スウェーデンで歯医者になる方法③ Kunskapsprov 実技試験

第一回目の実技試験は6/8に行われました。

午前はOSCE形式の実技
午後は模型を使ってエンド(形成→根充)、形成です。

試験1週間前にOSCEの情報が送られてきました。
4ステーション+2つの休憩所があり、各12分ずつです。

1ステーション目は
メタボンブリッジのフレーム試適。
メタボンはスウェーデンではMK (エムコー) ブロー(ブリッジ)かクローナ(クラウン)といいます。MKはMetal Keramikの意味です。
フレームを試適してメタルの厚さが0.5mmあるか、ポーセレンのスペースが1mmあるかを調べたり、適合を調べたりします。最後にBWを1枚撮って終了。

緊張しすぎて、模型の人形にいちいち話しかけていたら
『話しかけないで大丈夫だよ』と苦笑されました。

2ステーション目は
小児矯正。
8歳の男の子の模型と写真を見て、必要な審査項目、診断、治療の必要性、治療の時期、治療計画を説明しました。
模型では前歯のクロスバイト (Frontal invertering) でした。
スウェーデンの矯正は日本で習ったことがなかったものがたくさん出てきたのでとても面白かったです。これも後に書こうと思います。

3ステーション目は
何種類もの薬を飲んでいるお年寄りへの鎮痛剤と抜歯の説明。
患者さんはWaran(ワーファリン)を飲んでいたので、飲んでいい鎮痛薬や抜歯するときの決まりがあり、それを説明する問題です。
これも詳しく後に書こうと思います。
患者さん役の人がすごく上手で、笑わさせられました。

患『右の歯が痛いので今すぐ抜いてほしい』
私『ワラーン飲んでいるので今すぐは抜けません。痛み止めを出します。来週抜歯するまで左でかんでください。タバコも、なるべく辞めましょう』ということを丁寧に言いました。
すると患者さんは
『タバコも左側だけで吸うから大丈夫』と言ってきて
判定者も大笑いしていました。

4ステーション目は筋・筋膜痛症候群と歯痛の診断
医療面接をし、口腔外診査、口腔内診査を行い、診断、鑑別診断を答えました。

次は実習テスト。

まずはエンドの形成→根充です。
私が習ったエンドとだいぶやり方が違うのでこれもあとで書きます。
レントゲンをたくさん取らなければいけないので時間がギリギリで焦りました。

次は25, 46のMKクローナの形成。
要はメタボンの形成です。

テストは8:30-14:30まで。
とにかく緊張と疲れでへとへとになりました。

———————追記———————–
6月20日に結果が分かり、無事に合格していました。
なかなかいい点数が取れておりとても嬉しいです。

スウェーデンで歯医者になる方法②Kunskapsprov 筆記試験

日本人歯科医師がスウェーデンで免許を取得する2通りの方法を詳しく説明します。
まずは
1、国家試験を受ける方法

国家試験を受け、それに合格すると歯科医療施設で歯科医師として研修をする権利がもらえます。自分で研修先を探して6ヵ月間歯科医師として研修をし、さらに法律のコース (Författningskurs) をネットで受け、Sosに申請すればスウェーデンの免許を取得できます。

スウェーデンでは現在EU以外の歯科医師のための国家試験、Kunskapsprovが実施されています。
2016年からシステムがガラッと変わり、今までは4科目(小児、成人歯科、基礎、実技)を2回に分けて試験を受けるシステムでしたが、現在は筆記試験をまず受けてそれに合格した者は実技試験を受けるシステムになりました。

2017年~2020年まではカロリンスカ研究所 (KI) が責任者になっています。
(ちなみに医師はUmeå(ウメオ)大学です。)

2017年3月22日にシステムが変わってから初めての筆記試験があり、
6月、9月、12月にも施行されます。
3月22日の筆記に受かったものは、実技試験を受ける権利を与えられます。
実技試験は6月、2018年1月に実施されます。
筆記試験は3回、実技試験は2回までしか受けられず、もしそれ以上落ちてしまった場合は違う方法で免許を取らなければいけません。

システムが変わってから、kunskapsprovを受けるにあたり語学のレベルが問われなくなりました。去年まではSvenska 3かC1の資格を持っている者のみが受験できました。
しかし、テストは全てスウェーデン語のためスウェーデン語ができないと困難な内容になっています。

私は3/22にKunskapsprovを受けました。

試験は9:00-15:00(今は15:30までに変更)
パソコンで、マルチプルチョイス+筆記でした。
3部に分かれており、
1部は成人1症例(25問)+小児1症例(18問)
2部は英語の論文
3部は成人1症例 でした。
1症例といっても、1人の患者さんの情報から派生した問題がたくさん出るような感じです。治療計画、レントゲン読影、治療方法、説明方法、患者さんが持つ基礎疾患についての問題、診断、解剖、薬理。実際の臨床に基づいた問題が多かったのですが、慣れないスウェーデン語と長時間パソコンとにらめっこしていたので頭がくらくらしました。

Sosにはエビデンスに基づいたナショナルガイドラインがあるのですが、テスト中省略版のガイドラインが配布されていました。
例えば、慢性歯周病の患者においてガイドラインに基づいて勧められる治療は何か。→ガイドラインを見て、エビデンスの高いものを答えるような問題も数問ありました。

小児は咬合誘導や外傷、定期検診で見る項目などについて問われました。

英語の論文はフッ素について。研究デザインや内容を選ぶ問題でした。
また、保育園おける齲蝕予防について提案する問題もありました。

3部の患者症例30問。
これは1人の患者さんの治療計画を立てながら様々な問題に答えるような形でした。前には戻れない形式で、だいたい次のページに答えが書いてあるので精神的にあまりよくないです。

例えば、
『問1、まず行うことは何か
1,レントゲン
2,診査
3,医療面接』
で答えを選んで次のページに行くと、

『問2、(1) あなたはレントゲンをまず撮影しました。以下のレントゲンを見てカリエス、歯周組織について読影をし所見を書きなさい。
(2) 各歯牙について診断しなさい』

ここで医療面接を選んだりしていると、「レントゲンだったのか・・・」とがっかりします。
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テストの合格ラインは70%
各部で50%以上です。

3/22のテストは61人が受験し6人が合格しました。

次は実技試験について書きたいと思います。