スウェーデンの受験と歯科大事情・・・②

前回の続きで、今回はスウェーデンの歯科大学に入る方法を書いていこうと思います。

① Umeå Universitet ウメオ大学

ウメオ大学の歯学部では
67%の学生がBtygurval(成績での選抜)
33%の学生がHP(大学テスト)
にて選抜されます。

ウメオ大学は春学期から始まりますが、2016年の春は

応募人数1072人(女性674人 男性352人)
席が72席。

席は72ですが、だいたい数人が大学を辞めるので
大学側は本来の席よりも多めに選抜します。
おそらく80人ほどが入学したと予想されます。
結構な倍率です。
つまり約54人の学生がBtygurval(成績での選抜)
約26人の学生がHP(大学テスト)で選ばれたと考えられます。

成績選抜は19.8、HPでは1.45以上のポイントを持っている人が選抜されたようです。

② Göteborgs Universitet ヨーテボリ大学

ヨーテボリ大学歯学部もウメオ大学と同様、成績とHPのみで学生を選抜します。
ヨーテボリは春学期と秋学期から始まる学生がおり、全体で93席のようです。
春、秋でそれぞれ何人入学したかの情報が見つけられなかったのですが単純に半分ずつと考えると約50席くらいだと予想されます。

66%(約33人)の学生が成績選抜
34%(約17人)の学生がHPにより選抜されます。

2017年春学期の応募者は
1690人(女性1092人 男性532人)で、約50人ほどが選ばれたと考えられます。
成績選抜は21.5、HPが1.6以上の人が選抜されたようです。

③ Karolinska Institutet   カロリンスカ大学

カロリンスカは少し特殊で、独自の選抜方法に重きを置いているようです。
25%が成績
25%がHP
50%がAlternativurval(大学独自の選抜方法)
で選ばれます。

大学独自の選抜方法はAlternativt urval till tandläkarprogrammet (TAPIL)
と呼ばれています。

Step1
まず応募者で受験資格があるものが呼ばれ
・自分の人生について 30分(おそらく自己PR的なもの)
・小論文 60分
を書きます。

Step2
110人~130人が選ばれ2回の面接を行います。
ステップ1で書いた自己PRをもとに質問され、モチベーション、キャパシティ、コミュニケーション力、性格について評価されます。

50人ほどが選ばれます。
(本来は90席なのですが、やめる人が出てくるので毎年100人ほどを取るようです。)

カロリンスカは秋学期から始まります。
2017年の選抜は
2202人(女性約1400人 男性700人)が応募したようです。そして102人選抜されました。

ということは、
成績とHPで約25人ずつ選ばれ
TAPILで約51人が選ばれたと予想されます。

ちなみに成績選抜は22.40! (22,5が最高点です) HPは1.6以上の人が合格したようです。

④ Malmö Högskola マルメ大学

マルメ大学もカロリンスカと同様、大学独自の選抜方法を採用しています。
席が61で、少し多め(70人)にとると考えると、
1/3が成績選抜(約23人)
1/3がHP(約23人)
1/3がAlternativurval(約23人)です。

Alternativurvalは、

Step1
IQテスト?
問題解決など。 2時間

Step2
1の参加者の25%が選抜される
歯の形を見本を見て削るテスト(おそらく石膏棒を削るようなテストでしょう)(入学前なのに!)

Step3
面接1
最終面接に呼ばれる2.5倍の人数が選ばれる

Step4
最終面接

約23人

何段階もテストがある上に、歯の形を入学前から削るとはかなり
厳しいですね。

マルメ大学も秋学期から始まります。

2017年の応募者は1797人(女性1156人、男性586人)
だったようです。

成績は21.6以上、HPは1.55以上の人が選抜されているようです。

さて、お気づきかもしれませんが
女子の応募人数が男子の2倍!
歯学部や医学部は今女性に人気です。
私の職場で働く学生に聞いても、クラスは女性がかなり多いとのことです。
卒業式の写真を見せてもらいましたが男性は1/3くらい。
学年にもよるようですが女性が多いのは変わりないようです。

医学部は歯学部よりも差はないですが女性が多いようです。

男性は何学部を選ぶのかというと
だいたいIT系や経済を専攻する人が多いみたいです。
ITのコースなどは医療系とは真逆で応募者が男性が女性の2倍という感じになっていました。

高校のころに自分の興味でコースや科目をとれるので
だいたい勉強のできる女の子は生物などが好きで医者、歯医者を選択し、
男の子は数学や物理が好きで、そうなるとITに行く。
さらに経済系の職業はお給料が高いのでそちらにいく・・・という予想を立ててみました。

しかし今は大量の中東難民がスウェーデンに来ており、(語学学校も、KUTもシリア人ばかりです。)特に高学歴難民と呼ばれる人も多いです。
中東は男性の歯科医師が多いので、今後、スウェーデンで生まれた女性の歯科医師と移民の男性歯科医師が増えていくことでしょう。

大学を卒業してからも、まずは女子は国民歯科で働き
男子はプライベートで働く人が多いと聞きました。
国民歯科は安定しているし、育休もきちんととれるようなので女子に人気で、
プライベートは外科やインプラントなどがあるしお給料もいいので男子がいく、そんな図式のようです。

上の応募人数を見てみると、カロリンスカが人気なように見えますが、
それはストックホルムにあるからという理由が大きく関係しているのではないでしょうか。
しかしネットで歯学部を受けたい学生の声を見てみると
カロリンスカは人気がないようでした。
その1番の理由は、他の3大学と違いカロリンスカを卒業しても
Yrkesexamen(専門職学位)しかとれず、
Akademisk examen (マスター・修士)が取れないようなのです。

マルメ、ウメオ、ヨーテボリは卒業するとマスターがもらえるようなので、将来外国で勉強したかったりするとカロリンスカ以外がいい!となるようです。

日本は歯科大を出ると修士がもらえます。

なぜ、カロリンスカだけがこのようになっているかというと、
イギリスとドイツのシステムに従っているからのようです。
イギリスとドイツも歯科大を卒業すると専門職学位のみがとれるようです。

また、TAPILの選抜システムが嫌だ!と書いている人もいました。

どちらが本音かはわかりませんが、選抜システムが嫌・・・というのが本音のような気もします。そちらのほうがスウェーデン人らしいです。

ウメオ・ヨーテボリもなかなかいい教育なようですが、
中でもマルメはPBL( Problem based larning)を取り入れた授業がうりのようです。

実は2009年にマルメ大学に行った際に、PBLの授業に参加したことがあります。
グループワークで、1つのテーマが与えられ、そこから派生して問題を考えていくような感じでした。
その時はとても感動しましたが、語学学校でグループワークをやらされてから
「これは完全にグループに左右される・・・」と思いました。
確かにマルメの授業の時も、だらけている人がいたような気がします。
やる気のあるグループだったらいいですが最悪なメンバーに囲まれたら、まったく勉強できなくなるのではないでしょうか。

若者は講義が嫌いなのでPBLのやり方に魅力を感じるかもしれませんが、
今の私は善し悪しだな・・・と思うようになりました。

私が学生だったら・・・ウメオあたりがいいかなと思います。
今の職場のウメオ大学を卒業した先生が優秀なのと、プログラムがいいという声が上がっていたからです。そして北なので環境もよさそうだし、オーロラも見えたりするようなので・・・

私は8月からカロリンスカの学生になりますが、どうなることでしょう!
今回は大学の事情を調べてみましたが、私もとても勉強になりました。

Author: Y

2012年に都内歯科大を卒業。 その後しばらく働き、 2016年2月にストックホルムに移住。 スウェーデンの歯科に興味を持ったのは大学3年生のカリオロジーの授業のとき。 スウェーデンの歯科の実態が知りたい!

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