おばあちゃんのこと。

今回は、歯科にはあまり関係ない内容ですが
書き記したいことがありましたのでブログを書こうと思います。

『スウェーデンは寝たきりがゼロ』や『高齢者のケアがしっかりしている』
という話は有名で、よく日本のメディアでも取り上げられたりするのを見ます。
口腔内が亡くなるまできちんと保たれているなんていう話も聞くし、健康寿命と平均寿命の差がほとんどないと言われています。
福祉がしっかりしていてゆりかごから墓場まできちんとサポートしてくれるなんてイメージがついていると思います。

私は、これには賛同できません。
何故なら、私の夫のおばあちゃんが寝たきり生活を経て先日亡くなったからです。

今回は、私が見たおばあちゃんの状態の変化・スウェーデンの老人ホームについて、そしておばあちゃんの思い出をつづりたいと思います。
(私と家族が経験したことですので、必ずしもスウェーデン全体がそうではないということを前提にお読みください。)

私がおばあちゃんに出会ったのは2010年。2009年におじいちゃんが亡くなり1人暮らしが始まったばかりでした。
83歳で、すごく元気でした。スウェーデン語が話せない私に英語でいろいろ教えてくれ、白いきれいな髪の毛と真っ青な透き通った目がとても美しかったのを覚えています。若いころの写真を自慢げに見せてくれて、真っ黒な髪の毛と青い目で人気者だったことや、英語の先生をやっていたこと、ステノグラフィもできドイツ語も話せたこと。イギリス留学が決まっていたのにおじいちゃんと出会ってしまい留学を諦めて若くして結婚したことを語ってくれました。
日本で2013年前半に挙げた私たちの結婚式は、体が不自由になりかけていたので断念したのですが、いつも行きたかったと言ってくれたし写真を飾っていてくれました。

2013年後半ごろから発言や行動が変化し始め、料理や掃除ができなくなってしまったのでHemtjänst(訪問サービス)を頼んだのですが、そのサービスの方はスウェーデン語があまり話せずコミュニケーションが取れず、スーパーで買ったお弁当的なものを温めてくれ、掃除をしてくれて帰っていったそうです。
それでもおばあちゃんはその人が来るのを楽しみにしていたそうです。
2014年ごろから徘徊行動が見られるようになり、ついに老人ホームに移ることになりました。ただ、コミューン運営の老人ホームが満室のためそこが空くまでプライベートの老人ホームで暮らすことになりました。

そこは本当にひどくて、
・介護士がスウェーデン語でコミュニケーションが取れない
・介護士が宗教上の理由で女性に触れない。入居者の家族とも握手できない。目を合わせない
・介護士が入居者と一緒にソファーに座ってケータイをいじっている
・入居者は車いすにずーーーっと座ったままぼーっとテレビを見ている

こんな感じだったので、おばあちゃんは一気に刺激がなくなってしまい急激に認知症が進みました。
さらに、おばあちゃんが転んでけがをした際もすぐに親族に連絡がいかず、病院に運ばれホームに帰ってきて、義理の母がけがをしているおばあちゃんに気づき介護士に尋ねてやっとけがをして病院に運ばれたということを知ったそうです。
さすがにひどいので義母はIVOに通報しました。(そしておばあちゃんが亡くなる1週間前にやっとIVOから返事がきました。2年以上・・・)
2016年初旬、やっとコミューンの老人ホームが空いたので引っ越し。
コミューンの老人ホームは大きくてきれいで職員さんたちもみんなフレンドリーでスウェーデン語が話せる人たちでした。アクティビティやイベントも少しあったようですし、友達もできたとかで少しずつ元気を取り戻しました。ただ、一つ心配だったのがおばあちゃんが食事をする際にずっとゴロゴロ言っており飲み込むのにすごく時間がかかっており嚥下機能の低下がかなり疑われました。でも、ストックホルムでは摂食嚥下という科目がありません。嚥下の評価やトレーニングなどは一切行われていなかったようです。

少し元気を取り戻したおばあちゃんを見てみんなが安心していたのもつかの間、おばあちゃんは転倒して大腿骨を骨折してしまいました。手術をし戻ってきたのですがリハビリは思うように進まず(介護現場はストックホルムでもものすごく人手不足で、リハビリをする時間はあまりとれていないようだと義母が言っていました)どんどん歩けなくなり、ご飯も食べられなくなっていきました。そして去年再び骨折。人手がないから1人1人をサポートするのは無理だし、これ以上リハビリをしたり歩かせるのは危険ということでそこからは完全に寝たきりになりました(日中ベッドで過ごしていたようです)。ケアやリハビリは行われず嚥下機能がどんどん弱っていくのが目に見えてわかりました。
口腔ケアも十分行き届いておらず、亡くなる直前はインプラントブリッジの上部構造が取れインプラントも抜け落ちカリエスや歯肉、衛生状態も悲しくなるような状態でした。何で私が何かできなかったのかと後悔しました。誤嚥性肺炎になっていたかもしれません。何も検査をしないので何もわかりませんが。
そして、そのままどんどん弱っていき、つい先日突然気絶。義母が訪ねた時には、ちょっと気絶してしまっただけで理由はわからないといわれ、その次の日にホームからいきなり義母に『もう最期の時です』と連絡が来ました。そしてそれから2日後に亡くなりました。

ここのホームでは、延命治療をしないのが当たり前で、危篤状態になってからは『もう最期の時です。静かに命が終わるのを待ちましょう』と言われ
水も栄養も薬も症状緩和のもの以外は一切中止し、静かにおばあちゃんが息を引き取るのを待ちました。人の自然な人生の終わり方を見た気がしました。
延命しないのは良い選択なのかもしれないと思いました。
義母は、のどが渇いているかもしれないから水くらいはあげられないのかと言っていましたが看護師さんが、もう水は体が受け入れません。そのまま何も与えずに死を待ちましょう。と言いました。
看護師さんが何度も何度も『彼女のvälbefinnande(Well being、幸福な状態)を尊重して・・・』とつぶやいていましたが、それがなんだかむなしく聞こえました。彼女に一体何がわかるのだろう、と思ってしまいました。
延命治療をしない、という観点から言えば寝たきりで延命されている状態はほぼないとはいえると思います。(しかし、おばあちゃんの施設と家族の職場の状況しかわからないのでスウェーデン全体がどうなっているのかはわかりません。)
生命が静かに閉じていき、体の機能がだんだん停止していくのを感じました。
点滴などにつながれて延命するよりも良かったのかなとは思いましたが、この状態になるまでになにかできたんじゃないか、と後悔しました。
私は、これが自分の家族に起こったときにすんなり受け入れられるかわかりません。私だって延命はしてほしくないけれど、そうなる前に止められるならリハビリやトレーニングをして友達と歌ったりアクティビティをやって楽しんでできるだけのことをしてから最後の時を迎えたいです。
ここの老人ホームのように、毎日平たんに過ごし、機能を回復する訓練などもなく、弱ったら最後の時が来るのを静かに受け入れる・・・というのはどうしても・・・。
嚥下訓練は、もちろん状態にもよるけれど
おばあちゃんの場合は食欲もあったし食べるの好きだったし、少しは改善につながったかもしれません。
口腔ケアをもっとしていれば、なにかが改善されたかもしれません。
私がこちらで高齢者歯科の授業を受けた時、嚥下についてはどうか。訓練や検査はするのかと尋ねたら『嚥下機能?なにそれ』みたいな感じで答えられたのでこっちは摂食嚥下機能学というのはあまり考えられていないのかもしれません。
口腔ケアだって、インプラントのブリッジが取れてむき出しになったインプラントが歯肉から突き出ていたのに誰もおばちゃんを歯医者に予約してくれず、義母が訪ねたら『ご自分で歯医者を予約してください』と言われたそうです。
(授業では、施設が歯科医院に連絡をとり病院歯科に連れて行ってくれるか、歯科スタッフが必要に応じてきてくれると言っていました。さらに、衛生士さんがかなりお世話をしていると習いました。しかも、今度歯科実習と称して大学でおばあちゃんが住んでいた施設に見学に行きます。おばあちゃんが十分な口腔ケアを受けていなかったのを知っているので怒りがわきました。)
そういえばなくなる2日前に衛生士さんが来てくれました、とスタッフが言っていたけど来て何をしたのだろう。口腔内はなにも改善されていなかったです。

歯がたくさん残っているから長生きできる?
本当にそうですか?
歯がたくさん残っていたりインプラントがたくさんある口腔内のほうが、ケアができなくなった時に大変ではないですか?
今、ここでは歯がたくさん残っているから起こる問題に悩まされているように感じます。

実は私の家族には介護士をしている子がいます。
彼女はいつも現状を教えてくれますが、私はここで最期の時を迎えたくありません。
認知になって母国語しか話せなくなったり、誰も身寄りがなく1人で亡くなる方、末期がんの最期、入居者の歯磨きがちゃんとできないこと、そんな話や愚痴をたくさん教えてくれます。もちろんそういう経験をしていない方もたくさんいるとは思いますしスウェーデンで働く介護士の方たちも必死に働いてくれているのは理解しています。とんでもない人手不足に陥っているのも十分知っています。
でも私が見たこと、家族が教えてくれたことを聞くととてもじゃないけどここの高齢者ケアが日本よりも特に進んでいるとは思えません。
大学で先生が良く言っているFriska blir friskare, sjuka blir sjukare(健康な人はより健康に、病気の人はより病気に)というのは本当にそうで、ここは健康な人にはいい社会だけど病気になると歯止めが利かないというイメージです。そしてあきらめも早い。

実は私の祖母は夫のおばあちゃんと同い年、同じ認知症を抱えています。しかし、私の祖母はデイケアに通いはじめ、認知はもちろんよくなりませんが今も状態を保っており元気です。楽しんでアクティビティや嚥下体操などをやっているようだしスタッフさんが施設での様子も事細かにノートに書いてくれます。運がよかったのは十分承知の上ですが。
そんな同い年で、状況が似ていた2人のあまりの違いに、よりショックを感じているのかもしれません。

もう後悔したってしょうがないことなんてわかっていますが、それでもおばあちゃんが少しでも元気になるために何かできたのではないかと思ってしまいます。
おばあちゃんがどんどん弱っていくのを諦めて自然に任せるのも1つかもしれませんが、うちの祖母みたいに毎日アクティビティをやり歌ってご飯を食べられるように楽しく訓練してなるべく元気でいられる状態を保つことだって選択にあってもいいのにと思っています。少なくとも、義母はそれを望んでいました。いつも『人手不足なのはわかるけど、もう少しなんとかならないのか・・・』と言っていました。

介護・そして医療にかかわる人材が増えて、スウェーデンが本当に平均寿命=健康寿命になるように高齢者のケアがもっと進むように心から願います。
日本から、摂食嚥下の先生に来てもらいスウェーデン知識を広めていただきたいと思いました。

最後に歯科新聞の記事を紹介して終わりにします。
リンクはコチラ(スウェーデン語です)
タイトルは
“Katastrofal tandhälsa hos äldre på sjukhem”
施設に住む高齢者の歯の健康の大惨事

スウェーデンで行われた21000人の施設に住む高齢者を8年間追った研究によると、5人に一人が無歯顎、歯がある人においては3人に2人はカリエスがあります。平均で1人5歯で、それは入居者すべての歯の23%です。
これは歯の健康の観点から許容できない数字であるというだけでない、と研究者は言います。このような患者さんのグループにおいては歯の状態が悪いと栄養摂取や全身の健康、健康に関する生活の質が悪化すると示されているからです。さらに、歯科医療従事者による口腔衛生ケアは歯肉炎を減らし口腔衛生を改善し、このような患者グループの死因の多くである医療・介護関連肺炎を減らすことができるということが示されています。
~中略~
研究者によると、歯科医療はこのような高齢の患者さんたちにより焦点を当て、患者さんたちの最期の時の口腔健康関連のQOLを向上させなければならない、ということです。

もう1つ、コチラです。
Tandvårdspersonal i äldreomsorgen kan rädda liv
高齢者福祉において歯科医療従事者が命を救える

これはまとめだけ紹介します。

スウェーデンのメタ分析において、病院や施設における歯科医療従事者による歯科医療の提供は、患者さんが肺炎で亡くなるリスクを減らせる ということが示された。しかし、看護師による歯科医療の提供ではリスクは減らないということも示された。

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つまり、歯科医療従事者は歯科医療を高齢者に提供することの大切さが示されたということです。
人生の最後においては、たかが歯・・・となるかもしれませんが
それでも私はおばあちゃんのいい治療がたくさんされた口腔内をなるべくきれいに保てたらよかったのに・・・と思いました。

私にできることは少ないかもしれませんが、歯科医療従事者としてこれから少しでも高齢者施設の入居者の口腔衛生状態の改善に何か貢献できればいいなと思います。
スウェーデンに住む人たちはどんどん残存歯が増えインプラントも多く埋入されています。その口腔内をケアする方法を考えていかなければいけない、と強く思いました。

追記
スウェーデン在住のアンダーナースの方のブログがスウェーデンの介護の現状を伝えてくれていますので紹介させていただきます!
KOKEMOMO sweden
スウェーデンの老人ホームで働くということ
スウェーデンの老人ホームで働くということ/その2
スウェーデンの老人ホームで働くということ/その3

スウェーデンの歯科・日本の歯科、行くならどっち?

お久しぶりです!そして皆様、あけましておめでとうございます。
全く更新しないまま2018年が始まってしまいました。

前回の更新から、クリスマスがありそして新年を迎えました。
クリスマスは家族で祝い、毎年恒例のクリスマスビュッフェをいただきました。クリスマスプレゼントを1人につき3,4個買うので完全に金欠です。

新年早々2つテストがあったので全く気が休まりませんでしたがそれも昨日で終わり、来週からはいよいよ2学期(最終学期)です。
形成のテストが年末にあり、それがとんでもなく難しかったです。
3時間弱で2歯クラウン形成・4本CR/CRアンレー窩洞形成・その後充填を行った上に形成をデジタル印象でチェックされました。
紙でレントゲンをもらって、どの歯を形成するかも決めなければいけなかったのでなかなかストレスでした。レントゲンの質が悪くて何も見えなかったからです・・・

とりあえずそれも無事に合格したのでほっとしています。来学期からはバリバリ患者さんを診るようなので少し緊張しています。学生が難しくて見られないケースが全部私たちにまわってくるとのこと・・・大丈夫なんでしょうか。とりあえず急患の患者さんは問題なく診ることができているので、落ち着いて頑張ります!

それから、つい先日に私が2009年初めてスウェーデンに旅をしたときに初めてお会いした歯科医師の先生にストックホルムでお会いしました。
私の日々たまった愚痴を聞いていただき、さらにはスウェーデンの歯科治療や将来のことについて語って、本当に素敵な時間を過ごしました。笑いすぎて元気が出ました。本当にたまにしかお会いするができないのですが、そういう素敵な先生方と繋がっていられるのは本当に嬉しいことです。

さてさて、今回はフッ素の使い方を書こうと思ったのですが
北欧在住の方たちが歯科難民になりかけているのを目にして、個人的に日本の歯科医院とスウェーデンの歯科医院、どちらがいいのかを比較してみたいと思います!

長いので覚悟をお願いします!!笑

スウェーデンに住んでいて、虫歯になってしまった!歯が欠けてしまった!という人はどうしていますか?
とりあえずここで応急処置だけしてもらい日本に帰るまで待ちますか?
それともFTV(公共の歯科)に行きますか?
それとも民間の歯科?
また、問題がない方でも定期健診は行きたい!という方。
日本に一時帰国されるときに歯科医院に行きますか?それともスウェーデンで行いますか?

どちらが良いと思うのかはおそらく個人の好みがあると思うのですがまずは私が思う長所・短所を書いていきたいと思います。

1、スウェーデンの歯科の長所

・大学の教育の質は高い
大学在学中から患者さんをきちんと診ているので技術も割とあります。実習もたくさんあるし、虫歯も無駄に削らないように習います。予防の授業もしっかりしており、予防やリスク判定の知識は豊富。学生を見ていてもしっかりしている人が多いイメージ。(もちろん学生によります)

・ガイドラインがしっかりしている
Socialstyrelsenの歯科治療ガイドラインがきちんとしており、すべてがエビデンスに基づいています。学生もこれに基づいて習うので、日本の大学のように、大学によっての手技の差はそれほどない気がします。FTVではとんでもない治療や新しい謎の材料をたくさん使うようなことはあまりないです。

・基本に忠実
基本的な歯周病・虫歯・かぶせ物の治療は得意。しっかりしています。基本に忠実です。そして、スウェーデンで大学を卒業した歯科医師はほとんどが一定の質を保った治療をしてくれると思います。

・子供への対応は得意 (FTV)
子供への対応もすごく丁寧に習うので、歯医者さんは子供たちにきちんと手順を見せてくれたり、比較的優しく対応します。歯科恐怖症を作り出さないために、とても注意深く対応しています。

・子供の義務検診 (FTV)
2年に一度、義務検診があります。リスクが低い虫歯があまりない子にはとてもいいかなと思います。検診内容も決まっており、歯科医師によってばらつきや見落としがあまりないとおもいます。

・滅菌・消毒のルーティンはしっかりしている (FTV)
FTVは衛生に厳しく、私も滅菌室で働いていますが問題ないと思います。
私が治療されてもいいな、と思うくらいには衛生的です!

・ストックホルム内なら一部を除いたほとんどのFTVで電子カルテが見られる。
ストックホルムの違う地域に引っ越しても、レントゲンや検診の内容が見られます。なので、引っ越してもストックホルム内であれば以前の治療内容を見ることができます。(一部例外あり)

・日本にありがちな『あ、虫歯です、削って詰めときます』や『銀歯プラスチックにに変えておきますねー』があまり起こらない
スウェーデンの歯科治療は高額なので(それでも歯科医師は稼ぐように言われますが)お金を稼ぐために何本も削らなくていいんです。

・日本だと保険で銀歯になるようなものもプラスチックで治す
日本でよくやられるメタルインレー。こちらではほぼありません。全てプラスチックで治します。なので口の中はプラスチックだらけではありますが一応白いです。

私がとてもいいと思うのは、歯科医師の技術や知識にそこまでバラつきや差がなく、みんなが平均的にエビデンスに基づいた良質な治療を行えることです。
口腔内に問題があまりなく、健康な方、簡単な虫歯や歯周病の方はスウェーデンの歯科医療はとてもいいと思います。

・割と予約が取りやすい(民間歯科)
民間歯科は医院にもよりますがFTVよりは融通が利くようです。

・先生が変わらない(民間歯科)
プライベートで開業されている先生はすぐにやめるようなことはないので同じ先生に診てもらえる可能性が高いと思います。大手の民間歯科は、わかりません。

・患者さん1人に時間がとれ、お話を聞いてくれる(民間歯科)
FTVのように1時間に稼がなければいけないお金は特に決まっていないですし、値段も各自設定できるので治療が高くなるかもしれませんが話をよく聞いてくれたりします。これも大手の場合は不明です。

2、スウェーデンの歯科の短所

・高額!!
治療が高額です。日本の感覚で虫歯治療に行くと痛い目にあいます。
検診は10000円ほど。(ただし割引が使えます。)
プラスチックの詰め物が部位によって約7000~20000円。
根っこの治療は、根っこの本数によって約40000~60000円。
被せ物は70000~80000円(ただし、日本でもセラミックなどで治療すると高額ですね。スウェーデンも基本的には白い材料で治療します。)
高額治療になればなるほど割引がありますが、割引されても高いです。
保険もあるのですが。。。うーーーんという感じです。

・先生がすぐ変わる (FTV)
これはもう、しょうがないですが、FTVでは先生たちが割とすぐに辞めます。私の職場は去年先生が立て続けに3人辞めました。健康な人なら検診は1年半~2年おきなので、来るたびに先生が変わる患者さんもいます。『同じ歯医者さんに診てもらいたいのに、すぐいなくなっちゃう』という苦情はものすごくよく聞きます。

・待ち時間が長い (FTV)
ストックホルム(おそらくスウェーデン全国)は今、歯科医師不足です。次の予約が数か月後になってしまうことも。本当に働いている方としても、時間を見つけるのがめちゃくちゃ大変なんです。残業しても、休憩時間を返上しても時間を作り出せないこともあります。

・難症例に対応できる先生が少ない (FTV)
これは私の完全な個人の意見なのですが、スウェーデンは一般的な症例を見るのが得意で上手ですが少数の難症例に対応するのは苦手な気がします。
そもそも難症例の患者さんが日本に比べて少ない印象です。
例えば日本では上手な先生だと本当に芸術的な腕で超難症例をサクサク臨機応変に対応したりとんでもない美しい治療をする先生をお見掛けするのですが(しかも、そんな細かいところまで考えているの!と思うくらい細部まで計算している先生もいます。)こちらではまだそういった先生には出会えません(今後出会う可能性も大いにあります)。被せ物の科の専門医の先生の症例も見たのですが、『え、本当にこれで大丈夫なの』と思うことがあったり、歯の外見はきれいだけれど歯茎がボロボロになってしまっていたり・・・なんというか日本の繊細な神業みたいのはありません。繊細というよりは豪快です。日本でかみ合わせを決める方法(フェイスボウ)も、スウェーデンでは教えないし古代の遺産のような技術として扱われています。でも、通常のケースには必要なくても、難症例を診るうえで知っておいたほうがいい技術かもしれないですし、エビデンスがないから!と簡単にバサッと切り捨てていいのでしょうか。
あと、日本で私の職場でよくやっていた歯の移植も話にも出てきませんし、
『そんなん抜いたほうが安いわ!』と一蹴されました。
どうしても歯を残したい人に対して最善の治療を施すためには、いろいろな選択肢を知っていたほうがいいと思うのです。(残せないははもちろん、何をやっても残せないですが!)
専門医もいますが、待ち時間も年単位のところもあるようですし技術のほうは不明です。エンドは専門のレベルは日本のほうがいいとこちらの先生にお墨付きをいただいてます!
スウェーデンは治療の選択肢が日本よりも少なく感じてしまいます。

・先生がすぐ休む
歯科医師は女性が多いです。お母さんが多いです。子供さんは突然熱を出したりするので、先生たちも突然休むことがよくあります。
3か月後にやっと予約取れたのに、また2か月待たなければいけない・・・なんてこともしばしば。

・あ、歯医者行き忘れた!→罰金が発生する
これは歯科医院にとってはいいことですが、歯医者に行けなくなったら必ず早めに電話してください。ギリギリになってしまうか無断キャンセルすると結構な高額を支払わなければなりません。

・スウェーデンの大学を卒業していない歯科医師・・・技術にバラツキがある
スウェーデンの大学を卒業した先生方は技術も高く、知識もあります。しかし、最近増えている移民難民歯科医師(私も含め)はどうでしょう。
EU出身の歯科医師は、スウェーデンで知識を全くチェックされないまま免許を取ることができます。一昨年までは言葉の規定もなかったので、スウェーデン語が全く話せないまま働き始める先生もいました。今は規定が変わり、EU、EU以外にかかわらずスウェーデン語SAS3まで取っていなければ免許は取得できません。
EUの歯科とスウェーデンの歯科ではだいぶ異なることもあるようです。そういうのをチェックされないまま働けるので私は怖いなと思います。しかし、EUの歯科医師には1人しかあったことがないので詳しくはわかりません。その1人は周りにスウェーデンのシステムを教え込まれており、優秀な方でした!
EU以外は、ほとんどが中東系、それからロシア系、インド系、そして私たちのようなマイナーな国がちらほらといった感じでしょうか。中東の歯科は、予防という概念がなく対処療法が主と聞きました。なので、歯を抜くのはとても上手ですが保存しようという概念はあまりなく、結構攻めの治療をしているようなイメージです。カロリンスカのコースに通えば、スウェーデンのやり方を叩き込まれるので問題ないかもしれませんが
Kunskapsprov(資格テスト)を受けたグループは筆記と実習だけで免許がとれるのでスウェーデンの法律、患者さんとのコミュニケーションの仕方、スウェーデンの考え方をあまり知らずに働き始めるケースもあります。
知り合いの資格テストを受けた先生方はみなさん優秀ですが、スウェーデンの働き方に慣れるのに時間がかかったと言っていますし今でもアシストをしていると『え?』と思うことがたまにあります。

・言葉
私たち日本人にとって、いくらスウェーデン語や英語が話せたとしてもスウェーデン語や英語で歯科治療の説明を聞き、先生の指示に従い、治療方針を決めるのは難しいのではないかと思います。少なくとも、日本語よりは難しいのではないでしょうか。
さらに、私たちのような移民の歯科医師は私たち自体の言葉が不自由なので、歯科医師の言っていることもわからないし患者さんの言っていることもわからないで困るケースもあるようです。

・危ないところは危ない(民間歯科)
民間歯科は技術の高い先生が集まったすごくいいところもあるみたいですが、
危険なところもあるようです。日本と同じですね。
知り合いが、麻酔のカートリッジを使いまわしていたり、手袋を患者さんごとに変えないような歯科医院を見学したと言っていました。
材料や方法も先生の裁量に任されているので、良心のない先生はとことんえげつないことを裏でやっているようです。

以上、スウェーデンの歯科の長所と短所を思いつく限り書いてみました。

なんとなくなイメージなんですが、スウェーデンっの先生って歯科に対してドライというか・・・。割り切っているというか。治療が終わったらハイ終了。仕事の後は歯のことなんて一切考えたくないんでよろしく!仕事は好きだけど、それだけ。
どうやったらプラークコントロールができるか、とかどんな治療をしたら患者さんが一番喜ぶか、何が患者さんにとって一番いいか、ずっと寄り添っていこうという姿勢はあまり感じられないです。システマティック。まぁ、仕事より家族を大事にする国なのでそんなもんなんでしょうけど。お金のための仕事ですしね。
私にとっては歯科は生活の一部だし、だからこんなブログだってやっているし、好きだしうまくなりたいから働いていたいのですが、なんというかこっちは割り切ってるなぁって思います。うまく言えませんが。
おそらく私は、四六時中症例のことを考えているような家族のもとで育ってしまったからなのでしょうが。

次は日本の歯科の長所と短所。
日本の歯科の先生方、見ていたらすみません。
あくまで私の意見です・・・。

長所

・安い!
保険がほとんどの治療にききますし、もとの治療も安いです。驚かれるほど安いです。被せ物は保険は銀歯になりますが、プラスチックも根っこの治療も抜歯もスウェーデンと同じ方法で相当安い値段です。結構保険で良い治療が受けられます。

※補足
海外在住の方は一時帰国時には10割負担になってしまうのですね!
(一時的に住民登録できる自治体もあるようです)
となると、そこまで安い!というほどではないですね・・・
検診で7000~10000円くらいする可能性もありますし、治療もけっこうかかるようですね!スウェーデンよりは安いですが!

・比較的すぐに予約が取れ、対応してくれる
歯科医院たくさんあるので・・・

・上手い先生は超絶上手い
本当に、神技を持つ先生は大学時代にもいたし仕事してからも見ました。見学に行ったりもしたのですがエレガントでした。神技というと技術だけに思われがちですが、そうでなく考え方も深くまで考察していて本当にすごい先生がいます。
歯科に情熱を燃やしている先生が結構います。
若手なのにバランスの取れた上手な先生もたくさんいました。
患者さんのことを考えている先生はとことん考えていると感じます。

・一般歯科医の技術が高い
一般歯科医でマイクロを持っている先生もたくさんいますし、みなさん本当に勉強熱心で、勉強会や講習に休みを返上していっています。
新しい技術を学ぼうと思っている先生は多く、歯科の本もたくさんあり
技術を高めていけるチャンスがいくらでもあります。
良心的で一生懸命で信頼できる歯医者さんに出会えれば、ずっとずっと同じ歯医者さんにかかっていけます!

短所

・先生によって技術のバラツキがある
やる気のある先生もいれば、もちろんない先生もいるし
お金のことしか考えていない先生もいます。これはスウェーデンでも同じですが。同級生の治療内容聞いたらとんでもなかったことがあります。
大学で習う技術、ばらつきがあると感じます古ーい技術を習っているような大学もあるようです。
あと、例えばスウェーデンではプラスチックを詰める治療なんかもみんなが同じ技術で同じ器具で行いますが、日本は先生によってばらつきがあると思います。どれがいいかはわかりませんが・・・。

・点数取らないといけない
保険のシステムのおかげで、歯科医師はお金が全く稼げません。
お金を稼ごうと思うと自費治療をしなければいけないし、保険で稼ごうと思うと削ったり抜かないとお金にならないんです。スウェーデンのように予防での点数がないと思います。

・時間、かけてられない
1つ1つの単価が安いので、患者さんを次々と見ないとお金が稼げません。
30分に1人ならまだ良いですが、15分に1人なんてことも。もう、そうすると必要な処置ができなかったりして・・・もどかしかったです。
スウェーデンは大人の検診なら30~45分、複雑な治療だと60~75分くらい予約が取れます。まぁそれでも時間いっぱいいっぱいですが・・・

・患者さん→安いから予防の意識が低い傾向が・・・
歯医者どうせ安いし、すぐ行けるし・・・って思ったら予防に力入れるの難しいですよね・・・。
スウェーデンは歯科=高額なのでみんな虫歯になりたくない気持ちがかなり強いです。でも、最近は日本もかなり予防への関心が高まっているような気がしますが!

・一般歯科医がやりすぎるところがある
これはエンドの専門科で働いていたので思ったのですが、講習会とかたくさんあるので難しい最新の技術を取り入れたりオペをしたりインプラントを埋入したりする先生がたくさんいるのですが、
例えば見様見真似でMTAを根管にもりもり詰めたり、謎の最新技術で失敗したり、謎な中途半端なオペがされたりしていると、治すのがとても難しいです。
MTAはなかなかとれないし、再オペは予後が悪くなってしまうし、謎の技術は私たちでも謎だし、なので対応できない手に負えないような難しい症例だと思ったら治療を始める前にすぐに専門科に送ってほしかったです・・・スウェーデンの先生はあきらめが早すぎるけれど、日本の先生は粘り強すぎるところがあるような・・・

・ヤバイところはヤバイ
もうこれはニュースとかでやっているのでみなさんご存知だと思いますが、
倫理やモラルが完全に欠如しているところもありますし、良い歯科医院とそうでない歯科医院の差がかなりある気がします。
時間がない省略治療に慣れてしまうと、そういう治療しかできなくなってしまうし
本当に患者さんの説明を聞いたり、紹介状をみているとこちらが頭にくるほどいい加減な治療をしている先生もいます。なんだこれはぁぁぁ!と外来で叫びそうになったことも・・・

日本は、上手な先生はスーパーうまいし、親切だし一生患者さんに寄り添ってくれる先生もいますが、
本当にどうしようもないとんでもない超ぶんまわしの良心のかけらもないような治療をしているところもあるので、上と下の差が大きい印象です。
(私はこういう歯科医師が許せません!!治す職業なのに逆に傷つけてどうするの!と思います。)まぁそうしないとお金が稼げないシステムに難ありなのでしょうが。

スウェーデンはスーパーうまい!もスーパー危険!もそんなになくて、技術が比較的高め安定、といったところでしょうか。

これが私が日本とスウェーデンで歯科に触れてみて思うことです。

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平均的な日本の方は
『歯医者にはいかなきゃと思っているけどなかなか時間がない、問題が起こると歯科医院にかかり、そのあとからしばらくは定期健診にかかる。3~6か月に1度くらい。そこで衛生士さんや先生に口腔清掃指導を受ける。フロスや歯間ブラシが大切だと教わる。だんだん何となくフェイドアウト。なんだかんだ1年や2年に1度くらいは歯医者から呼ばれて通院。でも、きちんと歯磨きは毎日2~3回しているし昔結構虫歯治療されたけれど、今はそんなにたくさん虫歯はできない。たまにできるかな。奥歯には銀歯があり、プラスチックの治療もされたことがある。根っこの治療もされたかな。歯周病にならないか不安。フロスは毎日やったほうがいいのは分かっているけど、たまにしかしない。』
こんな感じですかね?
もちろん定期検診にずっと通われている方もいますし、虫歯が全然ない方もいると思いますが、だいたいのイメージで。

こんな感じの方は、正直日本でもスウェーデンでもどちらの歯科医院に通ってもあまり大差はないと思います。どうせ通院も1年か2年に1回くらいですし。
日本語で歯医者さんにかかったほうが気持ちが楽ならそうしてください。
私も帰国時に検診してもらっています。

緊急時の対応

虫歯があまり大きくないけれど、穴が開いてしまった。小さい詰め物がとれてしまった。そして日本に数か月以内に帰るという場合。
歯が欠けちゃった!
そんなときはとりあえず、手遅れにならないうちに診てもらってください。
FTVでは各歯科医師が決まった時間に救急対応をしています。時間は早いもの順なので、朝7:30(医院によって違います。ネットで調べてみてください!)に電話してその日の予約をとりましょう。時間はいつになるかわかりませんが、受付の人が時間を教えてくれ、その日のうちには診てもらえます。
スウェーデンでFTVに行くと、
救急検査代 : 約5000円、
レントゲン代、枚数によってまちまち。1000円以上。
仮の詰め物 : 症例によって5000~10000円です。
そのあとで日本に帰ってプラスチックを詰めてもらうと1000円前後、ただしそのほかにもいろいろ点数が取られるので(あと検診とかもやるので)5000~円くらいでしょうか。日本で治療したい場合は、治療の前に先生にその旨をつたえてください!

ちなみにスウェーデンでそのまま最終的なプラスチックにしてもらうと、検査代5000円+レントゲン代1000円~+10000~20000円です。
19時以降や週末だともっと高くなります。
場合によっては補助金が数千円もらえるので、上記の値段よりは安くなるかもしれません。

わざわざ日本に帰って歯医者に行かなくてもいいと思っているなら、値段もすごーく変わるわけではないのでスウェーデンでプラスチックにしてもらっても全く問題ないと思います。みんな上手です。
日本に帰って信頼できる先生にクリーニングや検診をしてもらう予定なら、1,2か月間なら仮の詰め物で過ごして、日本に帰ってやってもいいかもしれません。
(保険なしの虫歯の治療は日本でも数千円~10000円ほどすることもあるようです。)

もししばらく日本に帰る予定がないのでしたら、スウェーデンで最終的なプラスチックを詰めたほうがいいと思います。仮の詰め物が壊れて虫歯が広がったら元も子もありません。

虫歯が大きくて、一度では全部とれないといわれたら・・・
2回に分けて虫歯を取ります。治療後仮の詰め物で3~6か月ほど待たなければいけないので、日本に1,2か月後に帰る予定があるのでしたら日本ではその歯はいじらないでもらって、帰ってきてから最終的な詰め物をしてもらうことをお勧めします!
日本でクリーニングや検診をしてもらう際はきちんと前もって治療中だということを伝えてください!
ちょうど3-6か月くらいで日本に帰るとしても、同じ歯科医師に治療してもらったほうがいいと思いますので、どちらにしろスウェーデンでの治療がいいかもしれません。
この治療は、待っている間に痛みが出たり、静かに神経が死んでいることがあります。そうなると根っこの治療に移行しなければなりません。

神経まで虫歯がいってしまい、激痛でAkutに駆け込んだら・・・
どうしても穴をあけて神経を取らなければ痛みは取れません。残念ながら神経を取る以外の方法がないんです。
その際は救急検査5000円にレントゲン1000円~と、救急歯内治療10000円かかります。
上に穴をあけて薬でふたをするだけなので、そのあとも根っこの治療を続けなければいけません。根っこの治療が必要だと言われたら。
スウェーデンではFTVでは必ずゴムの被せ物(ラバーダム)をして治療をしているし、時間もたっぷりかけられるのでスウェーデンで問題ないと思います。
みんな結構上手です。きちんとやっています。
ただし、高いです。

もしすぐに日本に帰る予定があり、信頼できる先生がいる場合は
その旨を伝え、強めの仮の蓋をしてもらってください。
でも、なるべく早く続きの治療をしてもらったほうがいいと思います!

被せ物が取れてしまった!
すぐに付け直してもらってください。
虫歯があって、被せ物をし直さなければいけないと言われたら・・・

白くていい歯を入れたい場合は日本でも高額なのでスウェーデンでやってもらったほうがいいかな・・・と思います。
銀歯でいいし、払いたくない!という場合は虫歯だけ詰めてもらって削りなおして仮歯を作ってもらい、日本に帰るまで待ってもいいかもしれませんが(長期の仮の歯は13000円くらいです。) でも、最終的な被せ物をスウェーデンでしないのにそういうことができるかはわかりません。先生と相談してください!
(日本でも保険なしだと銀歯でも10000円以上することもあります。)

なんか歯が痛い!けど、原因が見つからないといわれた。
よくあります。虫歯や歯周病がないのに歯が痛い。
原因は様々ですが、歯に見えない亀裂が入っていたり
気づかないうちに歯を食いしばったりすると歯が痛くなることがあります。
歯と歯が接触しているだけでも歯が痛くなるといわれています。
(詳しくはTCH、Tooth contacting habitをご参照ください。)
ただし、レントゲン診査やポケット検査などで客観的な所見がなければはっきりと原因がわかるわけではありません。
そんな場合は、スウェーデンでは(日本でもですが)歯のかみ合わせを必要に応じて少し調整して(磨くくらいです)かみしめない様に説明して経過観察になる場合が多いです。スウェーデン語ではAvvaktaですね。
日本で歯科医院にかかっても、それは同じです。
原因がはっきりしないのに不可逆的な治療をしてしまうと取り返しがつかないことになりかねません。
原因がはっきりしないのにとりあえず痛みがあるので神経を抜いてしまったすると、最悪な場合痛みが取れないうえに不必要な歯の神経を取らなければいけなくなってしまうこともあります。
Avvaktaといわれるからには、治療に踏み切るための証拠がそろっていないということです。これは、時間がたつにつれて原因がわかってくることもありますし、なんとなく治る場合もあります。だいたい歯科医師から『痛みが強くなったり何か変化があればまた予約してください』言われるはずです。原因がわからないからと言って不審に思わなくても大丈夫です!(原因がわからずに診査を長時間されたけれど結局治療をするほどの原因がわからず何もしなかった。そういった場合でもお金は取られます。診査はしているわけですから。だいたい短い診査とレントゲンで5000~6000円、より複雑な検査をすると10000~20000円することもあります。)

親知らず抜きたい!
日本でもスウェーデンでも、変な位置に生えている親知らずでも虫歯のリスクや症状などの抜く理由がなければ最近はそのままにしていても大丈夫な場合が多いです。
私も1本残っています。
これはどこでやっても多分同じです。私の職場にも抜歯が上手な先生はいます。抗生物質を出さないことが多いですしもちろん精神的に不安な場合は日本で信頼できる先生にお願いするのがいいかもしれません!
でも、せっかくの日本滞在に歯を抜いてご飯食べられないのも悲しいので、スウェーデンで抜くという手もありですよ!仕事も休めますし!
日本が安心なら日本で!先生とケースによっては大学病院への紹介状を渡されることもあると思います。そうすると時間がかかるので、日本に行く前に日本の歯科医院に前もって電話で相談してみるのがいいかもしれません。日本で抜くのであれば日本に1ヵ月ほど長期滞在できるときに抜くのがいいかもしれません。

矯正したい!
これも、22歳以上の大人の方ならスウェーデンも日本も高額です。
数十万円はします。
時間がかかる上に定期的な歯科医院への受診が必要なので、物理的にスウェーデン在住の方はスウェーデンでしかできない気がします。

インプラントしたい!
1年に数回日本に帰れる方は日本でやってもいいかもしれませんが、基本的にスウェーデンでも大丈夫です。むしろスウェーデンはインプラントは発祥の地、信頼できると思います。

子供が虫歯になった!
子供はFTV、おすすめです。そもそもFTVって最初は子供の口腔内の健康を守るために作られたんです。
救急時は7時半に電話をし、その日の予約をいれてください。
すぐに対応してもらうことが大切です。子供さんが歯科治療に慣れていない場合は1回目は歯科の環境にならすことで終わってしまうかもしれません。必ず2回目の治療に行きましょう。子供さんの状態によっては鎮静をかけることがあります。その場合は予約が少し先になることもあります。
子供は虫歯になると本当に大変なので、本当に予防をお願いします。検診に絶対行ってください。無料ですので。
子供が多くて検診に呼ぶのが間に合ってないときもあるのですが、子供の検診は大学でみっちり叩き込まれますし、見るところが決まっているので見落としも少ないです。義務検診が2年に1回、リスクが高い子はもう少し頻繁に呼ばれます。
保護者の方、きちんと歯科医院に行って予防について聞くことをお勧めします。
子供の予防は特に大切です。

子供が転んだ!歯がおかしい!
これもすぐに対応してくれるはずです。
転んで異変に気づいたらすぐに電話してください。
早ければ歯が助かることもあるかもしれません。
逆に、なんでもないこともあります。歯に後遺症が出ることがあるのでその説明もきちんと聞いてください!基本的に急性の痛みと子供の外傷は優先度が高いので割とすぐに見てもらえます。外傷の場合は、保険会社に報告をお忘れなく。

子供の矯正!
これはスウェーデンをお勧めします。
症例にもよりますが、専門医が必要と判断したケースは無料で治療できます。
ちょっと歯が曲がってる、親は気にしてるけど子供はあんまり気にしていない。
こういう場合は無料で受けられない場合があります。
矯正のブラケットを付ける前に、成長を利用して咬合を改善する治療もあります。
義務検診に通っていれば、問題があるときは歯科医師からその治療のことを言われると思います。

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こんなものですかね?なにかありましたら教えてください!
そして、自分でも引くほど長くなってしまいました!!
読んでくださった方、お疲れさまでした!

結論としては、日本でもスウェーデンでも信頼のできる良い先生に出会えたらどこでもいい治療は受けられると思います!
日本は公共の歯科がないので、歯科医院の方針ややり方にバラツキがあり、しかもたくさん歯科医院があるので
自分に合った歯科医院を見つけるのは大変だと思います。
でも、きちんと納得がいくまで説明してくれる、削るよりも守ることに力を入れているところ、さらに全部削らなくても抜かなくても治るなどの偏ったことを言わずに、必要な治療はパッと行える先生がいいのかな、なんて思います。
最新の施設・道具や、壁の修了証書たちが先生の良しあしを決めるものではありません。
最終的にはフィーリングで決めてください!その勘は割と当たります。

スウェーデンはFTVは時間などの融通は利きませんが、なかなか基本に忠実な教科書にそった良い治療をしています。必要ならば治療に長く時間を割けますし、患者さんにきちんと説明をするように大学時代から耳にタコができるほど習います。
外国人の先生が信用できないという方。(私もたまに不審な目で見られます。笑)
スウェーデンで教育を受けている人は何人であろうが皆一定の知識と技術を持っていますので安心してください。
あ、この先生やばいなと思ったら治療を開始される前に
納得するまで治療の流れを聞いてください!
やりたくないならきちんと伝えましょう。
そこで不信感を覚えたら、すぐにストップです。
きちんとした先生ならきちんと説明してくれるはずです。

民間の歯科は、やはりこれもフィーリングです。あ、危ない。
スウェーデン語ができなさすぎる。手つきがおっかなすぎる。
態度が悪い、なんだかよく説明もないまま神経を取られようとしている、
そんな場合はよく質問して、それでも不明確なら違う歯科に行きましょう。

日本で治療を受けたくても、そんなに頻繁にはなかなか帰れないし、
スウェーデンもいいとは思うけれど高い・・・
そんなみなさんは、予防をしましょう!!!
歯科の病気はほとんどが予防できるものですので!
病気にならないのが一番効率がいいです!

ということで、予防といえばフッ素、次回はフッ素の使い方を書こうと思います!

フッ素は危険なの?

ご無沙汰しています。

最近はテストにデンタルショー、論文で毎日なにかと忙しくブログまで手が回りません・・・
来週はエンドのテスト。さすがに専門分野なので過去問を見てみると内容はとっても簡単に感じたのですが、問題はスウェーデン語です・・・

9ページ、40問の全て筆記なので日本語では大丈夫でもスウェーデン語では時間がかかってしまい大変です。きちんと勉強しなければ・・・

さて、書きたいことはたくさんあり
デンタルショーの様子、講義の内容、さらに最近始まった救急外来の話、レントゲンの話なんかがたまっているのですが今日は『フッ素』について書きたいと思います。

虫歯の予防に効果絶大!!のフッ素ですが・・・
実は2015年に『フッ素に対する心配の声が上がっている』という記事が新聞やニュースに紹介されました。

歯科医師新聞の記事です。コチラ
2015年にSNSを通じてフッ素の危険性が取り上げられ拡散。
そこで特に子供をもつ方々が心配し始め、当たり前のようになんの疑いを持たずにフッ素を使っていた歯科医師たちが心配する親の質問にきちんと答えられなかったことからさらにフッ素に対する不安が大きくなってしまった、ということです。

実はこの内容、私が語学学校に通っていた際のプレゼンのテーマの1つにしました。
(医療系語学学校に通っていたので、自分の専門からテーマを選んで行うプレゼンがありました。)
そのプレゼンをするときにいろいろ調べた内容を書きたいと思います。

フッ素の不安につながった原因は、
1、フッ素などの化学物質とADHDや自閉症、ディスラクシアと診断された子供の数に強い関連を示す研究がある
2、アメリカの水道水のフッ素が高濃度の地域で行われた研究で、特に若い男の子の骨肉腫のリスクを上げたり、骨の質を下げるという研究がある
ということをSNSに誰かが載せたら、それがいろいろ形を変え、大げさになり、尾ひれはひれがついて拡散され、さらに歯科医師の情報提供不足+患者さんが『フッ素のカリエス予防効果』を疑問視するようになり、不安が高まったということらしいです。

フッ素は70年以上も虫歯予防に使用されており、たくさん研究もされ
十分にエビデンスがあるものです。
スウェーデンの厚生労働省(Sos)でもカリエスに対して最高レベルで推奨されています。
1のADHDなどの問題に関しては, スウェーデンのフッ素の研究者が見解を出しており10 mg/l の高濃度のフッ素なら起こりうるかもしれないが、スウェーデンでは水道水のフッ素濃度の上限は1.5mg/lであり、ストックホルムでは0.2mg/lのフッ素しか含まれていません。
さらに、1の研究は研究方法に問題があり信頼性がないとのことです。
2の骨の問題は、研究者によると水のフッ素濃度が高い地域(研究では6 mg/l以上のフッ素濃度)の住民はたくさん水を飲むと影響があるかもしれないとのことですが通常のフッ素の使用では骨に影響はでることはないとしています。

なので、スウェーデン、もちろん日本でも、通常の生活を送り普通にフッ素を使用している方は何も問題はありません。

しかしフッ素には有名な副作用、『エナメルフッ素症(斑状歯)』と『フッ素中毒』があります。
フッ素症は、以下の表のように1 mg/l以上のフッ素でリスクが出てきますが

スウェーデン、日本で水道水を飲んでいる場合はほぼ問題がないといえます。
ただし、井戸水などを飲んでいる地域ではフッ素の摂取量が多かったりするので、患者さんにはきちんと説明します。
(患者さんの問診票に、井戸水を飲んでいるかどうかという質問事項があります。夏の間にサマーコテージに滞在し井戸水を飲む方も結構いらっしゃいます。子供には特に注意を促します)

妊娠中の方、1歳未満の子供を持つ人は地域によっては、無料で水質のフッ素濃度調査をしてもらえるようです。その他の人は、マックスで150クローネにて調査してもらえるとのことです。

もう1つの重要な副作用、フッ素中毒は
子供がフッ素入りの歯磨き粉を食べてしまった!タブレットを食べてしまった!
洗口液を飲んでしまった!そんなとき起こりうる中毒ですが
症状としては悪心・下痢・嘔吐などです。
体重(kg) × 5 mg以上摂取すると症状が起きるようです。
これは、10 kgの子供が子供用歯磨き粉を一本丸まる、またはフッ素のタブレットを数百個食べてしまうとフッ素中毒になってしまうということです。
最悪の場合(体重×30 mg~60 mg)は死に至ると考えられますが
10 kgの子で考えると子供用歯磨き粉6本~12本なのでかなりの量といえます。
(子供がフッ素を飲んでしまったときの対処法はネットに書いてあります。)

以上のことから、フッ素の通常の使用・さらにはスウェーデンまたは日本で生活している分にはあまり心配しなくて大丈夫、といえます。
これから”フッ素恐怖症”の患者さんに会うこともあるかと思いますが、歯科医師としてきちんとした情報を伝えたいと思います。

ちなみに、KUTに入る面接で面接官に『フッ素恐怖症の患者さんが来たらどうする?』と聞かれたので、ラッキーと思いながら答えました。
しかしそのあと少し話し合い、患者さんに正しい情報を伝えるのは私たちの義務ですがどうしても使いたくないという患者さんに無理矢理使わせるのはよくないので
引き続き説明するとともに、フッ素なしでできる最大限の予防を伝える必要がある。そしてフッ素は薬剤なので、恐怖症でない方にも使用を気を付けるようにきちんと伝えるのが大切、という結論に達しました。

さらに補足で、欧州って皆さん硬水というイメージがあるかもしれませんが
スウェーデンの水の80%は実は軟水です。
東京の水の硬度が約65 mg/l、私が今住んでいる地域の硬度は66 mg/lのようです。(私が計算したので100%あっているとは言い切れませんが…。)
ストックホルムの平均は約100 mg/lで中軟水、ウプサラという地域は硬度が高く300 mg/lとばらつきがあります。日本の平均硬度は50 mg/lです。

私の出身地(東京)のフッ素濃度を調べたところ、0.11 mg /lでした。スウェーデンも特にフロリデーションは行っていませんし、スウェーデンの水道局のホームページによると、過去に一度も行われたことはありません。
よく『スウェーデンといえばフロリデーション?』と聞かれることがありますがそれは違います。
フッ素を水道水に添加するのは、許可を取らずに薬を飲ませるようなものなのでやっていない、と水道局に記載されていました。

硬度(地域によっては)もフッ化物もあまり大差のないスウェーデンと日本の水ですが大きな違いの1つは塩素の含有量です。
スウェーデンの水は塩素がとても少ないので、日本の水道水を飲むと塩素の味に気が付くようになりました。

水の話になってしまいましたが・・・

スウェーデンの市場で出回っているたくさんの飲み物はミネラルウォーターから作られいるものもあり、そうすると自然と少しだけフッ素濃度が高くなるようです。
しかし、日本で売られているミネラルウォーターにもフッ素濃度が普通の水道水より高いものがありますので、とくに気にしないで生活していればスウェーデンと日本で特にフッ素の摂取量はそれほど変わらない気もします。

スウェーデンの水道水のフッ素含有量の認められている上限は1.5 mg/lですが、ストックホルムの値は0.2 mg/l以下、ウプサラは0.9 mg/l、
日本のフッ素含有量上限が水道局HPによると 0.8 mg/l、私の出身の区では0.11 ml/g。
う蝕予防に効果があるフッ素の量は1.5 mg/l以上とされているようなので、スウェーデンの水道水を飲んだところでう蝕予防の効果はありません。

例外で、井戸水を使用しておりその水のフッ素濃度が高かった場合、子供たちには以下の注意が適応されます。

ただし、ストックホルムで普通に生活している分にはあまり井戸を使っている人はいないのであまり関係がなさそうです。

ということで、スウェーデンの虫歯予防の効果は水道水とは一切関係ないので
やはりフッ素の日常での使用方法によるものだといえるのではないでしょうか。

フッ素の使用にはガイドラインがありますので、次回!(気力があったら)そちらも紹介していこうと思います!

気になった記事。

ネットで興味深いニュースを見つけました。

元の記事はこちら

記事の内容をざっと紹介すると
ストックホルムの国民歯科で、休憩中に母国語(スウェーデン語ではない)を話していたスタッフがボスから注意を受け、さらに『雰囲気を壊している』と言われたことに対してDiskrimineringsonbudsmannen(差別オンブズマン、以下DOと言って差別を受けたと感じた人が訴える政府機関です)に訴え、DOは
『国民歯科のポリシーとして、スウェーデン語が共通言語というのがあるがそれは仕事上のコミュニケーションを円滑にするためのポリシーなので、国民歯科内で母国語を話すのを禁止するのはやりすぎだ』という判決を下した、ということです。

私は国民歯科で働いていますが、”仕事中はスウェーデン語を話す!”ということは毎週のミーティングごとに厳しく言われていました。
国民歯科のポリシーとして基本的にスウェーデン語のみを話すこと。患者さんがスウェーデン語を話せないときはもちろん患者さんの母国語を話せるスタッフがその言葉を話すのは患者さんのためなのでOKだがそれは例外で、それ以外はスウェーデン語のみが話されるべき!
というのが私の働いている国民歯科での決まりであり、みんなが守っていることでした。
この決まりは私の職場では本当にきちんと守られておりすごく居心地がいいです。

なのでこのようなニュースを見て少し驚きました。

こんなニュース、日本では絶対にありえませんよね。
日本ではほとんどの人が日本語が母国語であり、職場にも日本語を話す人しかいなかったため私はこのような問題が起こりうるなど日本にいるときは考えたことがありませんでした。
今になって、大多数が同じ言葉・文化を持ち、そのためだいたい同じ倫理やモラル・道徳をもつ人々が暮らす社会で働くのがどんなに幸せなことだったかと痛感しています。(その分、足並みをそろえなければいけないので違う苦労はありますが)

スウェーデンは多民族国家。移民がものすごく多い国です。
文化も言葉もさまざまです。
特に今は大量に難民(自称難民含む)を入れたためにアラビア語を話す人が相当数います。

今通っているKUTも16人中12人がアラビア語が母国語の学生で、4人のみがアラビア語を話せないという状況ですが
昼食中・休憩中・さらには授業中のデスカッションまでスウェーデン語が話されることはほぼありません。私たち4人がその場にいてもそれはお構いなしです。

先生方がそれを見かねて、『コーヒーカップを持っていないときはスウェーデン語を話しましょうね!(休憩中以外はスウェーデン語話してね!)』と何度も言っているのですが、一向に改善されることがありません。

私たちも最初は『スウェーデン語話してよ!』と言っていたのですが、はじめ少しスウェーデン語を話したらすぐにアラビア語に切り替わってしまうので、そうすると全然わからずにものすごく居場所がない気分になります。

海外に住み、海外で活躍されている先生方はたくさんいらっしゃると思います。
留学されている場合はおそらく英語が共通言語になり、英語(もしくは母国語)を学ぶのが条件であり
周りの言っていることがわからないのは英語力が足りないから、スウェーデン語力が足りないからと悲しくなることはあるかもしれませんが
それは自分の努力次第で改善できる可能性があることだと思います。

しかし、スウェーデンに住みこちらで働くのに必須なスウェーデン語を学び
スウェーデン語を使って働くことができるようになったにも関わらず
この国の言葉とは全く関係のない言葉を周りが話すために理解できず悲しくなるのはなんとも言えない気持ちになります。私の努力次第ではどうすることもできないからです。スウェーデン語なんて話せるようになったって何にも言ってることわからないじゃないか!となります。

この『言葉がわからずどうしようもない』というのは本当に気まずい雰囲気で、とっても居心地が悪くなります。
話にもついていけないし、トーンによっては悪口を言われているかと不安になることすらあります。

日本人同士でスウェーデン語や英語を話すのは私も苦手ですが自分がこのような環境に置かれるようになってからこの気まずさをしり、気を付けるようになりました。

先日私の尊敬する日本の方と、友達のロシアの子とご飯を食べた時は
すごく恥ずかしかったけれどみんなでスウェーデン語を話しました。
これはマナーであり、周りへの気遣いです。

そういう点では、スウェーデン語が話せない人の前でぱっとみんな英語に切り替えてくれるスウェーデン人は本当にすごいと思います。

恥ずかしい気持ちもとてもわかるので、クラスメイトがアラビア語を話す気持ちも100%理解できますが、なるべくみんなのわかる言葉で話してほしいです。

この件について夫Aと話したところ、
スウェーデンに来てスウェーデン語が公共語の職場でスウェーデン語を話さないのはおかしいと思っているようです。
Aによると、スウェーデン人のなかでもこのように思っている人は結構いるけれど
何か移民のことについて意見するとすぐに『差別!レイシスト!』と騒ぐ人々がいるので誰も何も言えないのではないかとのことです。

スウェーデンではポリティカルコレクトネスにぐるぐるに縛られてしまい好きなことが言えない国になっている印象です。
(もちろん、人を傷つけるような言葉や本当の差別はNGですが、この移民のことを少しでも言うと差別だ!という雰囲気が漂うのはちょっとどうかと思います・・・)

ちなみに現在、9月にスウェーデンの歯科テストKunskapsprovで落ちてしまった受験者が、テストのあらを探して”証拠”を集め、テストを作ったカロリンスカは外国人歯科医師を差別しているいうことをDOに訴えようとしています。
カロリンスカの担当の先生に聞いたところ、今回のテストは合格者も多くとてもうまくいった!と言っていたので落ちた数十人が何とか勉強しないで免許をもらおうとしているのではないかと思います。落ちた受験者の言い分は、テストのシステムが悪い・採点の方法がおかしい・テスト合格の基準が高すぎる・イギリスの国家試験に受かったのにスウェーデンで落ちるのはおかしい・スウェーデンは外国人歯科医師が働くのを妨げようとしている・何度もテストを受けて全部落ちるテストはおかしい etc…といった感じです。
つっこみどころ満載で思わず苦笑してしまう内容ですが、これが”差別”と本当に訴えられる社会なんです、スウェーデン。
→これに関しての記事が歯科新聞に載りました。ただし、証拠不十分により、DOやSOSは相手にしていないようでした。

※訴えるのは自由ですが、それをDOなどの機関がチェックして却下されることも多くあります!

そもそも、テストはその人がスウェーデンで働くのに十分な能力を持っているかを測るものなので、合格基準を下げるというのはテストの趣旨から外れますし、今のシステムは前のシステムからだいぶ改善されて成功すれば早く免許が取れるようになったのでスウェーデンは外国人歯科医師に意地悪をしているわけではありません。

基準に満たない歯科医師を働かせるのは危険、というのは外国人歯科医師だけでなく全員に適用されます。
それを差別、だなんて。

書ききれない思いはたくさんありますが、本音を書いてしまうとポリコレを振りかざす人にレイシスト扱いされてしまうのでここまでにしておきます。

※最近このような記事をSNSに紹介してくれる人もいるようなのですが、
こういう記事を日本のヘイトスピーチや差別と絡めてゆがめた形で拡散されるのはとても不本意です。
このブログは私が日々スウェーデンで過ごして感じたことを綴っており、私が見ている世界の出来事ですので、かなり主観の意見が入っています。偏った意見になってしまっている可能性があり、私の意見はスウェーデン在住の方すべての意見とは一致しないことをご了承ください。

Åkte akut. 救急へ行った話。(補足あり)

今回は歯科とは関係ない話なのですが・・・

先週の月曜日、なんと夫Aが救急車で救急(Akut アキュート といいます)に運び込まれました。
その日は昼の2時ごろからおなかの痛みを感じていたAですが、休み休み働いていたそうです。私が夕方帰ってくると、おなかの痛みは強くなったそうですが横になれば治るだろうということで少し横になり、
私はその間に犬の散歩へ。
散歩から帰ってくるとなんと浴室でAが倒れていました!(意識あり)
よく聞くと、気持ちが悪くて吐こうとしてたら痛すぎて失神したとのこと。
痛みでおそらく過呼吸になり、手足がしびれ、さらに痙攣しており私もパニックに。
私が『112(日本の119)に電話しようか?』ときくと、『うん・・・』とのこと。
え!そんな救急車呼ぶほど痛いの!!と驚きつつも112に電話をすると
オペレーターが症状をきき、意識もあるしあまり危ない状態でないと判断したらしく『痛み止めを飲んで様子を見てください』とのこと。
一応痛み止めを飲み20分ほど様子を見るも全く良くならないため再び112へ・・・
すると今度は優しいお兄さんが出てくれていろいろ指示を出してくれました。
少し問診され、すぐに看護師さんに代わってくれ
お腹を押して固いか柔らかいか、顔色、冷や汗をかいているか熱はあるか、嘔吐したかなどを聞かれ答えてるうちに少し落ち着いてきたようです。
すごく緊急なわけではないので、救急車を手配しますが1時間くらいかかりますとのこと。
お義父さんが駆けつけてくれ、Aの様子を見つつ犬の世話をしているうちに救急隊が到着。
1時間くらいかかりました。その間ずっと廊下に横になるA。
時すでに21時をまわっていました。

救急隊の人は熱を測り、血圧、血糖を図りお腹の音を聴診器で聞きまとめたあと救急車でSös(Södersjukhuset 南病院 )に搬送してくれました。

病院についたのは21:30でした。

待ち時間は何時間だったと思いますか?

なんと16時間待ちました。

しかもずっと廊下でストレッチャーに乗せられて。

面白かったのが、スウェーデンに住む人たちは待たされているのに慣れているのかみんな本などを読みながら(痛がりながら)あきらめた顔で待っていました。
尿路結石の方は痛みを我慢しながらなんと20時間近く待っていたとか・・・さすがにその方は激怒していました。
後ろに座っていたおばあさんは、ずーっと文句を言っていましたがそのうち疲れて黙っていました。
痛すぎて、泣きながら授乳している方も。ベビーカーを押して痛みが強いことをスタッフに伝えに行くも、スタッフは冷たく『そこで寝ててください!』と言っていました。ベビーカーを泣きながら押すお母さんを見てすごく悲しい気持ちになりました。
そのあとしばらくしてスタッフがその方のもとへ行っていたので安心しましたが。
Sösの近くにはアルコール依存症、麻薬中毒者用の施設があるためか
ドラッグをやっていたりお酒のせいで運び込まれている方たちがかなりいました。
その人たちはじっと座っていられないで裸で歩きまわったり、大声を出したりしてそのたびにスタッフが5人ほど駆けつけてお世話していたので効率が悪いなと思いながら見ていました。
警察や守衛さんも何度も来ていました。

22時から24時ごろまでは医師が5、6人ほどいたのですがみんなどんどん帰宅していき、最終的には2人ほどで回していました。
『今日のシフトはもう終わり!!』と明るく帰っていくスタッフに舌打ちしている方もいました。

24時ごろに准看護師の方が採血し、
5時に部屋に入れてもらい
6時に医師が診察、
9時20分にCTを取り、
10時半に医師が『虫垂炎』と診断、入院が言い渡されました。
そこからまた廊下で13時半まで待たされ、ようやく病室に入ることができました。

私は10時半の診断結果を聞いた後に大学に直行しました。

そのあとはあっという間でした。穿孔もなく、簡単なケースだったらしいので同じ日の22時に腹腔鏡でオペ、なんと次の日の13時ごろ退院です。
目が覚めてすぐに歩いてくださいと言われ、トイレに行けと言われ、ご飯も食べ、あっという間に家に帰ってきました。
病室に入ってからは、スタッフの感じもよく、Aはびっくりしたそうです。
しかも無駄に入院させないので回復も早くとても満足です。

実はこちらで医師の方々と知り合い仲良くさせていただいてるのですが
すごく相談に乗ってもらい本当に心強かったです。
スウェーデンに住んでいる日本人医療資格職はあまり多くないので、それでつながりが持てて日本では絶対に出会うことのなかった方たちとも交流ができとても楽しいです。
さらに語学学校で、ロシア人医師の子と本当に仲良くなりました。
いつもお世話になっている2人のお医者さんとロシア人の子にすごく励ましてもらって冷静なアドバイスをもらい、どれほど安心したことか!!!
人とのつながりは、スウェーデンに来て良かったことの1つです。

そしてこちらで活躍されている先生にいろいろ話を伺ったのですが
アキュートは完全に人手不足、
さらには病院によっては病室も足りず、麻酔看護師やオペ看の不足によりオペができなくなることもあるとのこと。けれど経済的な理由などで新しく人を雇うのも難しく、さらには看護師さんは本当に大変な仕事なのに業務とお給料が全く合っていないのでのでどんどん人気がなくなっているようです。

歯科のほうもすごくお金と人手が足りていない・・・というのはすごく感じています。

でもこの問題、だいぶ前から議論されているようなのですが一向に改善する気配はないようです。
技術や医療の水準はとてもいいのに、システムに難ありな気がします。

そういえば授業で、(歯科の場合はですが)スウェーデンは健康な人をより健康に保つのは得意だけれど、病気の人を守るのはあまり得意じゃないといっていたのでそういう風潮がこの国にはあるのかもしれません。
(あんまり言いすぎるとスウェーデンに幻想を抱く方に文句を言われてしまいそうですが)

住むのと外から見るのではだいぶイメージに差があるスウェーデンです。

もちろんアキュートでも優先度が高い状態の方は優先されるのですが、優先度が低くても痛みがある状態で16時間も待つのは嫌だな・・・
さらにたくさんの人からマイナスなことを聞いているので老後はやはり日本のほうが安心なのかな・・・なんて思います。

なんだか怒涛の1週間でした。

今回の費用は
救急の料金 400kr
CT代 200kr
部屋代2日 200kr
合わせて800kr (約1万千円)でした。
オペ代はタダです。

日本でよく言われている
病院にかかるのは無料、というのは違いますのでご注意を!
(医療自体は無料のようですが)

スウェーデン語なのですが、料金表のリンクを貼っておきます。

なにしろAが無事に元気になってよかったです!

———補足———–

救急車を呼ぶのが今回難しかったのは、Aの意識がありあまり緊急性が高くないと判断されたからだと予想されます。
1回目に112に電話した際は、なるべく救急車を利用してほしくないという意図が感じられました。(この人の対応はかなり微妙でした。)
ほかの緊急性が高い人に救急車がいきわたらなくなってしまうのを防ぎたいのではないでしょうか。それはどの国でも同じなのではないかと思います。
(日本でも緊急性が高くない人がタクシー代わりに救急車を使用し、本当に必要な人が使えないなんていう話を聞いたことがあります。)
しかし、痛みで気を失いのたうち回り、手足がしびれている様子を見てしまうと
私はパニックになって112に電話するしか方法がありませんでした。
しかし、電話はAと私の両方でスピーカーにしていたので、電話に出た方は
Aは話せるし、大丈夫だろうと思ったと思います。
もしここでAが息をしていなかったり、意識がなかったり、さらに例えばどこかが麻痺したり、視界が消えたり、もしくは何かもっと緊急性の高い症状を示していればすぐに救急車が来たかもしれません。

その一方で、これは義母(大学病院で働いています)から聞いたのですが、112の対応が悪くて亡くなってしまったケースもあるので112があまり信用できないと説明していました。
そういったケースを救うために手あたり次第救急車を出すのか、
それとも本当に救急性の高い人のみを拾うために112でなるべく判断するのか
ジレンマだと思います。

今回はAは、歩くことはできないけれど安静にしていれば痛みが落ち着いており、2回目の112の電話の際に『救急車1時間かかってしまいますが、大丈夫ですか。もし急変したら電話してください』と言われた時も、
1時間横になって待つことができたので、それでいいとお願いしました。

本当に待てなければすぐに救急車は来たのではないかと思います。

私たちは今回幸い”生死をさまよう状態”ではなかったので救急車を1時間待ったという事実しか書けません。

本当に重症な人に救急車が救急手配できないかもしれないけれど、できるだけ患者さんの希望を聞いて、すべての患者さんに重症でなかったとしても救急車を手配する日本と
重症ケースを見逃すかもしれないけど112でスクリーニングして、本当に重症らしい人にだけ救急車を救急手配するスウェーデン。
どっちもどっちですが
どちらも患者さんのことを考えた結果なのではないのでしょうか。
答えはないですが、待たされたほうは日本がいいと思うだろうし、
重症なのに救急車が来なくて家族を亡くしてしまったりすればスウェーデンのほうがいいと思うのではないでしょうか。

救急車の料金は、ストックホルムでは無料でした。
ただ、調べてみたところ、地域によっては救急車の搬送代(私が見た県は150kr)がかかるところもあるようです。

料金はCTは撮影前に200Kr払いましたが、
救急の料金・入院代は後で請求書が来て支払いました。

1177という医療のサイトでは、Aのカルテを見ることができ
手術の様子から術後の様子まで事細かに知ることができました。
(患者さんがカルテを見られるシステムは徐々に全国に広がっています。もちろん、癌などの病気に関してはいろいろと決まりがあって、患者さんの不利益になるようなことは避けているようです。)

私は、スウェーデンの医療の水準は優れていると思います。
無駄がない入院のさせ方にもとても共感しました。
しかしシステムのせいでそれがうまく表に出ていないようにも感じています。
(歯科は逆で、システム(特に予防の)がいいので問題があったとしても世界にいいイメージを与えているように見えます。)

実は、Aが今回入院する前、私が足を怪我してカロリンスカの救急に行ったことがあります。その時は朝5時ごろに自力で救急に行ったのですが、1時間も待たずに見てもらえました。
医師も大変感じがよく、手際よく診察・診断・そしてその後の対応まで考えてくれ非常に安心しました。

なので、救急で待たされるかどうかは運にもよると思います。
(待たされることのほうが多い気はしますが・・・)

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今回書いたことはあくまでも私たちが体験したことなので、すべてのケースがそうであるとは言えないのをどうかご了承いただければ幸いです。

 

スウェーデンの受験と歯科大事情・・・②

前回の続きで、今回はスウェーデンの歯科大学に入る方法を書いていこうと思います。

① Umeå Universitet ウメオ大学

ウメオ大学の歯学部では
67%の学生がBtygurval(成績での選抜)
33%の学生がHP(大学テスト)
にて選抜されます。

ウメオ大学は春学期から始まりますが、2016年の春は

応募人数1072人(女性674人 男性352人)
席が72席。

席は72ですが、だいたい数人が大学を辞めるので
大学側は本来の席よりも多めに選抜します。
おそらく80人ほどが入学したと予想されます。
結構な倍率です。
つまり約54人の学生がBtygurval(成績での選抜)
約26人の学生がHP(大学テスト)で選ばれたと考えられます。

成績選抜は19.8、HPでは1.45以上のポイントを持っている人が選抜されたようです。

② Göteborgs Universitet ヨーテボリ大学

ヨーテボリ大学歯学部もウメオ大学と同様、成績とHPのみで学生を選抜します。
ヨーテボリは春学期と秋学期から始まる学生がおり、全体で93席のようです。
春、秋でそれぞれ何人入学したかの情報が見つけられなかったのですが単純に半分ずつと考えると約50席くらいだと予想されます。

66%(約33人)の学生が成績選抜
34%(約17人)の学生がHPにより選抜されます。

2017年春学期の応募者は
1690人(女性1092人 男性532人)で、約50人ほどが選ばれたと考えられます。
成績選抜は21.5、HPが1.6以上の人が選抜されたようです。

③ Karolinska Institutet   カロリンスカ大学

カロリンスカは少し特殊で、独自の選抜方法に重きを置いているようです。
25%が成績
25%がHP
50%がAlternativurval(大学独自の選抜方法)
で選ばれます。

大学独自の選抜方法はAlternativt urval till tandläkarprogrammet (TAPIL)
と呼ばれています。

Step1
まず応募者で受験資格があるものが呼ばれ
・自分の人生について 30分(おそらく自己PR的なもの)
・小論文 60分
を書きます。

Step2
110人~130人が選ばれ2回の面接を行います。
ステップ1で書いた自己PRをもとに質問され、モチベーション、キャパシティ、コミュニケーション力、性格について評価されます。

50人ほどが選ばれます。
(本来は90席なのですが、やめる人が出てくるので毎年100人ほどを取るようです。)

カロリンスカは秋学期から始まります。
2017年の選抜は
2202人(女性約1400人 男性700人)が応募したようです。そして102人選抜されました。

ということは、
成績とHPで約25人ずつ選ばれ
TAPILで約51人が選ばれたと予想されます。

ちなみに成績選抜は22.40! (22,5が最高点です) HPは1.6以上の人が合格したようです。

④ Malmö Högskola マルメ大学

マルメ大学もカロリンスカと同様、大学独自の選抜方法を採用しています。
席が61で、少し多め(70人)にとると考えると、
1/3が成績選抜(約23人)
1/3がHP(約23人)
1/3がAlternativurval(約23人)です。

Alternativurvalは、

Step1
IQテスト?
問題解決など。 2時間

Step2
1の参加者の25%が選抜される
歯の形を見本を見て削るテスト(おそらく石膏棒を削るようなテストでしょう)(入学前なのに!)

Step3
面接1
最終面接に呼ばれる2.5倍の人数が選ばれる

Step4
最終面接

約23人

何段階もテストがある上に、歯の形を入学前から削るとはかなり
厳しいですね。

マルメ大学も秋学期から始まります。

2017年の応募者は1797人(女性1156人、男性586人)
だったようです。

成績は21.6以上、HPは1.55以上の人が選抜されているようです。

さて、お気づきかもしれませんが
女子の応募人数が男子の2倍!
歯学部や医学部は今女性に人気です。
私の職場で働く学生に聞いても、クラスは女性がかなり多いとのことです。
卒業式の写真を見せてもらいましたが男性は1/3くらい。
学年にもよるようですが女性が多いのは変わりないようです。

医学部は歯学部よりも差はないですが女性が多いようです。

男性は何学部を選ぶのかというと
だいたいIT系や経済を専攻する人が多いみたいです。
ITのコースなどは医療系とは真逆で応募者が男性が女性の2倍という感じになっていました。

高校のころに自分の興味でコースや科目をとれるので
だいたい勉強のできる女の子は生物などが好きで医者、歯医者を選択し、
男の子は数学や物理が好きで、そうなるとITに行く。
さらに経済系の職業はお給料が高いのでそちらにいく・・・という予想を立ててみました。

しかし今は大量の中東難民がスウェーデンに来ており、(語学学校も、KUTもシリア人ばかりです。)特に高学歴難民と呼ばれる人も多いです。
中東は男性の歯科医師が多いので、今後、スウェーデンで生まれた女性の歯科医師と移民の男性歯科医師が増えていくことでしょう。

大学を卒業してからも、まずは女子は国民歯科で働き
男子はプライベートで働く人が多いと聞きました。
国民歯科は安定しているし、育休もきちんととれるようなので女子に人気で、
プライベートは外科やインプラントなどがあるしお給料もいいので男子がいく、そんな図式のようです。

上の応募人数を見てみると、カロリンスカが人気なように見えますが、
それはストックホルムにあるからという理由が大きく関係しているのではないでしょうか。
しかしネットで歯学部を受けたい学生の声を見てみると
カロリンスカは人気がないようでした。
その1番の理由は、他の3大学と違いカロリンスカを卒業しても
Yrkesexamen(専門職学位)しかとれず、
Akademisk examen (マスター・修士)が取れないようなのです。

マルメ、ウメオ、ヨーテボリは卒業するとマスターがもらえるようなので、将来外国で勉強したかったりするとカロリンスカ以外がいい!となるようです。

日本は歯科大を出ると修士がもらえます。

なぜ、カロリンスカだけがこのようになっているかというと、
イギリスとドイツのシステムに従っているからのようです。
イギリスとドイツも歯科大を卒業すると専門職学位のみがとれるようです。

また、TAPILの選抜システムが嫌だ!と書いている人もいました。

どちらが本音かはわかりませんが、選抜システムが嫌・・・というのが本音のような気もします。そちらのほうがスウェーデン人らしいです。

ウメオ・ヨーテボリもなかなかいい教育なようですが、
中でもマルメはPBL( Problem based larning)を取り入れた授業がうりのようです。

実は2009年にマルメ大学に行った際に、PBLの授業に参加したことがあります。
グループワークで、1つのテーマが与えられ、そこから派生して問題を考えていくような感じでした。
その時はとても感動しましたが、語学学校でグループワークをやらされてから
「これは完全にグループに左右される・・・」と思いました。
確かにマルメの授業の時も、だらけている人がいたような気がします。
やる気のあるグループだったらいいですが最悪なメンバーに囲まれたら、まったく勉強できなくなるのではないでしょうか。

若者は講義が嫌いなのでPBLのやり方に魅力を感じるかもしれませんが、
今の私は善し悪しだな・・・と思うようになりました。

私が学生だったら・・・ウメオあたりがいいかなと思います。
今の職場のウメオ大学を卒業した先生が優秀なのと、プログラムがいいという声が上がっていたからです。そして北なので環境もよさそうだし、オーロラも見えたりするようなので・・・

私は8月からカロリンスカの学生になりますが、どうなることでしょう!
今回は大学の事情を調べてみましたが、私もとても勉強になりました。

スウェーデンの受験と歯科大事情・・・①

日本には28の歯学部がありますが、スウェーデンでは何か所歯学部があるのでしょう。
スウェーデンは4か所、
南からマルメ大学 (Malmö högskola)
ヨーテボリ大学 (Göteborgs universitet)
カロリンスカ大学 (Karolinska institutet)
ウメオ大学 (Umeå universitet)
で歯学を学ぶことができます。

教育の長さは5年、スウェーデンでは半年を1学期 (テルミン1)とし、
テルミン10まであります。
秋学期から始まるところ、春学期から始まるところ、
秋と春で半々づつ始まるところがあります。

私の職場はカロリンスカから近いのでたくさんの学生がヘルプ要員としてバイトに来ていますが、そこで学生に学年を聞くときは「何年生?」ではなく「なんのテルミンに行ってるの?」となります。

スウェーデンには日本のような受験制度はありませんが、この前も記載した通り席に対して応募者が多いと何らかの形で選ばなければならなくなります。

大学に選ばれる方法としては
1, Betygsurval(成績選別)→高校の成績を使う方法
2, Högskoleprov(以下HP)→ (大学テスト)の点数を使う方法
3, Alternativurval→大学の決めた選別方法
があり、
1と2の方法で最低でもそれぞれ30%以上の人数が選ばれなければいけないようです。
(カロリンスカはどうもちょっと違うようなので何とも言えませんが・・・)

わかりにくいですが、以下のような感じです。
大学によってはHPと高校の成績だけで選抜されるところや
独自の選抜方法がある大学もあります。

•  Betyg(成績)による選抜では、高校の成績で点数がもらえます。(BⅠ)

17科目の成績の平均(最高20)+メリットポイント(入りたい大学のコースに必要な難易度よりも上の応用数学、応用英語、第三外国語の成績および自分の入りたいコースに関係があるが応募必須要項ではない科目)(最高2.5)=22.5が成績でもらえるポイントの最高値です。各科目にはAからEまでの成績がつけられ、
Aなら20、Bは17.5、Cは15、Dは12.5、Eは10ポイントがもらえます。
17科目の成績の平均が点数になります。メリットポイントの説明は難しいのですが、
コースに応募するのに必要な科目よりも難易度が高い科目を取っていたり、
高校で必要な難易度より上の科目をとっているともらえるポイントのようです。高校卒業時に、数学4だけ成績がBであとは全部Aだった!ということなら、
Folkuniversitet(高校の補完及び自分の興味のある科目を学べる機関)で数学4を取り直して成績を上げたり、メリットポイントを取得するために応用英語のコースを取って成績のポイントを上げることもできます。(BⅡ)

•  Högskoleprov (以下HP) は日本でいうセンター試験のようなもので、春と秋、年に2回行われます。数学80問、言語80問の計160問のから成り立っており、どれぐらい点数が取れたかによって0~2.0までのポイントをもらえます。
例えば、2016年の春のHPの結果だと
数学が73/80
言語が75/80
トータル 148/160
以上取れた人が2.0の点数をもらえたようです。成績が21点だった!
成績で選抜されるかわからないからHPも受けて1.6だった。
ということであれば、成績の選抜にもHPでの選抜にも応募することができます。

•  最後の表でAnnat(その他)と書かれているのは
Alternativurvalといって大学独自の選抜方法です。
この選抜方法がある大学は歯学部の中ではカロリンスカとマルメ大学です。私たち外国人歯科医師は、HPを受けてもいないし高校も通っていないので
Alternativurval的な大学独自の選抜方法によって
KUT(補完コース)に選ばれました。私たちだけなんでこんな選抜されなければいけないんだ!
と少し憤慨していたところもありましたが
スウェーデン人たちも同じように、もしくは私たち以上に厳しく選抜されているのを知り納得がいきました。

長くなってしまうので、各歯学部の選抜方法は次の記事に書きたいと思います。