現状・・・

毎日やることが多くへとへとになりながら過ごしています。
やっと週末です!

私たちKUTの担当の先生は、ものすごく頼りがいのある女性の先生で
いつも面白おかしく面倒を見てくれています。

実は親友の結婚式で日本に帰るのですが、行くかどうか悩んでいた時に
『絶対行きなさい!休んだ分の授業は私たちがなんとかするから!行かないと一生後悔するわよ!!』と背中を押してくれ、
行くと決心してメールを送ったら『楽しみね!帰ってきたら私たちがサポートするから心配しないで親友の晴れの日を祝ってきなさい!』となんとも頼もしい返事がきました。

そんな彼女が今日授業をしていろいろ歯科の現状を話してくれたのですが
私が働いていた国民歯科。
実はストックホルムの国民歯科は株式会社なんです。
説明しにくいのですが、県が最終的な権限を持ってはいるけれど、フォルクタンドヴォーデン株式会社に運営されているようです。
2000年までは国に運営されていたのですが、今では株式会社なので
運営するためにお金を稼がなければいけなくなってしまいました。
なので、1時間にいくら稼がなければいけないという決まりがあります。

日本で大学で働いていた時、もちろんお金は稼がなければいけないのですが
無駄遣いしなければ良い材料を使えるし、新しい材料も試せたし、時間をかけて患者さんを治療できるし、自分が満足できるまで患者さんに向き合えていました。

開業医の先生たちは、自分の医院を運営しなければならないし治療が相当安い日本では自分の医院を守るために、患者さんを多く入れ
泣く泣く少し治療時間を短縮したり、なんとか節約したりしなければならないこともあると思います。

なので、大学はそれほど経営のことを考えなくてよく、私のような新人が働くのに最高な場所でした。

スウェーデンも治療が高いし、ましてや『国民歯科』で公共なのだから少しは余裕があるのかと思っていました。

しかし・・・
働いたことがある人なら皆さん思うと思うのですが
国民歯科、お金に相当厳しいです。

ボスに稼いだお金のリストを見せられて、点数の取り方を細かくチェックされたり
やった分の点数はすべて取る(これは当たり前ですけど)、取れそうな点数はなるべくとる、と言われたり
そしてなにより、国民歯科が提供している歯科保険のセールスをするように相当口を酸っぱくして指導されます。

この保険はリスク1から10まで分かれており、リスクに応じて支払う金額が違うのですが、歯科の病気が現在ない(治療が終わっている)患者さんしかはいれません。
この保険料が運営の足しにされています。
毎週のミーティングで、保険の売上表を見せられてほかのクリニックと比較されたりします。

この保険についても後で説明したいと思っています。
賛否両論のシステムですが、私はあまりいいとは思えません。

とにかくお金を稼ぐこと、患者さんを回すことを考えなければいけないのはどの国でも同じようです。

さらに小児。
子供の治療のお金は国が支払っているらしいのですが、予算がどんどん減っているとのこと。なので、妥協的な治療をすることが増えてきたんだとか・・・
そこでずーーーーーっと疑問に思っていたことを今日、先生に聞いてみました。

スウェーデンは乳歯にエンドをしないので、エンドが必要な歯は抜歯します。
なので、5歳ぐらいでEが抜かれる子供も結構います。
日本では、乳歯を早期に喪失してしまったら永久歯が変な位置に生えないようにスペースを確保するように保隙装置を使っていました。
ここでは抜きっぱなしです。
クラスメイトと、抜きっぱなしで保隙しないでいいのかな・・・
そういうエビデンスがあるのかな・・・
と話していたのですが、答えは
『お金がないからやらないのよ。』とのこと。
私たちが
『え・・・お金だけの問題なんですか・・・?』
と聞くと、そう、とのこと。

医療がお金に支配されるのって、よくないですよね。

もちろん、開業されている先生方は運営のために稼ぐことを考えなければいけないし私のような経験の浅い歯科医師は世間知らずでそういうことが言えるのかもしれません。
ただ、お金のせいで患者さんに明らかに不利になることを見過ごすというのは
そもそも医療をしていることにならないんじゃないかと思ってしまいます。
しかも、スウェーデンで一番大きい国民歯科がお金のせいで100%の治療ができないなんて悲しすぎます。将来の問題をより大きくしているなんて間違っていると思います。

日本の保険制度を問題視する声もありますし、確かに安すぎるとは思いますが
治療費が高くなったって結局お金に支配されるのは変わらないみたいです。

スペースをお金のせいで確保できなくて、将来的にもっと問題が大きくなって矯正治療が必要になったらそれを払うのも国なのに・・・

県によってはいまだに県に運営されている国民歯科もあるようですし、
田舎のほうはまだきちんとした指導もあり余裕もあり、よりちゃんとした医療を提供できそうなので
KUTが終わった後に田舎に引っ越して少し働きたいという気持ちが強くなっています。
専門医にも、田舎のほうがなりやすいし、扱いも待遇もいいとのことです。

ただ、簡単には引っ越せないんですけどね・・・

でもストレスを抱えながらストックホルムで仕事をするなら、田舎で期間を決めてしっかり自分の理想に近い形で働くほうがいいのではないかと思っています。

悩みます・・・

将来どうなることやら・・・

Author: Y

2012年に都内歯科大を卒業。 その後しばらく働き、 2016年2月にストックホルムに移住。 スウェーデンの歯科に興味を持ったのは大学3年生のカリオロジーの授業のとき。 スウェーデンの歯科の実態が知りたい!

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