと、
リスクの高い方に追加で推奨する追加予防プログラムでした。

フッ化物はいつから使っていいの?ということですが、
歯が出てきたらすぐに使用することが勧められています。

歯磨剤(NaF,MFPまたは両方の入ったもの)は
歯の萌出から2歳まで・・・1000ppm、量は子供の小指の爪程
2歳から6歳・・・1000ppm、小豆大位の量
6歳以上・・・1450ppm、1-2cm
使用し、1日に2回歯を磨くように指導します。
子供は10歳~12歳になるまでは手の動きなどが発達しきっていないため保護者の仕上げ磨きを勧めています。

洗口剤は、カリエスリスク・カリエス活動性が高い
6歳から12歳・・・0・05%フッ化ナトリウム溶液(225ppmF)
12歳~・・・0.2%フッ化ナトリウム溶液(900ppmF)
に勧められ

フッ化物塗布は、
1歳~6歳では、カリエスリスクが高い・またはカリエス活動性が高ければ、早期から使用が推奨されています。保護者の方に、歯の磨き方や食べ物、食べ方を質問し、アドバイスを行い(なぜカリエスになってしまったかの原因を突き止めるのが一番重要です!)毎回の受診時にフッ化物塗布します。
虫歯になってしまったら、特に前歯部でフッ化物を塗布します。

量としては、Kronobergのガイドラインによると乳歯列ではDuraphat5% NaF (2,26 % F)が最大で0.25ml
混合歯列では最大0.40ml
永久歯列では最大0.75ml
使用でき、リスクが高い部位・カリエスがある部位に薄く塗布する分には上限を超えることはないと書かれています。

(補足ですが、フッ化物の使用に加えてミュータンス菌が多い患者さん、カリエスリスクが高い方にはクロルヘキシジンでの洗口を使用を勧める場合もあります。この場合は最大2週間に限定します。さらに、ラウリン酸ナトリウムがクロルヘキシジンを阻害するのでラウリン酸ナトリウムの入っていない歯磨剤に変えてもらいます。
歯の着色・味覚の変化が副作用です。
このラウリン酸ナトリウムは、口腔粘膜が敏感な方だと傷つける可能性があるので
粘膜が剥離していたりするのを見つけたら、入っていない歯磨剤をお勧めしています。)

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Vårdprogramをざっとまとめてみるとこのような感じになりましたが、
こちらの人は結構小さいころから必要に応じてフッ素をバンバン使っているイメージです!
最近は日本でもフッ化物の濃度の高い歯磨き粉も出たようですが、今までは950ppmの歯磨き粉しかなかったと記憶しています。
私が働いている国民歯科では、問題の患者さんはだいたい1年半~2年に1度定期健診をするので特に定期検診に頻繁に来ているからカリエスが少ないというわけではなさそうなのですが・・・
1450ppmのフッ化物歯磨剤を使っているというのも要因の1つかもしれませんね!

それでは最後に、本日紹介した製品の写真を載せて終わりにしたいと思います!
販売目的でなければ写真を載せてもいいようですが、まずかったら消しますので教えてください・・・

フッ化物塗布剤のBifluorid 12。Duraphatと効果の差はないらしいです。

ゼロデントのタブレット。口腔乾燥の方に。オレンジ味だそうです。

ラウリウ酸ナトリウムが入っていないセンディウム。

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スウェーデンの歯科・日本の歯科、行くならどっち?

お久しぶりです!そして皆様、あけましておめでとうございます。
全く更新しないまま2018年が始まってしまいました。

前回の更新から、クリスマスがありそして新年を迎えました。
クリスマスは家族で祝い、毎年恒例のクリスマスビュッフェをいただきました。クリスマスプレゼントを1人につき3,4個買うので完全に金欠です。

新年早々2つテストがあったので全く気が休まりませんでしたがそれも昨日で終わり、来週からはいよいよ2学期(最終学期)です。
形成のテストが年末にあり、それがとんでもなく難しかったです。
3時間弱で2歯クラウン形成・4本CR/CRアンレー窩洞形成・その後充填を行った上に形成をデジタル印象でチェックされました。
紙でレントゲンをもらって、どの歯を形成するかも決めなければいけなかったのでなかなかストレスでした。レントゲンの質が悪くて何も見えなかったからです・・・

とりあえずそれも無事に合格したのでほっとしています。来学期からはバリバリ患者さんを診るようなので少し緊張しています。学生が難しくて見られないケースが全部私たちにまわってくるとのこと・・・大丈夫なんでしょうか。とりあえず急患の患者さんは問題なく診ることができているので、落ち着いて頑張ります!

それから、つい先日に私が2009年初めてスウェーデンに旅をしたときに初めてお会いした歯科医師の先生にストックホルムでお会いしました。
私の日々たまった愚痴を聞いていただき、さらにはスウェーデンの歯科治療や将来のことについて語って、本当に素敵な時間を過ごしました。笑いすぎて元気が出ました。本当にたまにしかお会いするができないのですが、そういう素敵な先生方と繋がっていられるのは本当に嬉しいことです。

さてさて、今回はフッ素の使い方を書こうと思ったのですが
北欧在住の方たちが歯科難民になりかけているのを目にして、個人的に日本の歯科医院とスウェーデンの歯科医院、どちらがいいのかを比較してみたいと思います!

長いので覚悟をお願いします!!笑

スウェーデンに住んでいて、虫歯になってしまった!歯が欠けてしまった!という人はどうしていますか?
とりあえずここで応急処置だけしてもらい日本に帰るまで待ちますか?
それともFTV(公共の歯科)に行きますか?
それとも民間の歯科?
また、問題がない方でも定期健診は行きたい!という方。
日本に一時帰国されるときに歯科医院に行きますか?それともスウェーデンで行いますか?

どちらが良いと思うのかはおそらく個人の好みがあると思うのですがまずは私が思う長所・短所を書いていきたいと思います。

1、スウェーデンの歯科の長所

・大学の教育の質は高い
大学在学中から患者さんをきちんと診ているので技術も割とあります。実習もたくさんあるし、虫歯も無駄に削らないように習います。予防の授業もしっかりしており、予防やリスク判定の知識は豊富。学生を見ていてもしっかりしている人が多いイメージ。(もちろん学生によります)

・ガイドラインがしっかりしている
Socialstyrelsenの歯科治療ガイドラインがきちんとしており、すべてがエビデンスに基づいています。学生もこれに基づいて習うので、日本の大学のように、大学によっての手技の差はそれほどない気がします。FTVではとんでもない治療や新しい謎の材料をたくさん使うようなことはあまりないです。

・基本に忠実
基本的な歯周病・虫歯・かぶせ物の治療は得意。しっかりしています。基本に忠実です。そして、スウェーデンで大学を卒業した歯科医師はほとんどが一定の質を保った治療をしてくれると思います。

・子供への対応は得意 (FTV)
子供への対応もすごく丁寧に習うので、歯医者さんは子供たちにきちんと手順を見せてくれたり、比較的優しく対応します。歯科恐怖症を作り出さないために、とても注意深く対応しています。

・子供の義務検診 (FTV)
2年に一度、義務検診があります。リスクが低い虫歯があまりない子にはとてもいいかなと思います。検診内容も決まっており、歯科医師によってばらつきや見落としがあまりないとおもいます。

・滅菌・消毒のルーティンはしっかりしている (FTV)
FTVは衛生に厳しく、私も滅菌室で働いていますが問題ないと思います。
私が治療されてもいいな、と思うくらいには衛生的です!

・ストックホルム内なら一部を除いたほとんどのFTVで電子カルテが見られる。
ストックホルムの違う地域に引っ越しても、レントゲンや検診の内容が見られます。なので、引っ越してもストックホルム内であれば以前の治療内容を見ることができます。(一部例外あり)

・日本にありがちな『あ、虫歯です、削って詰めときます』や『銀歯プラスチックにに変えておきますねー』があまり起こらない
スウェーデンの歯科治療は高額なので(それでも歯科医師は稼ぐように言われますが)お金を稼ぐために何本も削らなくていいんです。

・日本だと保険で銀歯になるようなものもプラスチックで治す
日本でよくやられるメタルインレー。こちらではほぼありません。全てプラスチックで治します。なので口の中はプラスチックだらけではありますが一応白いです。

私がとてもいいと思うのは、歯科医師の技術や知識にそこまでバラつきや差がなく、みんなが平均的にエビデンスに基づいた良質な治療を行えることです。
口腔内に問題があまりなく、健康な方、簡単な虫歯や歯周病の方はスウェーデンの歯科医療はとてもいいと思います。

・割と予約が取りやすい(民間歯科)
民間歯科は医院にもよりますがFTVよりは融通が利くようです。

・先生が変わらない(民間歯科)
プライベートで開業されている先生はすぐにやめるようなことはないので同じ先生に診てもらえる可能性が高いと思います。大手の民間歯科は、わかりません。

・患者さん1人に時間がとれ、お話を聞いてくれる(民間歯科)
FTVのように1時間に稼がなければいけないお金は特に決まっていないですし、値段も各自設定できるので治療が高くなるかもしれませんが話をよく聞いてくれたりします。これも大手の場合は不明です。

2、スウェーデンの歯科の短所

・高額!!
治療が高額です。日本の感覚で虫歯治療に行くと痛い目にあいます。
検診は10000円ほど。(ただし割引が使えます。)
プラスチックの詰め物が部位によって約7000~20000円。
根っこの治療は、根っこの本数によって約40000~60000円。
被せ物は70000~80000円(ただし、日本でもセラミックなどで治療すると高額ですね。スウェーデンも基本的には白い材料で治療します。)
高額治療になればなるほど割引がありますが、割引されても高いです。
保険もあるのですが。。。うーーーんという感じです。

・先生がすぐ変わる (FTV)
これはもう、しょうがないですが、FTVでは先生たちが割とすぐに辞めます。私の職場は去年先生が立て続けに3人辞めました。健康な人なら検診は1年半~2年おきなので、来るたびに先生が変わる患者さんもいます。『同じ歯医者さんに診てもらいたいのに、すぐいなくなっちゃう』という苦情はものすごくよく聞きます。

・待ち時間が長い (FTV)
ストックホルム(おそらくスウェーデン全国)は今、歯科医師不足です。次の予約が数か月後になってしまうことも。本当に働いている方としても、時間を見つけるのがめちゃくちゃ大変なんです。残業しても、休憩時間を返上しても時間を作り出せないこともあります。

・難症例に対応できる先生が少ない (FTV)
これは私の完全な個人の意見なのですが、スウェーデンは一般的な症例を見るのが得意で上手ですが少数の難症例に対応するのは苦手な気がします。
そもそも難症例の患者さんが日本に比べて少ない印象です。
例えば日本では上手な先生だと本当に芸術的な腕で超難症例をサクサク臨機応変に対応したりとんでもない美しい治療をする先生をお見掛けするのですが(しかも、そんな細かいところまで考えているの!と思うくらい細部まで計算している先生もいます。)こちらではまだそういった先生には出会えません(今後出会う可能性も大いにあります)。被せ物の科の専門医の先生の症例も見たのですが、『え、本当にこれで大丈夫なの』と思うことがあったり、歯の外見はきれいだけれど歯茎がボロボロになってしまっていたり・・・なんというか日本の繊細な神業みたいのはありません。繊細というよりは豪快です。日本でかみ合わせを決める方法(フェイスボウ)も、スウェーデンでは教えないし古代の遺産のような技術として扱われています。でも、通常のケースには必要なくても、難症例を診るうえで知っておいたほうがいい技術かもしれないですし、エビデンスがないから!と簡単にバサッと切り捨てていいのでしょうか。
あと、日本で私の職場でよくやっていた歯の移植も話にも出てきませんし、
『そんなん抜いたほうが安いわ!』と一蹴されました。
どうしても歯を残したい人に対して最善の治療を施すためには、いろいろな選択肢を知っていたほうがいいと思うのです。(残せないははもちろん、何をやっても残せないですが!)
専門医もいますが、待ち時間も年単位のところもあるようですし技術のほうは不明です。エンドは専門のレベルは日本のほうがいいとこちらの先生にお墨付きをいただいてます!
スウェーデンは治療の選択肢が日本よりも少なく感じてしまいます。

・先生がすぐ休む
歯科医師は女性が多いです。お母さんが多いです。子供さんは突然熱を出したりするので、先生たちも突然休むことがよくあります。
3か月後にやっと予約取れたのに、また2か月待たなければいけない・・・なんてこともしばしば。

・あ、歯医者行き忘れた!→罰金が発生する
これは歯科医院にとってはいいことですが、歯医者に行けなくなったら必ず早めに電話してください。ギリギリになってしまうか無断キャンセルすると結構な高額を支払わなければなりません。

・スウェーデンの大学を卒業していない歯科医師・・・技術にバラツキがある
スウェーデンの大学を卒業した先生方は技術も高く、知識もあります。しかし、最近増えている移民難民歯科医師(私も含め)はどうでしょう。
EU出身の歯科医師は、スウェーデンで知識を全くチェックされないまま免許を取ることができます。一昨年までは言葉の規定もなかったので、スウェーデン語が全く話せないまま働き始める先生もいました。今は規定が変わり、EU、EU以外にかかわらずスウェーデン語SAS3まで取っていなければ免許は取得できません。
EUの歯科とスウェーデンの歯科ではだいぶ異なることもあるようです。そういうのをチェックされないまま働けるので私は怖いなと思います。しかし、EUの歯科医師には1人しかあったことがないので詳しくはわかりません。その1人は周りにスウェーデンのシステムを教え込まれており、優秀な方でした!
EU以外は、ほとんどが中東系、それからロシア系、インド系、そして私たちのようなマイナーな国がちらほらといった感じでしょうか。中東の歯科は、予防という概念がなく対処療法が主と聞きました。なので、歯を抜くのはとても上手ですが保存しようという概念はあまりなく、結構攻めの治療をしているようなイメージです。カロリンスカのコースに通えば、スウェーデンのやり方を叩き込まれるので問題ないかもしれませんが
Kunskapsprov(資格テスト)を受けたグループは筆記と実習だけで免許がとれるのでスウェーデンの法律、患者さんとのコミュニケーションの仕方、スウェーデンの考え方をあまり知らずに働き始めるケースもあります。
知り合いの資格テストを受けた先生方はみなさん優秀ですが、スウェーデンの働き方に慣れるのに時間がかかったと言っていますし今でもアシストをしていると『え?』と思うことがたまにあります。

・言葉
私たち日本人にとって、いくらスウェーデン語や英語が話せたとしてもスウェーデン語や英語で歯科治療の説明を聞き、先生の指示に従い、治療方針を決めるのは難しいのではないかと思います。少なくとも、日本語よりは難しいのではないでしょうか。
さらに、私たちのような移民の歯科医師は私たち自体の言葉が不自由なので、歯科医師の言っていることもわからないし患者さんの言っていることもわからないで困るケースもあるようです。

・危ないところは危ない(民間歯科)
民間歯科は技術の高い先生が集まったすごくいいところもあるみたいですが、
危険なところもあるようです。日本と同じですね。
知り合いが、麻酔のカートリッジを使いまわしていたり、手袋を患者さんごとに変えないような歯科医院を見学したと言っていました。
材料や方法も先生の裁量に任されているので、良心のない先生はとことんえげつないことを裏でやっているようです。

以上、スウェーデンの歯科の長所と短所を思いつく限り書いてみました。

なんとなくなイメージなんですが、スウェーデンっの先生って歯科に対してドライというか・・・。割り切っているというか。治療が終わったらハイ終了。仕事の後は歯のことなんて一切考えたくないんでよろしく!仕事は好きだけど、それだけ。
どうやったらプラークコントロールができるか、とかどんな治療をしたら患者さんが一番喜ぶか、何が患者さんにとって一番いいか、ずっと寄り添っていこうという姿勢はあまり感じられないです。システマティック。まぁ、仕事より家族を大事にする国なのでそんなもんなんでしょうけど。お金のための仕事ですしね。
私にとっては歯科は生活の一部だし、だからこんなブログだってやっているし、好きだしうまくなりたいから働いていたいのですが、なんというかこっちは割り切ってるなぁって思います。うまく言えませんが。
おそらく私は、四六時中症例のことを考えているような家族のもとで育ってしまったからなのでしょうが。

次は日本の歯科の長所と短所。
日本の歯科の先生方、見ていたらすみません。
あくまで私の意見です・・・。

長所

・安い!
保険がほとんどの治療にききますし、もとの治療も安いです。驚かれるほど安いです。被せ物は保険は銀歯になりますが、プラスチックも根っこの治療も抜歯もスウェーデンと同じ方法で相当安い値段です。結構保険で良い治療が受けられます。

※補足
海外在住の方は一時帰国時には10割負担になってしまうのですね!
(一時的に住民登録できる自治体もあるようです)
となると、そこまで安い!というほどではないですね・・・
検診で7000~10000円くらいする可能性もありますし、治療もけっこうかかるようですね!スウェーデンよりは安いですが!

・比較的すぐに予約が取れ、対応してくれる
歯科医院たくさんあるので・・・

・上手い先生は超絶上手い
本当に、神技を持つ先生は大学時代にもいたし仕事してからも見ました。見学に行ったりもしたのですがエレガントでした。神技というと技術だけに思われがちですが、そうでなく考え方も深くまで考察していて本当にすごい先生がいます。
歯科に情熱を燃やしている先生が結構います。
若手なのにバランスの取れた上手な先生もたくさんいました。
患者さんのことを考えている先生はとことん考えていると感じます。

・一般歯科医の技術が高い
一般歯科医でマイクロを持っている先生もたくさんいますし、みなさん本当に勉強熱心で、勉強会や講習に休みを返上していっています。
新しい技術を学ぼうと思っている先生は多く、歯科の本もたくさんあり
技術を高めていけるチャンスがいくらでもあります。
良心的で一生懸命で信頼できる歯医者さんに出会えれば、ずっとずっと同じ歯医者さんにかかっていけます!

短所

・先生によって技術のバラツキがある
やる気のある先生もいれば、もちろんない先生もいるし
お金のことしか考えていない先生もいます。これはスウェーデンでも同じですが。同級生の治療内容聞いたらとんでもなかったことがあります。
大学で習う技術、ばらつきがあると感じます古ーい技術を習っているような大学もあるようです。
あと、例えばスウェーデンではプラスチックを詰める治療なんかもみんなが同じ技術で同じ器具で行いますが、日本は先生によってばらつきがあると思います。どれがいいかはわかりませんが・・・。

・点数取らないといけない
保険のシステムのおかげで、歯科医師はお金が全く稼げません。
お金を稼ごうと思うと自費治療をしなければいけないし、保険で稼ごうと思うと削ったり抜かないとお金にならないんです。スウェーデンのように予防での点数がないと思います。

・時間、かけてられない
1つ1つの単価が安いので、患者さんを次々と見ないとお金が稼げません。
30分に1人ならまだ良いですが、15分に1人なんてことも。もう、そうすると必要な処置ができなかったりして・・・もどかしかったです。
スウェーデンは大人の検診なら30~45分、複雑な治療だと60~75分くらい予約が取れます。まぁそれでも時間いっぱいいっぱいですが・・・

・患者さん→安いから予防の意識が低い傾向が・・・
歯医者どうせ安いし、すぐ行けるし・・・って思ったら予防に力入れるの難しいですよね・・・。
スウェーデンは歯科=高額なのでみんな虫歯になりたくない気持ちがかなり強いです。でも、最近は日本もかなり予防への関心が高まっているような気がしますが!

・一般歯科医がやりすぎるところがある
これはエンドの専門科で働いていたので思ったのですが、講習会とかたくさんあるので難しい最新の技術を取り入れたりオペをしたりインプラントを埋入したりする先生がたくさんいるのですが、
例えば見様見真似でMTAを根管にもりもり詰めたり、謎の最新技術で失敗したり、謎な中途半端なオペがされたりしていると、治すのがとても難しいです。
MTAはなかなかとれないし、再オペは予後が悪くなってしまうし、謎の技術は私たちでも謎だし、なので対応できない手に負えないような難しい症例だと思ったら治療を始める前にすぐに専門科に送ってほしかったです・・・スウェーデンの先生はあきらめが早すぎるけれど、日本の先生は粘り強すぎるところがあるような・・・

・ヤバイところはヤバイ
もうこれはニュースとかでやっているのでみなさんご存知だと思いますが、
倫理やモラルが完全に欠如しているところもありますし、良い歯科医院とそうでない歯科医院の差がかなりある気がします。
時間がない省略治療に慣れてしまうと、そういう治療しかできなくなってしまうし
本当に患者さんの説明を聞いたり、紹介状をみているとこちらが頭にくるほどいい加減な治療をしている先生もいます。なんだこれはぁぁぁ!と外来で叫びそうになったことも・・・

日本は、上手な先生はスーパーうまいし、親切だし一生患者さんに寄り添ってくれる先生もいますが、
本当にどうしようもないとんでもない超ぶんまわしの良心のかけらもないような治療をしているところもあるので、上と下の差が大きい印象です。
(私はこういう歯科医師が許せません!!治す職業なのに逆に傷つけてどうするの!と思います。)まぁそうしないとお金が稼げないシステムに難ありなのでしょうが。

スウェーデンはスーパーうまい!もスーパー危険!もそんなになくて、技術が比較的高め安定、といったところでしょうか。

これが私が日本とスウェーデンで歯科に触れてみて思うことです。

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平均的な日本の方は
『歯医者にはいかなきゃと思っているけどなかなか時間がない、問題が起こると歯科医院にかかり、そのあとからしばらくは定期健診にかかる。3~6か月に1度くらい。そこで衛生士さんや先生に口腔清掃指導を受ける。フロスや歯間ブラシが大切だと教わる。だんだん何となくフェイドアウト。なんだかんだ1年や2年に1度くらいは歯医者から呼ばれて通院。でも、きちんと歯磨きは毎日2~3回しているし昔結構虫歯治療されたけれど、今はそんなにたくさん虫歯はできない。たまにできるかな。奥歯には銀歯があり、プラスチックの治療もされたことがある。根っこの治療もされたかな。歯周病にならないか不安。フロスは毎日やったほうがいいのは分かっているけど、たまにしかしない。』
こんな感じですかね?
もちろん定期検診にずっと通われている方もいますし、虫歯が全然ない方もいると思いますが、だいたいのイメージで。

こんな感じの方は、正直日本でもスウェーデンでもどちらの歯科医院に通ってもあまり大差はないと思います。どうせ通院も1年か2年に1回くらいですし。
日本語で歯医者さんにかかったほうが気持ちが楽ならそうしてください。
私も帰国時に検診してもらっています。

緊急時の対応

虫歯があまり大きくないけれど、穴が開いてしまった。小さい詰め物がとれてしまった。そして日本に数か月以内に帰るという場合。
歯が欠けちゃった!
そんなときはとりあえず、手遅れにならないうちに診てもらってください。
FTVでは各歯科医師が決まった時間に救急対応をしています。時間は早いもの順なので、朝7:30(医院によって違います。ネットで調べてみてください!)に電話してその日の予約をとりましょう。時間はいつになるかわかりませんが、受付の人が時間を教えてくれ、その日のうちには診てもらえます。
スウェーデンでFTVに行くと、
救急検査代 : 約5000円、
レントゲン代、枚数によってまちまち。1000円以上。
仮の詰め物 : 症例によって5000~10000円です。
そのあとで日本に帰ってプラスチックを詰めてもらうと1000円前後、ただしそのほかにもいろいろ点数が取られるので(あと検診とかもやるので)5000~円くらいでしょうか。日本で治療したい場合は、治療の前に先生にその旨をつたえてください!

ちなみにスウェーデンでそのまま最終的なプラスチックにしてもらうと、検査代5000円+レントゲン代1000円~+10000~20000円です。
19時以降や週末だともっと高くなります。
場合によっては補助金が数千円もらえるので、上記の値段よりは安くなるかもしれません。

わざわざ日本に帰って歯医者に行かなくてもいいと思っているなら、値段もすごーく変わるわけではないのでスウェーデンでプラスチックにしてもらっても全く問題ないと思います。みんな上手です。
日本に帰って信頼できる先生にクリーニングや検診をしてもらう予定なら、1,2か月間なら仮の詰め物で過ごして、日本に帰ってやってもいいかもしれません。
(保険なしの虫歯の治療は日本でも数千円~10000円ほどすることもあるようです。)

もししばらく日本に帰る予定がないのでしたら、スウェーデンで最終的なプラスチックを詰めたほうがいいと思います。仮の詰め物が壊れて虫歯が広がったら元も子もありません。

虫歯が大きくて、一度では全部とれないといわれたら・・・
2回に分けて虫歯を取ります。治療後仮の詰め物で3~6か月ほど待たなければいけないので、日本に1,2か月後に帰る予定があるのでしたら日本ではその歯はいじらないでもらって、帰ってきてから最終的な詰め物をしてもらうことをお勧めします!
日本でクリーニングや検診をしてもらう際はきちんと前もって治療中だということを伝えてください!
ちょうど3-6か月くらいで日本に帰るとしても、同じ歯科医師に治療してもらったほうがいいと思いますので、どちらにしろスウェーデンでの治療がいいかもしれません。
この治療は、待っている間に痛みが出たり、静かに神経が死んでいることがあります。そうなると根っこの治療に移行しなければなりません。

神経まで虫歯がいってしまい、激痛でAkutに駆け込んだら・・・
どうしても穴をあけて神経を取らなければ痛みは取れません。残念ながら神経を取る以外の方法がないんです。
その際は救急検査5000円にレントゲン1000円~と、救急歯内治療10000円かかります。
上に穴をあけて薬でふたをするだけなので、そのあとも根っこの治療を続けなければいけません。根っこの治療が必要だと言われたら。
スウェーデンではFTVでは必ずゴムの被せ物(ラバーダム)をして治療をしているし、時間もたっぷりかけられるのでスウェーデンで問題ないと思います。
みんな結構上手です。きちんとやっています。
ただし、高いです。

もしすぐに日本に帰る予定があり、信頼できる先生がいる場合は
その旨を伝え、強めの仮の蓋をしてもらってください。
でも、なるべく早く続きの治療をしてもらったほうがいいと思います!

被せ物が取れてしまった!
すぐに付け直してもらってください。
虫歯があって、被せ物をし直さなければいけないと言われたら・・・

白くていい歯を入れたい場合は日本でも高額なのでスウェーデンでやってもらったほうがいいかな・・・と思います。
銀歯でいいし、払いたくない!という場合は虫歯だけ詰めてもらって削りなおして仮歯を作ってもらい、日本に帰るまで待ってもいいかもしれませんが(長期の仮の歯は13000円くらいです。) でも、最終的な被せ物をスウェーデンでしないのにそういうことができるかはわかりません。先生と相談してください!
(日本でも保険なしだと銀歯でも10000円以上することもあります。)

なんか歯が痛い!けど、原因が見つからないといわれた。
よくあります。虫歯や歯周病がないのに歯が痛い。
原因は様々ですが、歯に見えない亀裂が入っていたり
気づかないうちに歯を食いしばったりすると歯が痛くなることがあります。
歯と歯が接触しているだけでも歯が痛くなるといわれています。
(詳しくはTCH、Tooth contacting habitをご参照ください。)
ただし、レントゲン診査やポケット検査などで客観的な所見がなければはっきりと原因がわかるわけではありません。
そんな場合は、スウェーデンでは(日本でもですが)歯のかみ合わせを必要に応じて少し調整して(磨くくらいです)かみしめない様に説明して経過観察になる場合が多いです。スウェーデン語ではAvvaktaですね。
日本で歯科医院にかかっても、それは同じです。
原因がはっきりしないのに不可逆的な治療をしてしまうと取り返しがつかないことになりかねません。
原因がはっきりしないのにとりあえず痛みがあるので神経を抜いてしまったすると、最悪な場合痛みが取れないうえに不必要な歯の神経を取らなければいけなくなってしまうこともあります。
Avvaktaといわれるからには、治療に踏み切るための証拠がそろっていないということです。これは、時間がたつにつれて原因がわかってくることもありますし、なんとなく治る場合もあります。だいたい歯科医師から『痛みが強くなったり何か変化があればまた予約してください』言われるはずです。原因がわからないからと言って不審に思わなくても大丈夫です!(原因がわからずに診査を長時間されたけれど結局治療をするほどの原因がわからず何もしなかった。そういった場合でもお金は取られます。診査はしているわけですから。だいたい短い診査とレントゲンで5000~6000円、より複雑な検査をすると10000~20000円することもあります。)

親知らず抜きたい!
日本でもスウェーデンでも、変な位置に生えている親知らずでも虫歯のリスクや症状などの抜く理由がなければ最近はそのままにしていても大丈夫な場合が多いです。
私も1本残っています。
これはどこでやっても多分同じです。私の職場にも抜歯が上手な先生はいます。抗生物質を出さないことが多いですしもちろん精神的に不安な場合は日本で信頼できる先生にお願いするのがいいかもしれません!
でも、せっかくの日本滞在に歯を抜いてご飯食べられないのも悲しいので、スウェーデンで抜くという手もありですよ!仕事も休めますし!
日本が安心なら日本で!先生とケースによっては大学病院への紹介状を渡されることもあると思います。そうすると時間がかかるので、日本に行く前に日本の歯科医院に前もって電話で相談してみるのがいいかもしれません。日本で抜くのであれば日本に1ヵ月ほど長期滞在できるときに抜くのがいいかもしれません。

矯正したい!
これも、22歳以上の大人の方ならスウェーデンも日本も高額です。
数十万円はします。
時間がかかる上に定期的な歯科医院への受診が必要なので、物理的にスウェーデン在住の方はスウェーデンでしかできない気がします。

インプラントしたい!
1年に数回日本に帰れる方は日本でやってもいいかもしれませんが、基本的にスウェーデンでも大丈夫です。むしろスウェーデンはインプラントは発祥の地、信頼できると思います。

子供が虫歯になった!
子供はFTV、おすすめです。そもそもFTVって最初は子供の口腔内の健康を守るために作られたんです。
救急時は7時半に電話をし、その日の予約をいれてください。
すぐに対応してもらうことが大切です。子供さんが歯科治療に慣れていない場合は1回目は歯科の環境にならすことで終わってしまうかもしれません。必ず2回目の治療に行きましょう。子供さんの状態によっては鎮静をかけることがあります。その場合は予約が少し先になることもあります。
子供は虫歯になると本当に大変なので、本当に予防をお願いします。検診に絶対行ってください。無料ですので。
子供が多くて検診に呼ぶのが間に合ってないときもあるのですが、子供の検診は大学でみっちり叩き込まれますし、見るところが決まっているので見落としも少ないです。義務検診が2年に1回、リスクが高い子はもう少し頻繁に呼ばれます。
保護者の方、きちんと歯科医院に行って予防について聞くことをお勧めします。
子供の予防は特に大切です。

子供が転んだ!歯がおかしい!
これもすぐに対応してくれるはずです。
転んで異変に気づいたらすぐに電話してください。
早ければ歯が助かることもあるかもしれません。
逆に、なんでもないこともあります。歯に後遺症が出ることがあるのでその説明もきちんと聞いてください!基本的に急性の痛みと子供の外傷は優先度が高いので割とすぐに見てもらえます。外傷の場合は、保険会社に報告をお忘れなく。

子供の矯正!
これはスウェーデンをお勧めします。
症例にもよりますが、専門医が必要と判断したケースは無料で治療できます。
ちょっと歯が曲がってる、親は気にしてるけど子供はあんまり気にしていない。
こういう場合は無料で受けられない場合があります。
矯正のブラケットを付ける前に、成長を利用して咬合を改善する治療もあります。
義務検診に通っていれば、問題があるときは歯科医師からその治療のことを言われると思います。

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こんなものですかね?なにかありましたら教えてください!
そして、自分でも引くほど長くなってしまいました!!
読んでくださった方、お疲れさまでした!

結論としては、日本でもスウェーデンでも信頼のできる良い先生に出会えたらどこでもいい治療は受けられると思います!
日本は公共の歯科がないので、歯科医院の方針ややり方にバラツキがあり、しかもたくさん歯科医院があるので
自分に合った歯科医院を見つけるのは大変だと思います。
でも、きちんと納得がいくまで説明してくれる、削るよりも守ることに力を入れているところ、さらに全部削らなくても抜かなくても治るなどの偏ったことを言わずに、必要な治療はパッと行える先生がいいのかな、なんて思います。
最新の施設・道具や、壁の修了証書たちが先生の良しあしを決めるものではありません。
最終的にはフィーリングで決めてください!その勘は割と当たります。

スウェーデンはFTVは時間などの融通は利きませんが、なかなか基本に忠実な教科書にそった良い治療をしています。必要ならば治療に長く時間を割けますし、患者さんにきちんと説明をするように大学時代から耳にタコができるほど習います。
外国人の先生が信用できないという方。(私もたまに不審な目で見られます。笑)
スウェーデンで教育を受けている人は何人であろうが皆一定の知識と技術を持っていますので安心してください。
あ、この先生やばいなと思ったら治療を開始される前に
納得するまで治療の流れを聞いてください!
やりたくないならきちんと伝えましょう。
そこで不信感を覚えたら、すぐにストップです。
きちんとした先生ならきちんと説明してくれるはずです。

民間の歯科は、やはりこれもフィーリングです。あ、危ない。
スウェーデン語ができなさすぎる。手つきがおっかなすぎる。
態度が悪い、なんだかよく説明もないまま神経を取られようとしている、
そんな場合はよく質問して、それでも不明確なら違う歯科に行きましょう。

日本で治療を受けたくても、そんなに頻繁にはなかなか帰れないし、
スウェーデンもいいとは思うけれど高い・・・
そんなみなさんは、予防をしましょう!!!
歯科の病気はほとんどが予防できるものですので!
病気にならないのが一番効率がいいです!

ということで、予防といえばフッ素、次回はフッ素の使い方を書こうと思います!

フッ素は危険なの?

ご無沙汰しています。

最近はテストにデンタルショー、論文で毎日なにかと忙しくブログまで手が回りません・・・
来週はエンドのテスト。さすがに専門分野なので過去問を見てみると内容はとっても簡単に感じたのですが、問題はスウェーデン語です・・・

9ページ、40問の全て筆記なので日本語では大丈夫でもスウェーデン語では時間がかかってしまい大変です。きちんと勉強しなければ・・・

さて、書きたいことはたくさんあり
デンタルショーの様子、講義の内容、さらに最近始まった救急外来の話、レントゲンの話なんかがたまっているのですが今日は『フッ素』について書きたいと思います。

虫歯の予防に効果絶大!!のフッ素ですが・・・
実は2015年に『フッ素に対する心配の声が上がっている』という記事が新聞やニュースに紹介されました。

歯科医師新聞の記事です。コチラ
2015年にSNSを通じてフッ素の危険性が取り上げられ拡散。
そこで特に子供をもつ方々が心配し始め、当たり前のようになんの疑いを持たずにフッ素を使っていた歯科医師たちが心配する親の質問にきちんと答えられなかったことからさらにフッ素に対する不安が大きくなってしまった、ということです。

実はこの内容、私が語学学校に通っていた際のプレゼンのテーマの1つにしました。
(医療系語学学校に通っていたので、自分の専門からテーマを選んで行うプレゼンがありました。)
そのプレゼンをするときにいろいろ調べた内容を書きたいと思います。

フッ素の不安につながった原因は、
1、フッ素などの化学物質とADHDや自閉症、ディスラクシアと診断された子供の数に強い関連を示す研究がある
2、アメリカの水道水のフッ素が高濃度の地域で行われた研究で、特に若い男の子の骨肉腫のリスクを上げたり、骨の質を下げるという研究がある
ということをSNSに誰かが載せたら、それがいろいろ形を変え、大げさになり、尾ひれはひれがついて拡散され、さらに歯科医師の情報提供不足+患者さんが『フッ素のカリエス予防効果』を疑問視するようになり、不安が高まったということらしいです。

フッ素は70年以上も虫歯予防に使用されており、たくさん研究もされ
十分にエビデンスがあるものです。
スウェーデンの厚生労働省(Sos)でもカリエスに対して最高レベルで推奨されています。
1のADHDなどの問題に関しては, スウェーデンのフッ素の研究者が見解を出しており10 mg/l の高濃度のフッ素なら起こりうるかもしれないが、スウェーデンでは水道水のフッ素濃度の上限は1.5mg/lであり、ストックホルムでは0.2mg/lのフッ素しか含まれていません。
さらに、1の研究は研究方法に問題があり信頼性がないとのことです。
2の骨の問題は、研究者によると水のフッ素濃度が高い地域(研究では6 mg/l以上のフッ素濃度)の住民はたくさん水を飲むと影響があるかもしれないとのことですが通常のフッ素の使用では骨に影響はでることはないとしています。

なので、スウェーデン、もちろん日本でも、通常の生活を送り普通にフッ素を使用している方は何も問題はありません。

しかしフッ素には有名な副作用、『エナメルフッ素症(斑状歯)』と『フッ素中毒』があります。
フッ素症は、以下の表のように1 mg/l以上のフッ素でリスクが出てきますが

スウェーデン、日本で水道水を飲んでいる場合はほぼ問題がないといえます。
ただし、井戸水などを飲んでいる地域ではフッ素の摂取量が多かったりするので、患者さんにはきちんと説明します。
(患者さんの問診票に、井戸水を飲んでいるかどうかという質問事項があります。夏の間にサマーコテージに滞在し井戸水を飲む方も結構いらっしゃいます。子供には特に注意を促します)

妊娠中の方、1歳未満の子供を持つ人は地域によっては、無料で水質のフッ素濃度調査をしてもらえるようです。その他の人は、マックスで150クローネにて調査してもらえるとのことです。

もう1つの重要な副作用、フッ素中毒は
子供がフッ素入りの歯磨き粉を食べてしまった!タブレットを食べてしまった!
洗口液を飲んでしまった!そんなとき起こりうる中毒ですが
症状としては悪心・下痢・嘔吐などです。
体重(kg) × 5 mg以上摂取すると症状が起きるようです。
これは、10 kgの子供が子供用歯磨き粉を一本丸まる、またはフッ素のタブレットを数百個食べてしまうとフッ素中毒になってしまうということです。
最悪の場合(体重×30 mg~60 mg)は死に至ると考えられますが
10 kgの子で考えると子供用歯磨き粉6本~12本なのでかなりの量といえます。
(子供がフッ素を飲んでしまったときの対処法はネットに書いてあります。)

以上のことから、フッ素の通常の使用・さらにはスウェーデンまたは日本で生活している分にはあまり心配しなくて大丈夫、といえます。
これから”フッ素恐怖症”の患者さんに会うこともあるかと思いますが、歯科医師としてきちんとした情報を伝えたいと思います。

ちなみに、KUTに入る面接で面接官に『フッ素恐怖症の患者さんが来たらどうする?』と聞かれたので、ラッキーと思いながら答えました。
しかしそのあと少し話し合い、患者さんに正しい情報を伝えるのは私たちの義務ですがどうしても使いたくないという患者さんに無理矢理使わせるのはよくないので
引き続き説明するとともに、フッ素なしでできる最大限の予防を伝える必要がある。そしてフッ素は薬剤なので、恐怖症でない方にも使用を気を付けるようにきちんと伝えるのが大切、という結論に達しました。

さらに補足で、欧州って皆さん硬水というイメージがあるかもしれませんが
スウェーデンの水の80%は実は軟水です。
東京の水の硬度が約65 mg/l、私が今住んでいる地域の硬度は66 mg/lのようです。(私が計算したので100%あっているとは言い切れませんが…。)
ストックホルムの平均は約100 mg/lで中軟水、ウプサラという地域は硬度が高く300 mg/lとばらつきがあります。日本の平均硬度は50 mg/lです。

私の出身地(東京)のフッ素濃度を調べたところ、0.11 mg /lでした。スウェーデンも特にフロリデーションは行っていませんし、スウェーデンの水道局のホームページによると、過去に一度も行われたことはありません。
よく『スウェーデンといえばフロリデーション?』と聞かれることがありますがそれは違います。
フッ素を水道水に添加するのは、許可を取らずに薬を飲ませるようなものなのでやっていない、と水道局に記載されていました。

硬度(地域によっては)もフッ化物もあまり大差のないスウェーデンと日本の水ですが大きな違いの1つは塩素の含有量です。
スウェーデンの水は塩素がとても少ないので、日本の水道水を飲むと塩素の味に気が付くようになりました。

水の話になってしまいましたが・・・

スウェーデンの市場で出回っているたくさんの飲み物はミネラルウォーターから作られいるものもあり、そうすると自然と少しだけフッ素濃度が高くなるようです。
しかし、日本で売られているミネラルウォーターにもフッ素濃度が普通の水道水より高いものがありますので、とくに気にしないで生活していればスウェーデンと日本で特にフッ素の摂取量はそれほど変わらない気もします。

スウェーデンの水道水のフッ素含有量の認められている上限は1.5 mg/lですが、ストックホルムの値は0.2 mg/l以下、ウプサラは0.9 mg/l、
日本のフッ素含有量上限が水道局HPによると 0.8 mg/l、私の出身の区では0.11 ml/g。
う蝕予防に効果があるフッ素の量は1.5 mg/l以上とされているようなので、スウェーデンの水道水を飲んだところでう蝕予防の効果はありません。

例外で、井戸水を使用しておりその水のフッ素濃度が高かった場合、子供たちには以下の注意が適応されます。

ただし、ストックホルムで普通に生活している分にはあまり井戸を使っている人はいないのであまり関係がなさそうです。

ということで、スウェーデンの虫歯予防の効果は水道水とは一切関係ないので
やはりフッ素の日常での使用方法によるものだといえるのではないでしょうか。

フッ素の使用にはガイドラインがありますので、次回!(気力があったら)そちらも紹介していこうと思います!

エンド後の仮封について。

お久しぶりです。
10月後半に親友の結婚式のため5日間という短い時間でしたが日本に帰国していました。
Finnairだったのですが、行きはJALの共同運航に、帰りはエコノミーコンフォート・ビジネスクラス(45分だけですが)にアップグレードされたのでとても快適な空の旅でした。

さすがJAL、ご飯がおいしくサービスも最高、さらにはトイレもなんとウォシュレット、窓はボタンで透過光量が変わるタイプのもので終始感動しっぱなしでした。(JALには十数年ぶりに乗りました。)
帰りも快適であっという間の9時間半で、飛行機恐怖症の私ですが、飛行機にいいイメージを持つことができました。
残念ながら直行便はないのですが、スウェーデンからフィンランドは45分くらいですしフィンランドから日本も9時間~9時間半ほどなので実は結構近いです。

日本とスウェーデンは遠い・・・なんてホームシックになるたびにメソメソしていましたが今回の旅で『いつでも帰れるし、そんなにつらくない距離・・・なんなら5日間だけでも結構楽しめる』と思えたので気が楽になりました。(問題はお金がかかることですが・・・)

さて、今回はエンド後の仮封について説明したいと思います。

エンド後の仮封は、私が働いていたところではだいたい
綿球→キャビトンもしくはキャビトンEX→場合によってグラスアイオノマー
でした。
キャビトンは水硬性セメントで酸化亜鉛 硫酸カルシウム 酢酸ビニル樹脂が原材料とのことです。
皆さんご存知のように、唾液や水分で硬化する使いやすい材料で私もエンドの治療時には毎回使用していました。

スウェーデンでは、私が今まで見た限り・または大学で習った限りではキャビトンのような水硬性セメントを使用したことがありません。(授業では出てきましたし、使っている先生もいるようですが)
その代わり水酸化ユージノールセメント(私たちはZOE、ソーエと呼んでいます。)をかなり使用しています。仮封を取るのも超音波ではなくタービンです。

スウェーデンで使われる水硬性セメントにはユージノールの入っていないCavitという製品もしくはColtosolという製品があります。
しかしどちらも硬化時に吸水膨張し、CavitではZOEに比べて2倍・Coltosolでは17~20 vol%膨張するようです。

この吸水膨張は歯の破折や亀裂の大きなリスクになり、さらに膨張は咬合力によりさらに大きくなります。そのため、Coltosolは仮封などに使用されるべきではないという報告もあるようです。
Cavitに関しては気を付けて使用することが勧められているようです。

グラスアイオノマーは封鎖性があまりよくなく、EDTAなどの洗浄により象牙質の表面において、グラスアイオノマーが歯質にくっつくためのイオンが減ってしまうといわれています。
さらには硬化時の水分や乾燥に敏感で、うまく扱わないと亀裂が入ってしまうリスクが高まるそうです。
しかし、機械的性質には優れています。

そして・・・私が日本では常に使用していた綿球。
これはスウェーデンでは(カロリンスカでは)絶対に使わないように習います。
なぜ!!
根管に仮封材はいっちゃったらどうすんの!
取りにくいじゃん!
と思ったのですが、それには4つ理由があって
1、仮封の厚みが減ってしまい、漏洩のリスクになる。
2、綿球が柔らかいので咬合の度に仮封材が沈み込み仮封の破折や漏洩につながる
3、綿球の繊維が少しでも仮封の外に出ていたらそこから漏洩する可能性がある
4、側枝や髄管などから綿球を通して漏洩する可能性がある

ということでした。

いままで綿球を使っていてそれほど問題が起きたことがなかったので
そうなんだ・・・という感じだったのですが、確かに言われてみれば漏洩のリスクは大きくなりそうです。
ただ、こちらのZOEを治療後の根管にもりもりつめて、次回来院時にすべてタービンで取っているのをみると、パフォらないかちょっとひやひやしてしまいます。
歯質を余分に削ってしまうリスクもあるので気を付けなければいけないと思いました。

水酸化カルシウムもたっぷりつめて、さらにはしっかり仮封をし漏洩のリスクをなるべく減らす!という感じでしょうか。
危ないことは絶対に避けるのがちょっとスウェーデンらしくて少し笑ってしまいました。
治療を見ていると、仮封を取るのにも時間が結構かかっています。(エンドに毎回1時間半くらい予約をとっているのでそれでも大丈夫なのかもしれませんが。)
仮封を取りきらないまま治療をしている先生もいたのでそしたらいくら仮封をしっかりしても水酸化カルシウムをすごく詰めてもダメなんじゃないか・・・と思ってしまうのですが・・・。

過去に仮封の漏洩でSinustractが消えなかった患者さんがいたので
仮封の大切さは身をもって知りました。
なのでそれを忘れないでこれから治療をしていきたいと思います。

まとめると、
仮封は3.5mm以上必要。
ZOE、水硬性セメント(Cavit)は機械的性質はあまり優れていませんが封鎖性はあるので短期間の仮封にはOK。しかし長期間仮封が必要になる場合や大きな窩洞の場合はZOEもしくはCavitの上にIRMセメントもしくはグラスアイオノマーを使用し二重仮封する。(膨張するので低めに詰める。)
綿球は漏洩のリスクを上げるので使用しない。

というのがカロリンスカでのやり方のようです!