歯科医師免許取得!

両親がこちらに遊びに来たり、スコーネ地方の歯科医師の先輩方に会いに行っておりバタバタしていてご報告が遅くなりましたが、

スウェーデンで歯科医師免許を取得することができました!

タイミングよく、両親が来ているときにSosから免許書が届いたのでお祝いしてもらいとても嬉しかったです。
ペラペラの紙で、日本の歯科医師免許との違いに笑ってしまいましたが念願の免許・・・ついにこれからは『歯学部生=Tandläkarstudent』でなく『資格のある歯科医師= Leg. Tandläkare』として働くことができます!!

ということで、ご報告まで・・・

コメント、全然返せていなくて申し訳ありません・・・
時間ができ次第返しますのでお待ちください!

スウェーデンで歯医者になる方法⑤ Kompletterande utbildning 二次試験

さて、二次試験は38人から16人に絞るためのさらに細かいふるい分けがされます。

内容は
1, 面接①
2, 面接②
3, 実技試験
です。
二次試験は3日に分けられ、私は最終日でした。

8:00から30分間の初めの面接では、日本にも来たことがあるカリオロジーの先生で話が盛り上がりました。なんと私がスウェーデンに興味をもつきっかけになった先生のコースで講義をしたりと、意外な繋がりに嬉しくなりました。
いきなり日本語であいさつされたのでとても驚きました。
面接内容は主に応募したときに提出した書類を中心に聞かれました。
なぜスウェーデンに来たのか、将来どうするか、国家試験に受かったらどうするのか、なんの分野に興味があるのか、スウェーデンは個人主義、日本はグループ主義だけど適応できているか、そんなことも聞かれました。あとは雑談でした。
両親はスウェーデンに私が移住してさみしがっていないか、自分の娘はオーストラリアにいるけどさみしい。とか、娘が医療機器のアプリを開発しているけど私の夫はどんなプログラミングをしているのか。彼が今開発している電動歯ブラシの話。そんな感じでした。

将来専門医になったり大学院に興味があるならコースはいいよ、とオススメされました。あっという間の30分。楽しかったです。面接が終わった後、「次の面接官はエンドの専門医だよー!君は運がいいね!」と言われました。

2回目の面接は本当に楽しくて時間を少しオーバーしてしまいました。
この面接では英語のテストもありました。英語の短い文章を読んで内容を伝えました。文章はとても簡単だったので良かったですが、英語をスウェーデン語で説明するのでかなり混乱しました。
あとは、「フッ素恐怖症の患者さんが来たらどう説明するか」「患者症例はどうだったか」「エンドのほかに興味がある分野はあるか」と問われました。
そのあとはエンドあるあるで盛り上がりました。日本のエンドはスウェーデンと同じか少し上くらいだと言われすごく嬉しくなりました。
水酸化カルシウムってどうやって使ってる?と質問されたので、こちらも熱が入り説明をたくさんしてしまいました。

私ともう一人、9時に面接が終わったのですが
次の実習テストは13:00から…
初対面にもかかわらずシリアから来たその矯正専門医とカロリンスカのカフェで時間をつぶしました。彼は去年もKUTに応募したそうですが、二次試験にも呼ばれなかったそうです。
私と同じく公共歯科の専門科が集まった病院の矯正科で働いており、シリアから来る前はサウジアラビアで働いていたそうです。
彼も入学が決まったようなので心強いです。

実習テストは人形を使った形成でした。
26のMKクラウン形成、11のM3級窩洞、25のMO2級窩洞の形成でした。
思うようにいかず後悔する結果になりました・・・。

点数のつけられ方は、
患者症例3点、面接10点、実技3点の16点が満点となります。
受験者は点数がつけられ、上から16人(今年は訳があり15人)が選抜されました。

自分がAntagen(入学許可)されたかどうかは例のAntagen.seに掲示されます。
結果の前に自分の点数がそこで見られるのでかなりドキドキしました。
まず結果が分かる数日前にそのページに、
自分のメリットポイントが「○○点です。」
と掲示され、その数日後に受かったかどうかが掲示されます。

”ANTAGEN”

(落ちたらStruken)

の文字を見てほっとして脱力しました。

最初は選抜基準が厳しくなり、落ち込みましたが
結果的に公正に選んでもらえたので良かったと今は思います。

これでやっとカロリンスカのKUTに通えることになりました!

スウェーデンで歯医者になる方法④ Kompletterande utbildning 筆記試験

スウェーデンで歯科医師免許をとる方法の2つ目として、
大学のコースに通う方法があります。

Kompletterande Utbildning för Tandläkare (歯科医師のための補完コース、通称KUT) といって、2010年に開設されたEU圏以外で教育を受けた歯科医師のためのコースです。現在はカロリンスカ大学、ヨーテボリ大学で開講されており、2018年からはマルメ大学でも開講が予定されています。

年々受験者が増加し、今年は定員16名に対して130人ほどの応募があったようです。

では、どうやってその16人を決めるのでしょう。

詳しく説明をする前に、まずはスウェーデンの受験について少しお話します。
スウェーデンでは大学や何らかのコースに入る際にAntagning.seという進学を管理するサイト(受験サイト)に登録します。
Antagning.seで自分の入りたいコースを選択し、応募します。
そのサイトには自分のプロフィールページがあり、そこにコースの受験に必要な資料をアップロードします。
その後それぞれの大学やコースの基準で応募者にMeritvärde(メリットポイント)がつけられ、点数が高い順にAntagen(英語でadmit=入学が許可)されます。
ある大学は高校の成績をもとにポイントがつけられたり、論文を書いたり面接を受けてポイントがつけられるところもあります。

KUTの場合、
2016年までは、応募用紙に情報(卒業した大学、受けた教育、スウェーデン語の証明、英語の実力、スウェーデンでの歯科医療施設での労働経験の有無、自己アピール等)を書き込み提出、大学側がそれぞれにメリットポイントを付けて点数が高いもの40名ほどを面接に呼び、16人に絞っていたようですが
その方法では正しい人材を選べず2016年のカロリンスカの受講者は言語、知識ともに基準に達していない者が入学してしまったとのことで2017年からは選抜基準が変わりました。

今年もこれまで同様に応募時に応募用紙を記載し提出しましたが、自己アピールの欄が削除されました。応募時に必須になるのはスウェーデン語3かC1まで終わっていること(来年からはC1は認められなくなります)、母国で歯科医師として1年以上働いていること(これは不確かです。なぜなら歯科医師として働いた経験がない者が多数受験していたので)、母国で歯科医師免許を有していることです。
その他に教育の内容、英語の実力、専門医かどうか、大学院を卒業しているか、スウェーデン国内の歯科医院で働いたことがあるかを記載する欄もあり、それらの項目は面接時に質問されメリットポイントになります。

まずAntagning.seからカロリンスカのKUTに応募し、受験資格があるもの全員が大学に呼ばれ筆記試験を受けました。
私はカロリンスカを第一希望、ヨーテボリを第二希望にしたのですが、第一希望の場所で筆記試験を受けることになります。
その試験結果が良かった順に35~40人が選ばれ次のステップに進むことができます。

試験の内容はマルチプルチョイスで、国家試験よりも簡単な内容になっていました。国家試験と同じ内容も数問ありました。現に二次試験に進んだ38人のほとんどが国家試験を受けていた人でした。
同じ日に筆記試験のほかに『患者症例』もありました。
この患者症例は、二次試験に進むためには関係ないのですが
二次試験でメリットポイントを付けるうえでポイントになります。
患者さんの口腔内写真とレントゲンだけが用意されており、
1,この状態で患者さんが訴えているであろう症状
2,各歯の診断
3,治療計画
を書きました。

患者の主訴やプロービング値などもなにもなくただ写真だけだったのでとてもやりにくかったです。

結果はメールで知らされます。
メールで、「二次試験の案内」がくるか「残念ながら二次試験にはすすめません」がくるかかなり緊張して待ちました。

無事二次試験に進めましたが、次の難関が待っていました。

スウェーデンで歯医者になる方法③ Kunskapsprov 実技試験

第一回目の実技試験は6/8に行われました。

午前はOSCE形式の実技
午後は模型を使ってエンド(形成→根充)、形成です。

試験1週間前にOSCEの情報が送られてきました。
4ステーション+2つの休憩所があり、各12分ずつです。

1ステーション目は
メタボンブリッジのフレーム試適。
メタボンはスウェーデンではMK (エムコー) ブロー(ブリッジ)かクローナ(クラウン)といいます。MKはMetal Keramikの意味です。
フレームを試適してメタルの厚さが0.5mmあるか、ポーセレンのスペースが1mmあるかを調べたり、適合を調べたりします。最後にBWを1枚撮って終了。

緊張しすぎて、模型の人形にいちいち話しかけていたら
『話しかけないで大丈夫だよ』と苦笑されました。

2ステーション目は
小児矯正。
8歳の男の子の模型と写真を見て、必要な審査項目、診断、治療の必要性、治療の時期、治療計画を説明しました。
模型では前歯のクロスバイト (Frontal invertering) でした。
スウェーデンの矯正は日本で習ったことがなかったものがたくさん出てきたのでとても面白かったです。これも後に書こうと思います。

3ステーション目は
何種類もの薬を飲んでいるお年寄りへの鎮痛剤と抜歯の説明。
患者さんはWaran(ワーファリン)を飲んでいたので、飲んでいい鎮痛薬や抜歯するときの決まりがあり、それを説明する問題です。
これも詳しく後に書こうと思います。
患者さん役の人がすごく上手で、笑わさせられました。

患『右の歯が痛いので今すぐ抜いてほしい』
私『ワラーン飲んでいるので今すぐは抜けません。痛み止めを出します。来週抜歯するまで左でかんでください。タバコも、なるべく辞めましょう』ということを丁寧に言いました。
すると患者さんは
『タバコも左側だけで吸うから大丈夫』と言ってきて
判定者も大笑いしていました。

4ステーション目は筋・筋膜痛症候群と歯痛の診断
医療面接をし、口腔外診査、口腔内診査を行い、診断、鑑別診断を答えました。

次は実習テスト。

まずはエンドの形成→根充です。
私が習ったエンドとだいぶやり方が違うのでこれもあとで書きます。
レントゲンをたくさん取らなければいけないので時間がギリギリで焦りました。

次は25, 46のMKクローナの形成。
要はメタボンの形成です。

テストは8:30-14:30まで。
とにかく緊張と疲れでへとへとになりました。

———————追記———————–
6月20日に結果が分かり、無事に合格していました。
なかなかいい点数が取れておりとても嬉しいです。

スウェーデンで歯医者になる方法②Kunskapsprov 筆記試験

日本人歯科医師がスウェーデンで免許を取得する2通りの方法を詳しく説明します。
まずは
1、国家試験を受ける方法

国家試験を受け、それに合格すると歯科医療施設で歯科医師として研修をする権利がもらえます。自分で研修先を探して6ヵ月間歯科医師として研修をし、さらに法律のコース (Författningskurs) をネットで受け、Sosに申請すればスウェーデンの免許を取得できます。

スウェーデンでは現在EU以外の歯科医師のための国家試験、Kunskapsprovが実施されています。
2016年からシステムがガラッと変わり、今までは4科目(小児、成人歯科、基礎、実技)を2回に分けて試験を受けるシステムでしたが、現在は筆記試験をまず受けてそれに合格した者は実技試験を受けるシステムになりました。

2017年~2020年まではカロリンスカ研究所 (KI) が責任者になっています。
(ちなみに医師はUmeå(ウメオ)大学です。)

2017年3月22日にシステムが変わってから初めての筆記試験があり、
6月、9月、12月にも施行されます。
3月22日の筆記に受かったものは、実技試験を受ける権利を与えられます。
実技試験は6月、2018年1月に実施されます。
筆記試験は3回、実技試験は2回までしか受けられず、もしそれ以上落ちてしまった場合は違う方法で免許を取らなければいけません。

システムが変わってから、kunskapsprovを受けるにあたり語学のレベルが問われなくなりました。去年まではSvenska 3かC1の資格を持っている者のみが受験できました。
しかし、テストは全てスウェーデン語のためスウェーデン語ができないと困難な内容になっています。

私は3/22にKunskapsprovを受けました。

試験は9:00-15:00(今は15:30までに変更)
パソコンで、マルチプルチョイス+筆記でした。
3部に分かれており、
1部は成人1症例(25問)+小児1症例(18問)
2部は英語の論文
3部は成人1症例 でした。
1症例といっても、1人の患者さんの情報から派生した問題がたくさん出るような感じです。治療計画、レントゲン読影、治療方法、説明方法、患者さんが持つ基礎疾患についての問題、診断、解剖、薬理。実際の臨床に基づいた問題が多かったのですが、慣れないスウェーデン語と長時間パソコンとにらめっこしていたので頭がくらくらしました。

Sosにはエビデンスに基づいたナショナルガイドラインがあるのですが、テスト中省略版のガイドラインが配布されていました。
例えば、慢性歯周病の患者においてガイドラインに基づいて勧められる治療は何か。→ガイドラインを見て、エビデンスの高いものを答えるような問題も数問ありました。

小児は咬合誘導や外傷、定期検診で見る項目などについて問われました。

英語の論文はフッ素について。研究デザインや内容を選ぶ問題でした。
また、保育園おける齲蝕予防について提案する問題もありました。

3部の患者症例30問。
これは1人の患者さんの治療計画を立てながら様々な問題に答えるような形でした。前には戻れない形式で、だいたい次のページに答えが書いてあるので精神的にあまりよくないです。

例えば、
『問1、まず行うことは何か
1,レントゲン
2,診査
3,医療面接』
で答えを選んで次のページに行くと、

『問2、(1) あなたはレントゲンをまず撮影しました。以下のレントゲンを見てカリエス、歯周組織について読影をし所見を書きなさい。
(2) 各歯牙について診断しなさい』

ここで医療面接を選んだりしていると、「レントゲンだったのか・・・」とがっかりします。
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テストの合格ラインは70%
各部で50%以上です。

3/22のテストは61人が受験し6人が合格しました。

次は実技試験について書きたいと思います。

スウェーデンで歯医者になる方法①

EU圏の国やスイスで教育を受けた歯科医師はスウェーデンで免許が使えます。
(ただし、2016年から法律が変わり、今まではEU圏内で免許取得後すぐにスウェーデンでも働けたのが、今はスウェーデン語をSvenska 3またはC1(高校卒業レベル)まで終わらせていることが免許切り替えの条件になりました)

ただし、例えば日本人歯科医師が歯科医師免許を簡単に取得できるEUの国で免許を取得したとしても、その国で3年以上働かなければスウェーデンでは働けません。

EU・スイス以外の国で教育を受けた歯科医師は、まず自分が受けた教育がスウェーデンで認められるかどうかをスウェーデンの厚生労働省的機関であるSocialstyrelsen (Sos) にチェックしてもらいます。
https://legitimation.socialstyrelsen.se/sv/utbildad-utanfor-eu-och-ees

提出書類は
・卒業証明書
・大学の授業の内容、何年教育を受けたかの証明
・Sosの質問用紙
・Personbevis(税務署でもらう証明書)又は身分証明書

すべてオリジナルの言葉と英語の書類が必要で、
原本をコピーしてもらいVidimeringといって第三者に署名してもらいます。

提出後はSosで提出者が受けた教育がスウェーデンで認められるか認められないかが調査され、返事が送られてきます。

教育が認められなかった人(教育が4年間だったり、大学のコース内容がスウェーデンの基準を満たしていないなどの理由)は歯科大学に入り直し教育を受けなおさなければなりません。
運がいい人は途中の学期からいれてもらえるようですが、4年ほどの教育を受けなければなりません。

教育が認められた人(日本人の歯科医師たちはここに入ります)は、スウェーデンの免許を取得するために不足している部分を”補完”するという形で免許をもらうことができます。

2通りの方法があり、

1、国家試験を受ける方法
2、カロリンスカ大学、ヨーテボリ大学、マルメ大学(来年から)の補完コースに1年行く方法

があります。

次のポストでは2通りの方法について詳しく説明します。