抗生物質!いつ使う?

スウェーデンで歯科を勉強して驚くことはいくつもありますが、
中でも私が驚いたのは抗生物質(抗菌薬)の使用方法です。

私が日本で働いていた時は、
・歯や歯茎が感染が原因で腫れたとき
・抜歯の後

に抗菌薬を処方していました。

私はエンド(歯の神経の治療の科)で働いていたので、
・急化per(歯の根っこの先の病気で急性化したもの)
・フレアアップ(初めて根っこの先を触った後の2~3日後に起こる急性症状)の恐れがある場合(症状が出なかったら服用しないことを十分に説明)
などは患者さんにきちんと服用の説明をして処方していました。

薬は第三世代セフェム系抗菌薬のフロモックス、またはジェネリックのセフカペンピボキシル塩酸塩錠を5-7日分処方していました。

セフェム系は細菌の細胞壁を攻撃して細菌を殺すタイプの抗菌薬です。

もちろん医療者として「薬剤耐性菌」に気を付けなければならないのは分かっていましたが、
そのための対応としては、不必要に抗菌薬を処方しない。
患者さんに正しい服用指導を行う。(きちんと最後まで服用しきらないで、症状が治まると服用を自分の判断でやめる方もいたので)
くらいしか考えていませんでした。

でもいまだに抗菌薬をすぐに処方する先生たちや、処方してもらいたがる患者さんが多数いるのが現状ではないでしょうか。
(風邪の患者さんに処方する人もいますよね!!)

さて、スウェーデンでは歯科の分野においていつ抗菌薬を処方するかというと
・歯や歯茎、顎の細菌感染で症状が出ているとき
・抗菌薬術前投与 Antibiotika profylax
の2つの場面が考えられます。

抗菌薬の処方に関しては、厚生労働省Sosにガイドライン、さらにはストックホルム県の特別な指針もあります。(術前投与のガイドラインは2012年に更新されました。)
ストックホルムの指針を作っているのはStrama Stockholmというネットワークです。StramaはSamverkan mot antibiotikaresistans (みんなで薬剤耐性菌とたたかう!)の意味で、将来も抗菌薬が効き目のある薬物として使い続けられるように正しい抗生剤の処方を推進しています。
Strama SLLはアプリケーションがあり、抗菌薬の使用に関していつでも調べられます。

まず、術前投与ですが
これは菌血症または顎骨壊死のリスクのある患者さんにリスク処置を行う場合に処方するものです。

菌血症のリスク患者さんは簡単に説明すると
・免疫機能がきちんと働いていない人
→好中球が少ない人。好中球の欠陥。強い免疫抑制剤を使用している人。
要は免疫不全の人!
顎骨壊死は
・顎骨の放射線治療を受けた人
・癌でビスフォスフォネート製剤を静脈内注射で使用した人

に①抜歯 ②口腔内全体のスケーリング(歯石除去) ③歯槽骨の外科処置

を行う場合は決まった量の抗菌薬を処置前に飲んでもらいます。
薬も処方量も決まっており、

経口
処置の60分前に
・Amoxicillin (ペニシリン)
大人・・・2g
子供・・・50mg/子供の体重(Kg)
ペニシリンアレルギーの場合
・クリンダマイシン
大人・・・600mg
子供・・・15mg/体重(kg)
を服用してもらいます。
(経口不可能な場合は、静脈内。ここでは省きます)

又は3か月以内に人工間接の手術を受けた患者さんで、肥満、喫煙、糖尿病などのリスクがある人なども術前投与の対象になります。

さらに、矯正外科・骨折のオペ・インプラント・骨移植などの侵襲性がより高いリスク処置には健康な人にも抗菌薬が出される場合があります。

日本の国家試験では、(私が勉強したのは5年前とかですが)
人工弁の患者さん
心内膜炎の既往
先天性心疾患
に観血処置を行う場合に↑と同じ量を処方するという感じでした。

ネットでざっと調べてみましたが統一されたガイドラインなどは見つかりませんでした。(見つけた方がいれば教えてください!)

スウェーデンでは2012年にガイドラインが更新されるまでは日本と同じ感じだったのですが、現在は人工弁・心内膜炎の既往・先天性心疾患の方に術前投与は必要なく、口腔衛生状態を改善する・良好に保つことが敗血症の一番効果的な予防につながるとのことです。

——————

さて、術前予防に関してはそれほど差がないような感じがありますが私が驚いたのは急性炎症時の抗菌薬の処方が著しく少ないということです。
何が何でも抗菌薬を処方しないぞ!という心意気さえ伝わってきます。

例えば、親知らずの周りの歯茎が腫れたら日本では洗浄して、抗菌薬を出していました。根っこの治療中の歯の先の歯茎がパンパンに腫れて局所的に熱を持っていて赤くはれている!こんな時は必要に応じて切開排膿、または波動を触れないようだったら抗菌薬を処方していました。
ちょっと腫れてるかも?なんて場合にも処方することがありました。

しかし、スウェーデンでは
Allmänpåverkan”全身症状”がなければ抗菌薬は出しません。
全身症状は、熱・腫れて息がしづらい・口があかない・飲み込みにくい・食欲がない.・全身倦怠感・・・
そんな全身に及ぶ症状が出たときのみ処方することが進められています。
(複雑骨折や抜歯後の大きい上顎洞の穿孔には処方するようですが)

(*私ならきっとそんな症状が出たら歯医者じゃなくて医者にいきます・・・)

では歯の炎症で局所的に歯茎がパンパンに腫れてきた人はどうするのでしょう?
私が見たケースでは切開・排膿(必要に応じてドレナージ)か、生食で洗浄をして痛み止めを出してもらい、クロルヘキシジンでうがいしてもらうよう指示して終わりでした。
抗菌薬は出していませんでした!

出す薬は第一選択がペニシリンV(コベペニン)です。
アレルギーの人にはクリンダマイシン。
コベペニンが効かなければ、メトロニダゾール(フラジール)を追加で処方します。

スウェーデンでは薬剤耐性菌の記事がたくさん見つかります。
ニュースや一般人向けの優しい説明もあります。

最近はヨーロッパで薬剤耐性菌が増加しており、
さらには去年ヨーテボリ大学の研究者が、薬剤耐性菌が空気感染するかもしれないという発見をしたようです。
移民・難民が多いスウェーデンはいくら国内で気を付けていても保菌者が外国からやってくるかもしれません。いまだに抗菌薬が処方箋なしで買える国もあり、乱用している人たちもいるようです・・・。

2017年2月に、ウプサラ大学が幼稚園の子供300人のおむつを集め調査(検便)したところ、2010年の3%に比べて2016年で20%の子供、つまり5人に1人の子供が腸に薬剤耐性菌を持っているということになります。そう考えると結構多い・・・

新しい抗菌薬の研究はあまり進んでいないということなので、今の抗菌薬が効かない菌が出てきてしまうと、抗菌薬がなかった時代に逆戻りしてしまいます。
簡単な感染でも死に至る事態になってしまうかもしれません。

日本でも抗菌薬の服用方法の見直しが広まってきているとは思いますが、
”薬物耐性菌”と調べても一般人用のわかりやすいサイトはあまり見つかりませんでした。

今ある抗菌薬の効果を保つためにも、医療者・患者さん両方が正しい知識を身に着けてが気を付けていかなければいけない問題だと思いました。

気になったのが、どうしてスウェーデンの第一選択抗菌薬がペニシリンなのに
日本の歯科医院はあまり使わないのか。
(だいたいセフェム系抗菌薬が第一選択な気がします)
スウェーデンの厚生労働省Sosの論文では、セフェム系の抗菌薬の使用が減って、それは望ましいことだと書かれていました。
セフェム系抗菌薬は抗菌スペクトルが広く、耐性菌ができる可能性が増えるため抗菌スペクトルが狭いペニシリンVが使われているようです。

確かにStrama Stockholmの指針を見てみると、まずペニシリン(主にグラム陽性菌に効く)を使用して、それが効かなければメトロニダゾール(グラム陰性菌に効く)
を処方するように記載されています。

逆に、日本でなぜペニシリンが使われていないかというと、ペニシリンショックがあるから、や耐性菌ができるからという記述を見つけましたがそれは昔のペニシリンのことで(ショックはあると思いますが)使用されているペニシリンVはスペクトルが狭いので耐性菌のリスクが減らせるのではないでしょうか。

日本語で調べてみると、フロモックスやメイアクトなどの第三世代のセフェム系は低濃度でも広域にカバーするため耐性菌のリスクになるということや、吸収率が低いということが欠点に挙げられていました。

可能な限り調べてみましたが、間違っているところなどがあれば指摘をお願いします・・・
以下のページ、参考になると思います。

JAID/JSC感染症治療ガイドライン2016-歯性感染症-
歯痛ブック 抗菌薬を歯科医院で使うなら知っておきたい5つのルール

スウェーデンと日本の違い調べることによって、今まで何気なくやっていた処置や使用していた薬の使用方法を疑問に思える機会ができてよかったです。恥ずかしながら私も日本であまり考えずに抗菌薬はフロモックスを投与していました。これからもっと薬剤耐性菌のことを考慮し、抗菌薬の使用法を見直さなければいけないと思いました。

スウェーデンの受験と歯科大事情・・・②

前回の続きで、今回はスウェーデンの歯科大学に入る方法を書いていこうと思います。

① Umeå Universitet ウメオ大学

ウメオ大学の歯学部では
67%の学生がBtygurval(成績での選抜)
33%の学生がHP(大学テスト)
にて選抜されます。

ウメオ大学は春学期から始まりますが、2016年の春は

応募人数1072人(女性674人 男性352人)
席が72席。

席は72ですが、だいたい数人が大学を辞めるので
大学側は本来の席よりも多めに選抜します。
おそらく80人ほどが入学したと予想されます。
結構な倍率です。
つまり約54人の学生がBtygurval(成績での選抜)
約26人の学生がHP(大学テスト)で選ばれたと考えられます。

成績選抜は19.8、HPでは1.45以上のポイントを持っている人が選抜されたようです。

② Göteborgs Universitet ヨーテボリ大学

ヨーテボリ大学歯学部もウメオ大学と同様、成績とHPのみで学生を選抜します。
ヨーテボリは春学期と秋学期から始まる学生がおり、全体で93席のようです。
春、秋でそれぞれ何人入学したかの情報が見つけられなかったのですが単純に半分ずつと考えると約50席くらいだと予想されます。

66%(約33人)の学生が成績選抜
34%(約17人)の学生がHPにより選抜されます。

2017年春学期の応募者は
1690人(女性1092人 男性532人)で、約50人ほどが選ばれたと考えられます。
成績選抜は21.5、HPが1.6以上の人が選抜されたようです。

③ Karolinska Institutet   カロリンスカ大学

カロリンスカは少し特殊で、独自の選抜方法に重きを置いているようです。
25%が成績
25%がHP
50%がAlternativurval(大学独自の選抜方法)
で選ばれます。

大学独自の選抜方法はAlternativt urval till tandläkarprogrammet (TAPIL)
と呼ばれています。

Step1
まず応募者で受験資格があるものが呼ばれ
・自分の人生について 30分(おそらく自己PR的なもの)
・小論文 60分
を書きます。

Step2
110人~130人が選ばれ2回の面接を行います。
ステップ1で書いた自己PRをもとに質問され、モチベーション、キャパシティ、コミュニケーション力、性格について評価されます。

50人ほどが選ばれます。
(本来は90席なのですが、やめる人が出てくるので毎年100人ほどを取るようです。)

カロリンスカは秋学期から始まります。
2017年の選抜は
2202人(女性約1400人 男性700人)が応募したようです。そして102人選抜されました。

ということは、
成績とHPで約25人ずつ選ばれ
TAPILで約51人が選ばれたと予想されます。

ちなみに成績選抜は22.40! (22,5が最高点です) HPは1.6以上の人が合格したようです。

④ Malmö Högskola マルメ大学

マルメ大学もカロリンスカと同様、大学独自の選抜方法を採用しています。
席が61で、少し多め(70人)にとると考えると、
1/3が成績選抜(約23人)
1/3がHP(約23人)
1/3がAlternativurval(約23人)です。

Alternativurvalは、

Step1
IQテスト?
問題解決など。 2時間

Step2
1の参加者の25%が選抜される
歯の形を見本を見て削るテスト(おそらく石膏棒を削るようなテストでしょう)(入学前なのに!)

Step3
面接1
最終面接に呼ばれる2.5倍の人数が選ばれる

Step4
最終面接

約23人

何段階もテストがある上に、歯の形を入学前から削るとはかなり
厳しいですね。

マルメ大学も秋学期から始まります。

2017年の応募者は1797人(女性1156人、男性586人)
だったようです。

成績は21.6以上、HPは1.55以上の人が選抜されているようです。

さて、お気づきかもしれませんが
女子の応募人数が男子の2倍!
歯学部や医学部は今女性に人気です。
私の職場で働く学生に聞いても、クラスは女性がかなり多いとのことです。
卒業式の写真を見せてもらいましたが男性は1/3くらい。
学年にもよるようですが女性が多いのは変わりないようです。

医学部は歯学部よりも差はないですが女性が多いようです。

男性は何学部を選ぶのかというと
だいたいIT系や経済を専攻する人が多いみたいです。
ITのコースなどは医療系とは真逆で応募者が男性が女性の2倍という感じになっていました。

高校のころに自分の興味でコースや科目をとれるので
だいたい勉強のできる女の子は生物などが好きで医者、歯医者を選択し、
男の子は数学や物理が好きで、そうなるとITに行く。
さらに経済系の職業はお給料が高いのでそちらにいく・・・という予想を立ててみました。

しかし今は大量の中東難民がスウェーデンに来ており、(語学学校も、KUTもシリア人ばかりです。)特に高学歴難民と呼ばれる人も多いです。
中東は男性の歯科医師が多いので、今後、スウェーデンで生まれた女性の歯科医師と移民の男性歯科医師が増えていくことでしょう。

大学を卒業してからも、まずは女子は国民歯科で働き
男子はプライベートで働く人が多いと聞きました。
国民歯科は安定しているし、育休もきちんととれるようなので女子に人気で、
プライベートは外科やインプラントなどがあるしお給料もいいので男子がいく、そんな図式のようです。

上の応募人数を見てみると、カロリンスカが人気なように見えますが、
それはストックホルムにあるからという理由が大きく関係しているのではないでしょうか。
しかしネットで歯学部を受けたい学生の声を見てみると
カロリンスカは人気がないようでした。
その1番の理由は、他の3大学と違いカロリンスカを卒業しても
Yrkesexamen(専門職学位)しかとれず、
Akademisk examen (マスター・修士)が取れないようなのです。

マルメ、ウメオ、ヨーテボリは卒業するとマスターがもらえるようなので、将来外国で勉強したかったりするとカロリンスカ以外がいい!となるようです。

日本は歯科大を出ると修士がもらえます。

なぜ、カロリンスカだけがこのようになっているかというと、
イギリスとドイツのシステムに従っているからのようです。
イギリスとドイツも歯科大を卒業すると専門職学位のみがとれるようです。

また、TAPILの選抜システムが嫌だ!と書いている人もいました。

どちらが本音かはわかりませんが、選抜システムが嫌・・・というのが本音のような気もします。そちらのほうがスウェーデン人らしいです。

ウメオ・ヨーテボリもなかなかいい教育なようですが、
中でもマルメはPBL( Problem based larning)を取り入れた授業がうりのようです。

実は2009年にマルメ大学に行った際に、PBLの授業に参加したことがあります。
グループワークで、1つのテーマが与えられ、そこから派生して問題を考えていくような感じでした。
その時はとても感動しましたが、語学学校でグループワークをやらされてから
「これは完全にグループに左右される・・・」と思いました。
確かにマルメの授業の時も、だらけている人がいたような気がします。
やる気のあるグループだったらいいですが最悪なメンバーに囲まれたら、まったく勉強できなくなるのではないでしょうか。

若者は講義が嫌いなのでPBLのやり方に魅力を感じるかもしれませんが、
今の私は善し悪しだな・・・と思うようになりました。

私が学生だったら・・・ウメオあたりがいいかなと思います。
今の職場のウメオ大学を卒業した先生が優秀なのと、プログラムがいいという声が上がっていたからです。そして北なので環境もよさそうだし、オーロラも見えたりするようなので・・・

私は8月からカロリンスカの学生になりますが、どうなることでしょう!
今回は大学の事情を調べてみましたが、私もとても勉強になりました。

スウェーデンの受験と歯科大事情・・・①

日本には28の歯学部がありますが、スウェーデンでは何か所歯学部があるのでしょう。
スウェーデンは4か所、
南からマルメ大学 (Malmö högskola)
ヨーテボリ大学 (Göteborgs universitet)
カロリンスカ大学 (Karolinska institutet)
ウメオ大学 (Umeå universitet)
で歯学を学ぶことができます。

教育の長さは5年、スウェーデンでは半年を1学期 (テルミン1)とし、
テルミン10まであります。
秋学期から始まるところ、春学期から始まるところ、
秋と春で半々づつ始まるところがあります。

私の職場はカロリンスカから近いのでたくさんの学生がヘルプ要員としてバイトに来ていますが、そこで学生に学年を聞くときは「何年生?」ではなく「なんのテルミンに行ってるの?」となります。

スウェーデンには日本のような受験制度はありませんが、この前も記載した通り席に対して応募者が多いと何らかの形で選ばなければならなくなります。

大学に選ばれる方法としては
1, Betygsurval(成績選別)→高校の成績を使う方法
2, Högskoleprov(以下HP)→ (大学テスト)の点数を使う方法
3, Alternativurval→大学の決めた選別方法
があり、
1と2の方法で最低でもそれぞれ30%以上の人数が選ばれなければいけないようです。
(カロリンスカはどうもちょっと違うようなので何とも言えませんが・・・)

わかりにくいですが、以下のような感じです。
大学によってはHPと高校の成績だけで選抜されるところや
独自の選抜方法がある大学もあります。

•  Betyg(成績)による選抜では、高校の成績で点数がもらえます。(BⅠ)

17科目の成績の平均(最高20)+メリットポイント(入りたい大学のコースに必要な難易度よりも上の応用数学、応用英語、第三外国語の成績および自分の入りたいコースに関係があるが応募必須要項ではない科目)(最高2.5)=22.5が成績でもらえるポイントの最高値です。各科目にはAからEまでの成績がつけられ、
Aなら20、Bは17.5、Cは15、Dは12.5、Eは10ポイントがもらえます。
17科目の成績の平均が点数になります。メリットポイントの説明は難しいのですが、
コースに応募するのに必要な科目よりも難易度が高い科目を取っていたり、
高校で必要な難易度より上の科目をとっているともらえるポイントのようです。高校卒業時に、数学4だけ成績がBであとは全部Aだった!ということなら、
Folkuniversitet(高校の補完及び自分の興味のある科目を学べる機関)で数学4を取り直して成績を上げたり、メリットポイントを取得するために応用英語のコースを取って成績のポイントを上げることもできます。(BⅡ)

•  Högskoleprov (以下HP) は日本でいうセンター試験のようなもので、春と秋、年に2回行われます。数学80問、言語80問の計160問のから成り立っており、どれぐらい点数が取れたかによって0~2.0までのポイントをもらえます。
例えば、2016年の春のHPの結果だと
数学が73/80
言語が75/80
トータル 148/160
以上取れた人が2.0の点数をもらえたようです。成績が21点だった!
成績で選抜されるかわからないからHPも受けて1.6だった。
ということであれば、成績の選抜にもHPでの選抜にも応募することができます。

•  最後の表でAnnat(その他)と書かれているのは
Alternativurvalといって大学独自の選抜方法です。
この選抜方法がある大学は歯学部の中ではカロリンスカとマルメ大学です。私たち外国人歯科医師は、HPを受けてもいないし高校も通っていないので
Alternativurval的な大学独自の選抜方法によって
KUT(補完コース)に選ばれました。私たちだけなんでこんな選抜されなければいけないんだ!
と少し憤慨していたところもありましたが
スウェーデン人たちも同じように、もしくは私たち以上に厳しく選抜されているのを知り納得がいきました。

長くなってしまうので、各歯学部の選抜方法は次の記事に書きたいと思います。

よく聞く、外国人用の専門医コース。コースを出たらスウェーデンで働けるの?

巷でよく聞く
ヨーテボリ大学の外国人用のコース。
この”外国人”コースを出てできること、スウェーデンの専門医との違い、このコースを出るとスウェーデンで歯医者として働けるようになるかを調べてみました。

私が調べたのはヨーテボリ、カロリンスカ、マルメ大学の外国人用のマスターコース+専門医教育です。
(ウメオ大学には外国人用の専門医コースはありません。スウェーデンの歯科医師のための4年コースのみ存在します。)

以下を参考にしました。

ヨーテボリ大学 (サールグレンスカアカデミー)
さらに詳しい情報

カロリンスカ
矯正
エンド

マルメ

まずは有名なヨーテボリ大学ですが、
今行われている外国人用のコースはペリオ矯正の3年間の専門コースのようです。

申し込みに必要なのは、
1, 信頼できる教育機関でD.D.SかD.M.Dを取っていること。(日本で歯科医師になっていれば大丈夫だと思いますが・・・)
2, 2年以上の一般歯科経験があること
3, 英語ができること(書くのも話すのも)

で、ヨーテボリ大学のページによるとかなりの量のドキュメントを提出するようです。(詳しくはホームページを見てください)
そして面接があるようです。

スウェーデン在住者向けのコースではないのでお金がかかります。
2016年の時点で、

Orthodontics 矯正

SEK 360,000/year (2016)
1年で約460万円です。

Periodontology
SEK 301,000/year for dentists from EU/EES countries (2016)
SEK 350,000/year for dentists from non-EU/EES countries (2016)
EUの歯科医師は1年で約390万円
EU外の歯科医師は1年で約450万円です。

ということはこれ×3がコースにかかります。
これに加えて、住居も個人で払うようです。

The specialist training programmes in dentistry may be financed through a public sponsor/employer in the resident’s home country, by a company or by private means.
とあったので、個人で申し込むこともできますが、スポンサーや自国の雇用主、会社に払ってもらうケースもあるようです。

コースの詳しい内容はホームページをご参照ください。
全て英語のコースで講義、プレゼンの発表、テストもあるようです。
臨床に重きを置いているようで、ペリオの場合は週に20時間の臨床があり患者さんを3年間で80人~100人担当するようです。
矯正は週24時間の臨床で約120人の患者さんを担当するようです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

続いてカロリンスカはどうでしょう。
カロリンスカは非常に情報を探すのが難しく、さらにホームページをみてもはっきり情報が書かれていませんでした。
”Master’s courses & Clinical Specialisation in 矯正、エンド”というのを見つけました。
あるのはエンドと矯正で、定期的に行われているかどうかも不確かです。
見つけたのは2017年から2020年の矯正のコースと、2018年から2021年のエンドのコースです。どちらも3年半です。
エンドは見つけられなかったのですが、矯正は
600.000 SEK/year for the Specialist Training Programme in Orthodontics 2017-2020. The cost of the 7th and final semester will subsequently be 300.000 SEK.

ということで、1年に約770万円、最後の半年は約380万円・・・
3年半で約2700万円のコースです。
家が買えますね!

コース内容は、上のリンクを参考にしてください。
応募に必要な条件もほぼヨーテボリと同じです。
全て英語のコースで、
例えばエンドの内容は

Content
The master’s courses comprises three and half years of full time study conducted in English and follows a fixed timetable. Each week involves at least five half-day sessions with patient related clinical activities and one day with theoretical education. The clinic is equipped with the latest tools for modern endodontic dentistry i.e., digital radiography, ultrasound equipment and individual microscopes are available at all working units. The clinical activities include endodontic microsurgery every week. The remaining sessions are reserved for research, self-study, teaching, external courses and congresses. Each student has a tutor with extensive scientific, clinical and pedagogic experience making the studies highly individualised. Each resident will treat a minimum of 100 patients; most of the patients are adolescents. The treatments comprise the whole panorama of the endodontic field.

こんなかんじです。だいたい100人の患者さん(大部分が若年者)を担当するようでう。
ただし、カロリンスカのコースは個人で申し込むことができるかどうかがわかりません。もしかしたら大学や会社にスポンサーになってもらって行くコースなのかもしれません。
とにかく情報が得にくかったです。
私が働いている国民歯科で患者さんをよくカロリンスカのエンドに送るのですが、先生が「英語しか話せない先生もいます」と説明しているので、スウェーデンの免許を持つ人たちの専門医コースを受けている先生たちと一緒に臨床をしているのかもしれません。
カロリンスカに通い始めたらぜひ確認してみたいと思います。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

最後にマルメ大学。
マルメは2年のマスターコースと4年のマスターコース+臨床のコースがあります。科目はエンド、補綴、ペイン、矯正、小児、ペリオがあるようです。
4年のコースはだいたいヨーテボリとカロリンスカと似ており、毎週20時間の臨床で80人から100人の患者さんを担当するようです。

こちらがコースの内容です。
値段は1年約480,000krで約620万円です。
応募要項などはこちらから。現在は応募していません。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

さて、これらのコースが終わったらどうなるのでしょう。
それぞれのコースについて調べてみました。

マルメ:Degree and Certificate

Following successful completion of the final examination, the graduate will be awarded:

  • Master of Science in Dental Science (MDSc).
  • A Certificate of Specialization, corresponding to the Swedish specialist exam issued by the National Board of Health and Welfare.マルメではSos(スウェーデンの厚労省)からの専門医の証明書がもらえると書かれていますが・・・

    カロリンスカ:Examination, certificate and degree

    A Certificate of Specialisation in Endodontics and a Master of Medical Science (120 credits) with a Major in Odontology
    is awarded after three and half years of full time studies, with acceptable performance in all separate parts and a pass in the final examination (conducted by an external examiner in presence of the Head of the Division of Endodontics).
    ここ注意です!→” Legitimacy to work as a specialist in Sweden can only be given by the Swedish National Board of Health and Welfare to dentists who are registered as fully licensed dental practitioners in Sweden at the commencement of specialist training.”

    カロリンスカのページには、専門医の証明書は、スウェーデンで歯科医師免許を持っている者にしか与えられない、と書かれています。
    ということは、EU内の歯科医師でスウェーデン語のレベルがC1の人のみがスウェーデンの専門医の証明書をもらえるということでしょうか。

    ヨーテボリ:

    …Following successful completion of the final evaluation/examination, a Diploma in Periodontology, Periodontics and Implant Dentistry from the European Federation of Periodontology (EFP), as well as a University Diploma in Clinical Periodontology will be issued.

    ”A Certificate of Specialization in Periodontology will also be given to successful postgraduates from EU/EES countries.”

    なるほど、やはりEUの歯科医師はこのコースで専門医の証明書がもらえ、スウェーデン語をC1まで終わらせればスウェーデンで歯科医師免許がとれ、専門医として働けるということなのでしょう。

(これはEUの規定によってEUで教育を受けた歯科医師はスウェーデンで免許が使えるからです。)

EU外の歯科医師は残念ですが、スウェーデンの歯科医師免許がないので歯科医師及び専門医としては働けないようです。

———————————————–
したがって、EU以外の歯科医師が外国人専門のコースをとると、
大学の”専門医のコースのマスター(修士)という学位がもらえるということのようです。
専門医ではないけれど、マスターディグリーを持っているということになっているようです。
ただし、日本の歯科医師は大学を卒業するとマスターがもらえるので、ダブルマスター、ということになりますね!

ちなみにスウェーデンで歯科医師免許を持っている人は、一般歯科で2年働いた後に専門医コースに申し込むことができ、3年~5年(口腔外科)の教育を受けSos(厚生労働省)から専門医の免許をもらうようです。

スウェーデンで外国人の”専門医コース”と言っていてもEU以外の人は”専門医の勉強をして修士を取るコース”になると知り、とても勉強になりました。
スウェーデンで専門医として働くためには、私が前に記述した3つの方法のどれかかにより歯科医師免許をまず取得することが必須です。

日本人は専門医コースを出てもスウェーデンでは働けない!がこの記事のタイトルの答えです!

 

Fluortant (フッ素おばさん) についていった話

スウェーデンにはFluortanten (フッ素おばさん) とFluormannen (フッ素おじさん) という制度があります。
これは子供に歯の大切さを知ってもらい、予防してもらうためにFluortanten/Fluormannenと呼ばれる歯科助手及び歯科衛生士が学校を回って情報を提供するシステムです。

以下余談ですが、

おじさん?
と思うかもしれませんが、スウェーデンには男性の歯科衛生士さんが結構います。
歯科医師は女性がかなり増えているようで、国民歯科に至っては県が経営しているので安定しており育児休暇もきちんとしているため女性ばかりが働いています。
ちなみに私が働いている国民歯科は、男性歯科医師が1人、男性衛生士が1人、男性の主任が1人。それ以外の20人ほど(正社員)は全て女性です。

——以下ストックホルムの国民歯科のホームページより引用———
https://www.folktandvardenstockholm.se/skola/fluortanten/

Fluortanten
フッ素おばさん

国民歯科のフッ素おばさん、おじさんはLän (ここではストックホルム県) の口腔状態をより良くするために小学校の子供の予防に働きかけます。

フッ素おばさんは実は1960年代に登場したようです。
この頃の生徒の口腔状態は悪かったようで、それを改善するために始まりました。
その頃は、フッ素おばさんたちが生徒たちに0.2%フッ化ナトリウムの洗口液で毎週または隔週で口をゆすがせていました。

この試みは成功し、口腔状態が改善されたので学校がフッ化物洗口を止め、90年の初めにはフッ素おばさんも消えました。

私の主人、義弟、義妹はちょうどフッ素おばさんの制度が廃止されたころに学校に行っていたので校内でフッ素洗口はなかったようですが、義理の両親はフッ素おばさんにフッ素で口をゆすがさせられたと言っていました。

Fluortanten kommer tillbaka
フッ素おばさんが戻ってきた!

フッ素おばさんがいなくなってから、県の中で口腔状態が悪化する地域が出てきてしまったのでストックホルムの国民歯科は “Kariespreventionsprogram (虫歯予防プログラム)” を始めました。
フッ素おばさん・おじさんの仕事はそのプログラムの1つで2000年代から始まり、フッ素おばさんが再び戻ってきました。

フッ素おばさん・おじさんはストックホルムの全ての6歳児クラスと5年生(12歳)の児童に毎年”健康な歯”というテーマの授業を行います。
リスクの高い地域では、先生たちにフッ化物洗口を教えて先生たちに各自クラスでやってもらうという試みが始まっています。
毎年、5万人以上の子供たちに口腔の講義が行われ、8500人以上の子供たちがフッ素洗口を行っています。

*6歳児クラス=Förskoleklassといい、小学校の準備クラスです。スウェーデンでは小学校は7歳から始まります。
(保育園(幼稚園)はFörskolaといって1歳から5歳までの子供が通います。義務教育ではありません。)

つまり子供たちは学校で6歳と12歳の時の2回、フッ素おばさんに会うことになります。

Fluor, vila, vatten
フッ素、休憩、水!

フッ素おばさんのメッセージは簡単です。
まとめると

  • 歯は大切!一生に必要なものです。
  • きちんと歯を磨きましょう。朝晩2回、フッ素入りの歯磨き粉で。
  • 食事の間に歯を休ませてあげましょう。だらだら食べるのはダメ!
  • のどが乾いたら水を飲みましょう!
  • 新しく出てくる奥歯は特に気を付けて!より丁寧に磨きましょう。
  • お菓子?チップス?甘い飲み物? 1週間に1回なら大丈夫。食べるならなるべく1度に食べましょう。

Fluortantens dag
フッ素おばさんの日

毎年9月1日はフッ素おばさん・おじさんの日のようです。
何かイベントがあるようです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

と、ここまでは国民歯科からの情報ですが、実際にフッ素おばさんについていく機会をいただいたのでその様子を記そうと思います。

ついていったのは研修先の国民歯科が担当するエリアの小学校の1つ。
その日は6歳児たちへの講義でした。

フッ素おばさんは仕事のできる歯科助手のUさん。
彼女が私の働く国民歯科のフッ素おばさんを担当しています。

学校につくと6歳児クラスの子供たちが椅子に座ってきちんと私たちを待っていました。今回は3クラス回る予定になっていました。
フッ素おばさんは紙芝居を使って子供たちにお話したり、質問したりしていきます。
紙芝居は、
まず動物がたくさん載っているページから始まり、歯のある動物ない動物を言ってもらいます。そして歯の役割を考えてもらいます。
子供たちはやる気満々。手がどんどん挙がります。
歯は食べるため、かむため、喋るため、キスするためにさえ必要!絵とともにと伝えます。
人間の子供の歯、大人の歯は何本ですか?という質問に
6歳の子たちが「20本~!32本~!」と答えておりとても感動しました。
私なんて大学に入るまで知らなかったのに・・・

続いてフッ素おばさんが、なぜ虫歯になるのかを説明し
次に歯を守るためにはなにができるか聞いていきます。
みんなこれにもきちんと答えていて、スウェーデンの子供たちの歯科の知識の高さに驚きました。
フッ素おばさん(以下フ)「のどが乾いたら?」
子供たち「水!」
フ「歯は何回磨くのかな?」
子供「朝晩2回!」
フ「何で磨くの?」
子供「フッ素の歯磨き粉!」
フ「どれくらい磨くの?」
子供「2分!」
フ「甘いものは?」
子供「毎週土曜日!」
こういったことが自然にしみついているようでした。
フッ素おばさんがさらに補足で、2cmのフッ素の歯磨き粉で、2分、2回磨くんだよ!2,2,2だよ!とわかりやすく情報を伝えていたのも参考になりました。

その後、間食を10回以上もしている男の子の絵を見せ、
みんなで間食の数を数え、絵で歯がヘトヘトなことに気づいてもらいます。
そして、歯も休ませてあげることが大切だと学んでもらいます。

フ「この絵の歯、どう思う?」
子供「疲れててヘトヘトー」
フ「じゃあどうしてあげればいいと思う?」
子供「休ませてあげる!」
フ「歯が休むのってどんな時?」
子供「・・・」
フ「じゃあ、歯が働いてるときはどんなとき?」
子供「食べてるとき!・・あ!じゃあ食べていないときが休んでるとき!」

このような会話の後に歯が間食2回、つまり5回の食事に耐えられるということを伝えました。
6歳では6が生えてくるので、6をきちんと磨くこととお父さんお母さんに仕上げ磨きをしてもらうことも確認しました。
このように子供たちにたくさん考えさせ答えさせることによって

Fluor!フッ素!Vila!休憩! Vatten!水!

を覚えてもらいます。

本当に驚いたのですが、6歳なのに予防の仕方や歯の知識が頭に入っています。
国民歯科で働いていても思うのですが、年齢にかかわらずみんな予防の仕方をよく知っています。
予防歯科についての基礎知識があります。

小さい頃の教育の成果でスウェーデンの人たちはあまりカリエスがないのではないかと思いました。
(もちろん、歯科医療が高額なことも歯を大切にする理由だとは思いますが)

今回は6歳児のクラスだったので、今度は5年生への講義にもついていこうと思っています。

日本でもこのように子供への歯科の教育が進み、子供たちの予防の知識が向上し、自然とフッ素!休憩!水!を実践できるようになってほしいと願っています。

スウェーデンの国民歯科

私は今 (2017年6月現在) Folktandvården (フォルクタンドヴォーデン)という公共の国民歯科で働いています。

まだ歯科医師免許がないので、歯科助手としてですが。

スウェーデンはLänという、日本でいう都道府県のように分けられています。
それぞれのLänがLandstingという行政機関をもっていて、医療施設や交通機関などをまとめています。
その下にさらに日本でいう市区町村のKommunというまとまりがあり、学校や老人ホーム、ゴミ廃棄、水道などはこのまとまりで整備されています。

私がいるのはStockholm Län, Huddinge Kommun。
つまりはストックホルム県フッディンゲ市のような感じです。

スウェーデン全体では21個のLänと290個のKommunがあるようです。
コミューンにはそれぞれロゴがあり、Huddinge Kommunのロゴは

これはVårdkase(ヴォードカーセ)といって、”信号として、または祝典において野外で灯される大きな炎” がロゴになっています。

Stockholm Kommunのロゴは

Birger Jarlさんといってストックホルムの基礎を建設した人がロゴになっています。

話は逸れましたが、私が今研修をしているFolktandvårdenについて説明します。

——–以下フォルクタンドヴォーデンのページhttp://www.folktandvarden.se/om-folktandvarden/ より引用———–

Om Folktandvården
フォルクタンドヴォーデン(国民歯科)について

Att uppnå en bättre tandhälsa är grunden för vårt arbete och inom Folktandvården finns allmäntandvård, specialisttandvård och sjukhustandvård.

より良い歯の健康を実現するのは、私たちの仕事の基礎です。
国民歯科には一般歯科、専門歯科、病院歯科があります。

Var du än befinner dig i livet har vi möjlighet att hjälpa dig att förbättra din tand- och munhälsa.

人生のどの段階においても私たちはあなたたちの歯やお口の健康を改善する助けになります。

Kort historik
歴史

1924 fattade riksdagen ett beslut om att tillsätta en utredning om tandvård för hela folket.

1924年に政府が、歯科医療を国民全員に提供できるかどうかの調査を依頼しました。

1938 infördes Folktandvården, i första hand för barnen, för att sedan byggas ut i etapper och nya yrkesgrupper tillkom, framförallt tandhygienisterna på sextiotalet

1938年国民歯科が登場しました。
初めは子供のために、その後徐々に全ての年齢に対しての歯科医療ができました。さらに新しい職種、何より、歯科衛生士が1960年代に登場しました。

I Sverige finns idag en övergripande folktandvårdsorganisation i varje landsting/region, totalt 21stycken.

現在スウェーデンは、21つの地域が各自の国民歯科組合を持っています。

Dom flesta har en god tandhälsa
ほとんどの国民の口腔状態は良好です。

Förebyggande tandvård för barn och unga är den viktigaste uppgiften för landstingens och regionernas egen Folktandvård. I över 30 år har Folktandvården gett barn och ungdomar regelbunden och fri tandvård. Därför har svenska barn en mycket god tandhälsa. Sex av tio 12-åringar hade aldrig haft ett enda hål i sina tänder år 2000.
Även de flesta vuxna i Sverige har en bra tandhälsa. Dubbelt så många människor mellan 75 och 84 år har till exempel kvar sina egna tänder jämfört med för tjugo år sedan.

子供と若者の予防歯科が地域の国民歯科の一番大切な任務です。
30年以上にわたって、国民歯科は子供と若者に定期的な無料の歯科医療を提供しています。
なので、スウェーデンの子供の口腔状態はとても良好です。
2000年には、12歳児の10人に6人がカリエスフリーという結果になりました。
スウェーデンの大部分の大人の口腔状態も良好です。
例えば、20年前と比較して2倍の人数の75-84歳の人たちが自分の歯を持っています。

Specialisttandvård
専門歯科

Folktandvården ansvarar också för specialisttandvården. Där behandlar specialisttandläkare mer komplicerade tandproblem. Det handlar om till exempel tandreglering, tandkirurgi, tand- och munsjukdomar samt tandskador.

国民歯科は専門歯科もあります。
ここでは専門医がより複雑な問題、例えば、矯正歯科、外科、歯や組織の病気や歯の外傷についてに対処します。

Källa: Sveriges Kommuner och Landsting

Fakta
事実

Cirka 95-98 % av alla barn får sin tandvård via Folktandvården.

Cirka 40 % av alla vuxna får sin tandvård genom Folktandvården

約95-98%の子供が国民歯科で歯科医療を受けています。
約40%の大人が国民歯科で歯科医療を受けています。

———————————————————

訳がへたくそな部分もありますが、
要するに国民歯科はLandstingによって運営されている公共の歯科医療機関であり、子供、若者の予防歯科がメインとのことです。
通りで子供がかなりたくさん来ているわけです。
子供は2年ごとに義務の検診があり、それぞれの検診でチェックすることが決まっています。
子供が1歳になる前にBVC (barnavårdscentralen 子供の医療機関) や歯科医院で親が子供の口腔衛生指導を受けます。
その後、3歳で自分の住む国民歯科から検診のお知らせが来ます。
(ここでプライベートの歯科を選択してもいいのですがほとんどが国民歯科へ行くようです)そして2年おきに呼び出しがかかります。
私が働いているところでは、歯科医師と衛生士がペアになり、子供を15分おきに検診していきます。

私が働いている歯科の印象は
移民バックグラウンドの子供はカリエスが多いので
おそらく2000年の10人中6人がカリエスフリーという情報は現在は変わってきているように思います。
現に、新聞に移民が多い地域のカリエスが多いという記事が載っていました。
これも後ほど紹介したいと思います。

スウェーデンでは現在21歳まで歯科医療が無料ですが、
来年は22歳、再来年には23歳まで無料の歯科医療が受けられる年齢が引き上げられます。

これは、大学生のときに口腔状態が悪くなるのでその対応ということを聞きましたが定かではないのでまた調べてみます。

スウェーデンで歯医者になる方法⑤ Kompletterande utbildning 二次試験

さて、二次試験は38人から16人に絞るためのさらに細かいふるい分けがされます。

内容は
1, 面接①
2, 面接②
3, 実技試験
です。
二次試験は3日に分けられ、私は最終日でした。

8:00から30分間の初めの面接では、日本にも来たことがあるカリオロジーの先生で話が盛り上がりました。なんと私がスウェーデンに興味をもつきっかけになった先生のコースで講義をしたりと、意外な繋がりに嬉しくなりました。
いきなり日本語であいさつされたのでとても驚きました。
面接内容は主に応募したときに提出した書類を中心に聞かれました。
なぜスウェーデンに来たのか、将来どうするか、国家試験に受かったらどうするのか、なんの分野に興味があるのか、スウェーデンは個人主義、日本はグループ主義だけど適応できているか、そんなことも聞かれました。あとは雑談でした。
両親はスウェーデンに私が移住してさみしがっていないか、自分の娘はオーストラリアにいるけどさみしい。とか、娘が医療機器のアプリを開発しているけど私の夫はどんなプログラミングをしているのか。彼が今開発している電動歯ブラシの話。そんな感じでした。

将来専門医になったり大学院に興味があるならコースはいいよ、とオススメされました。あっという間の30分。楽しかったです。面接が終わった後、「次の面接官はエンドの専門医だよー!君は運がいいね!」と言われました。

2回目の面接は本当に楽しくて時間を少しオーバーしてしまいました。
この面接では英語のテストもありました。英語の短い文章を読んで内容を伝えました。文章はとても簡単だったので良かったですが、英語をスウェーデン語で説明するのでかなり混乱しました。
あとは、「フッ素恐怖症の患者さんが来たらどう説明するか」「患者症例はどうだったか」「エンドのほかに興味がある分野はあるか」と問われました。
そのあとはエンドあるあるで盛り上がりました。日本のエンドはスウェーデンと同じか少し上くらいだと言われすごく嬉しくなりました。
水酸化カルシウムってどうやって使ってる?と質問されたので、こちらも熱が入り説明をたくさんしてしまいました。

私ともう一人、9時に面接が終わったのですが
次の実習テストは13:00から…
初対面にもかかわらずシリアから来たその矯正専門医とカロリンスカのカフェで時間をつぶしました。彼は去年もKUTに応募したそうですが、二次試験にも呼ばれなかったそうです。
私と同じく公共歯科の専門科が集まった病院の矯正科で働いており、シリアから来る前はサウジアラビアで働いていたそうです。
彼も入学が決まったようなので心強いです。

実習テストは人形を使った形成でした。
26のMKクラウン形成、11のM3級窩洞、25のMO2級窩洞の形成でした。
思うようにいかず後悔する結果になりました・・・。

点数のつけられ方は、
患者症例3点、面接10点、実技3点の16点が満点となります。
受験者は点数がつけられ、上から16人(今年は訳があり15人)が選抜されました。

自分がAntagen(入学許可)されたかどうかは例のAntagen.seに掲示されます。
結果の前に自分の点数がそこで見られるのでかなりドキドキしました。
まず結果が分かる数日前にそのページに、
自分のメリットポイントが「○○点です。」
と掲示され、その数日後に受かったかどうかが掲示されます。

”ANTAGEN”

(落ちたらStruken)

の文字を見てほっとして脱力しました。

最初は選抜基準が厳しくなり、落ち込みましたが
結果的に公正に選んでもらえたので良かったと今は思います。

これでやっとカロリンスカのKUTに通えることになりました!

スウェーデンで歯医者になる方法④ Kompletterande utbildning 筆記試験

スウェーデンで歯科医師免許をとる方法の2つ目として、
大学のコースに通う方法があります。

Kompletterande Utbildning för Tandläkare (歯科医師のための補完コース、通称KUT) といって、2010年に開設されたEU圏以外で教育を受けた歯科医師のためのコースです。現在はカロリンスカ大学、ヨーテボリ大学で開講されており、2018年からはマルメ大学でも開講が予定されています。

年々受験者が増加し、今年は定員16名に対して130人ほどの応募があったようです。

では、どうやってその16人を決めるのでしょう。

詳しく説明をする前に、まずはスウェーデンの受験について少しお話します。
スウェーデンでは大学や何らかのコースに入る際にAntagning.seという進学を管理するサイト(受験サイト)に登録します。
Antagning.seで自分の入りたいコースを選択し、応募します。
そのサイトには自分のプロフィールページがあり、そこにコースの受験に必要な資料をアップロードします。
その後それぞれの大学やコースの基準で応募者にMeritvärde(メリットポイント)がつけられ、点数が高い順にAntagen(英語でadmit=入学が許可)されます。
ある大学は高校の成績をもとにポイントがつけられたり、論文を書いたり面接を受けてポイントがつけられるところもあります。

KUTの場合、
2016年までは、応募用紙に情報(卒業した大学、受けた教育、スウェーデン語の証明、英語の実力、スウェーデンでの歯科医療施設での労働経験の有無、自己アピール等)を書き込み提出、大学側がそれぞれにメリットポイントを付けて点数が高いもの40名ほどを面接に呼び、16人に絞っていたようですが
その方法では正しい人材を選べず2016年のカロリンスカの受講者は言語、知識ともに基準に達していない者が入学してしまったとのことで2017年からは選抜基準が変わりました。

今年もこれまで同様に応募時に応募用紙を記載し提出しましたが、自己アピールの欄が削除されました。応募時に必須になるのはスウェーデン語3かC1まで終わっていること(来年からはC1は認められなくなります)、母国で歯科医師として1年以上働いていること(これは不確かです。なぜなら歯科医師として働いた経験がない者が多数受験していたので)、母国で歯科医師免許を有していることです。
その他に教育の内容、英語の実力、専門医かどうか、大学院を卒業しているか、スウェーデン国内の歯科医院で働いたことがあるかを記載する欄もあり、それらの項目は面接時に質問されメリットポイントになります。

まずAntagning.seからカロリンスカのKUTに応募し、受験資格があるもの全員が大学に呼ばれ筆記試験を受けました。
私はカロリンスカを第一希望、ヨーテボリを第二希望にしたのですが、第一希望の場所で筆記試験を受けることになります。
その試験結果が良かった順に35~40人が選ばれ次のステップに進むことができます。

試験の内容はマルチプルチョイスで、国家試験よりも簡単な内容になっていました。国家試験と同じ内容も数問ありました。現に二次試験に進んだ38人のほとんどが国家試験を受けていた人でした。
同じ日に筆記試験のほかに『患者症例』もありました。
この患者症例は、二次試験に進むためには関係ないのですが
二次試験でメリットポイントを付けるうえでポイントになります。
患者さんの口腔内写真とレントゲンだけが用意されており、
1,この状態で患者さんが訴えているであろう症状
2,各歯の診断
3,治療計画
を書きました。

患者の主訴やプロービング値などもなにもなくただ写真だけだったのでとてもやりにくかったです。

結果はメールで知らされます。
メールで、「二次試験の案内」がくるか「残念ながら二次試験にはすすめません」がくるかかなり緊張して待ちました。

無事二次試験に進めましたが、次の難関が待っていました。

今まで、これからのながれ

2012年に都内の歯学部卒業
2012~2013年 卒業した大学歯科病院で研修医として働く
2013年~2015年 一般開業医でバイトをしながら某歯科病院の歯内療法科で働く

2016年2月13日にスウェーデンはストックホルムに移住。

2月税務署にPersonnummer(パショーンヌンメル)の申請。(スウェーデンではPersonnummerというパーソナルナンバーが住むための必需品です。このナンバーでスウェーデンの住民は管理されています。)
Personnummer取得後、ID申請。取得。

Personnummer取得後、語学学校に申請。
4月より語学学校開始。

通常は自分の住むエリアの語学学校SFI(移民のためのスウェーデン語学校)に通うことになりますが、母国で医療系免許を持つ人はSFA-medicinという医療専門の語学学校に通うことができます。SFAはSödertälje(セーデルテリエ)というストックホルムの南のほうの町と、Köping(シャーピン)という場所に2か所あります。

ストックホルムからはセーデルテリエのほうが近いので私はそちらの語学学校に通いました。クラスメイトは医者、歯医者、看護師、薬剤師、理学療法士でした。

そのほかにも医療用のKorta vägenというインテンシブな語学学校もあります。
どちらも一般的なスウェーデン語に加えて職業スウェーデン語という科目があり、医療系のスウェーデン語を教えてくれます。

0から始めると1年半かかりますが、
私は日本でB1というレベルまで取っていたので、SASという高校レベルのスウェーデン語から勉強を開始することができました。

12月にSFA-medicinを卒業。

1月後半よりFolktandvården(フォルクタンドヴォーデン) (公立歯科、以下FTV) にて歯科助手(アシスタント)として研修開始。
毎日研修しながらKunskapsprov (国家試験) の勉強開始

3月22日にKunskapsprov受験。合格

5月9日にKIのKompletterande utbildning (歯科補完コース、通称KUT) の1次試験受験。合格。

6月1日KUTの二次試験 (面接、実技)受験、KUT合格

6月8日Kunskapsprovの実技試験受験。合格

7月2日でFTVでの研修終了。
7月10日からはチーム雇用としてFTVで歯科助手として働く。

8月より始まるKUTを受講予定。

2018年6月KUT卒業、歯科医師免許取得予定。