スウェーデンの歯科鎮静

仕事にもだいぶ慣れてきて、毎日なんとか楽しく過ごしています。
できないことが多く焦ることもありますが、模索しながらこなしています。
エンドのケースを任されることが多くなり、マイクロでエンドをするようになりました!楽しいのですが、こちらは難易度が高いケースが多いと感じています。
また、アマルガムの入った歯に亀裂が入りPul, Perになってエンドや抜歯のケースがとても多いです。
破折した歯の抜歯がかなり多いのですが、みんな根が長く湾曲しており、骨が固いので抜歯がとても難しいです。
そして、下顎の臼歯部は浸麻がほとんど効かず、普通のC処ですら伝麻が必要になることに驚いています。

さて、先日歯科鎮静のコースに参加してきたので少し紹介したいと思います。

スウェーデンの一般歯科において用いられる鎮静は、経口もしくは経腸のミダゾラムです(笑気もOKですが、もっているクリニックが少ないそうです)!とてもシンプルです。ミダゾラム、10mg以下、1歳以上の人に使用できます。
子供は体重によりミダゾラムの量が決められます。ジュースに混ぜて治療の前に飲んでもらい、15分から20分たったら治療を始めます。効果は飲み始めてから1時間ほどなので、治療後はクリニックにある休憩室で休んでもらい帰ってもらいます。
日本ではどのような鎮静を使用するかうろ覚えなのですが、他の先生方に教えてもらったところによるとミダゾラムの静脈鎮静、とのことでした。
こちらでは歯科医師は静脈鎮静を行うことはできません。もちろんですが、全身麻酔もかけられません。
麻酔医師が常勤している病院歯科では、静脈鎮静や10mgより多いミダゾラム、そして全身麻酔で歯科治療を受けることができます。
病院歯科があるダンデリード病院では、年に約900件の全身麻酔治療が行われているとのことです。

なぜ一般歯科で扱えるミダゾラムが10mg以下かというと、10mgのミダゾラムでオーバードーズが起こる割合が1%以下だからだそうです。
そして15分から20分後で、85%の人がちょうどいい鎮静状態に陥ります。70から80%の人に健忘効果が現れ、20から30%の人ではマイルドな記憶として治療中のことを覚えているそうです。
但し、耐性ができだんだんと効果が薄れていくそうなので、連続での鎮静は4回までにとどめそのあとはしばらく期間をあけなければいけません。

ジアゼパムも稀に使用されるそうですが、効果が長くそしてマイルドなので、治療は受けられるけれど心配で夜寝られなくなってしまう人等に事前に処方することもあるようです。
ジアゼパムを常用している方に対しては、ミダゾラムを診療前に飲んでもらいます。

ミダゾラムは苦く、子供では飲んでいる途中に吐き出してしまうこともあるようです。その場合は子供がどれくらい飲んだのかわからず、追加で飲ませることもできないので(オーバードーズになる可能性があるため)その場で中断し、日を改めて経腸で摂取してもらいます。

これから鎮静のケースを集めなければいけないので、治療が怖くてできない患者さんがいたら使用したいと思います。

つい先日、初めてOrtvisningといって矯正の専門医がクリニックに来て、無料で矯正治療を受けられるかを判断していく日に参加したので、その時の様子もブログに書けたらと思っています。

Author: Y

2012年に都内歯科大を卒業。 その後しばらく働き、 2016年2月にストックホルムに移住。 スウェーデンの歯科に興味を持ったのは大学3年生のカリオロジーの授業のとき。 スウェーデンの歯科の実態が知りたい!

1 thought on “スウェーデンの歯科鎮静”

  1. はじめまして。スウェーデンの歯科事情が知りたく、以前より時々お邪魔させていただいていました。Yさんにお伺いしたいことがあるのですが、もし可能であれば、直接ご連絡させていたけないかと思い、コメントをさせていただきました。お忙しいかと思いますので、お時間のある時で全然構いませんが、ご連絡先を教えて頂けたら嬉しいです。どうぞよろしくお願い致します。

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