歯科医師免許取得!

両親がこちらに遊びに来たり、スコーネ地方の歯科医師の先輩方に会いに行っておりバタバタしていてご報告が遅くなりましたが、

スウェーデンで歯科医師免許を取得することができました!

タイミングよく、両親が来ているときにSosから免許書が届いたのでお祝いしてもらいとても嬉しかったです。
ペラペラの紙で、日本の歯科医師免許との違いに笑ってしまいましたが念願の免許・・・ついにこれからは『歯学部生=Tandläkarstudent』でなく『資格のある歯科医師= Leg. Tandläkare』として働くことができます!!

ということで、ご報告まで・・・

コメント、全然返せていなくて申し訳ありません・・・
時間ができ次第返しますのでお待ちください!

老人ホームの歯科検診

掃除に追われている毎日です。
狭いスペースで生活するのに慣れているので、1部屋持て余しており完全にゴミやいらないものを置く倉庫になっていました。でもその部屋は着物がディスプレイされており畳シートも引いてある一応和室なのできちんと活用しよう!と思い掃除を開始しました。
まだまだ時間はかかりそうですが、頑張ります!
いずれは家具なども置いてゲストルームにしたいと思います(ゲストあまり来ませんが・・・)
海外在住者にとっては例えそれが畳シートであったとしても畳の感触や匂いは懐かしく、落ち着くものです。畳の上にいると、ほんのりと『あぁ、死ぬときは畳の上で・・・』なんて思ったりしますがもしスウェーデンで一生を終えるとすると言葉もままならないところで老後を過ごし、老人ホームではスタッフの方たちと意思の疎通もままならないまま生涯を終えるのか・・・と思い少し怖いです。
先日亡くなった義理の祖母の最後の様子を見て、あまりポジティブなイメージがわかなかったスウェーデンの老人ホームですが、コース在学中に老人ホームに検診に行く機会がありました。

老人ホームで歯科検診を担当している衛生士さんについて回ったのですが、奇しくもその衛生士さんは義理の祖母が住んでいた老人ホームも担当しており、彼女のことを知っていました。亡くなったことを伝えると、残念がっていました。
実は老人ホーム検診は祖母の容態が悪くなる前に知らされていたので、『祖母の検診できるといいな』と楽しみにしていたのですが、間に合わず残念に思います。
どちらにしろ、今回訪問したところは同じコミューンの違う老人ホームだったので診ることはできなかったのですが。

今回検診に行ったのは公共の老人ホームで、検診は1年に1回(だったと思うのですが、正確でないのできちんと調べます・・・半年に1回だったかも・・・)
衛生士さんが行います。
検診といっても、ミラーのみで行うかなり簡易なものでした。

私たちはまず、比較的元気な方たちが住む棟から検診を開始しました。
検診は老人ホームのスタッフさん(看護師さんまたはアンダーナース)とともに行います。
まずは入居者さんとスタッフの方に話を伺い、前回の検診時にアドバイスしたとおりにきちんと口腔ケアが行われているかなどをチェックしました。そのあと、口腔内をペンライトとミラーでチェックしました。検診項目は、
・歯が上顎下顎に何本あるか。
・今痛みはあるか、治療の必要性
・ペリオ・カリエスの状態(視診で確認)
・口腔乾燥
・口腔衛生状態(1~10)
というかなり簡易的なもので、そのあと口腔乾燥の状態などを確認、患者さんに合った口腔衛生指導を行うという感じです。
また、治療が必要な方たちにはスタッフと本人に歯科医院を受診するように指導しました。

元気な方たちが住む棟では、ほとんどの方がご自分で口腔ケアを行っていました。高齢、もしくは基礎疾患を抱える方が多いので何種類もの薬を服用しており、ほとんどの方が口腔乾燥を訴えていました。
歯が残っている方が多く、比較的口腔衛生状態は良好なのですが、中には磨き残しがかなりある方もいました。ほぼすべての方にフッ素洗口をお勧めし、口腔乾燥用のスプレーの処方を出しました。また、必要に応じてクロルヘキシジンをお勧めしていました。元気な棟の検診時についてきてくれたスタッフの方はかなり熱心に口腔状態を気にしてくれる方で、入居者さんの状態をかなり把握しており私たちがアドバイスをするたびにメモをし、『じゃあここを改善しておきますね』とすぐに動いてくれる方でした。衛生士さんも、熱心なスタッフさんとなら本当にやりやすいんだけど。。。と言っていました。

衛生士さんの言っている意味は、寝たきりの方や状態の悪い方が住んでいる病棟に行ったときに判明することになります。
こちらの棟は、脳梗塞などで日常生活に介助が必要な方や思い心臓病などで管理が必要な方、パーキンソンの方などが住んでいました。
スタッフの方がまず、スウェーデン語がかなり怪しく『あれ・・』と思いましたが、検診を開始しました。
大多数の方の口腔清掃状態は著しく悪化しており、明らかにケアができていないということがわかりました。1人目は脳梗塞により麻痺があり、さらに母国語しかわからなくなってしまった方だったのですが、口腔ケアの仕方をスタッフに伺ったところ『ご自分でとっても上手に磨けていますよ』とのこと。
『え!こんなにプラークや食物残差がべったりなのに??』と驚きました。

スタッフの方によると、彼はとても上手に歯磨きできている。(片麻痺なのに?)
電動歯ブラシを使っているから問題ない(毛先がこれでもかっていうほど開いていました。)
フッ素のジェルなどは使用していない
とのことです。
スタッフは口腔内をおそらくあまり見ていないのではないかと思います。
衛生士さんと私たちできちんと口腔内をチェックし、磨き残しがかなりあるのでお手伝いをしたほうがいいこと(もちろん入居者さんによっては嫌がるかもですが。。。)フッ素を使うこと。歯ブラシを取り換えることを説明しましたが、スタッフは『でもきちんと磨けてるのに・・・』や『自分で磨くのが好きなのに・・・』とあまり改善する気がないように思いました。
もう一人、印象に残った方がいます。
彼はベッドで過ごすことが多いようでしたが意識はしっかりしておりなかなか元気な方で、おしゃべりが大好きな感じのいい人でした。机には本や辞書が並べてあり、物知りな方で日本にも少し縁がありいろいろなことを話してくれました。
なかなかおしゃべりが止まらなかったのですが、驚いたのがスタッフの方が割と大きい声で『この人いつも話が終わらないのよ、聞かなくていいから早くすすめてください。』と感じ悪く言ったことです。
これにはみんな顔を見合わせてしまいました。
彼は甘いものが大好きで、お菓子やジュース、コーラがたっくさんお部屋に常備されていました。一応指導して、フッ素の処方箋を出すことになったのですが(そもそも前にもフッ素を処方したのですが、使い終わってからの容器がずっと置いてありました。)
スタッフの方は『彼は甘いものずっと食べてるから全然だめなのよ』とあきらめ気味。そりゃ忙しいのもわかるけど、何もそんなことを目の前で言わなくても・・・
というかあなた、口の中に全然興味ないでしょ?という態度になんだかがっかりしてしまいました。
全体的に、口腔ケアが自分でできない患者さんもそのまま放置されているという印象でした。

検診が終わりフィードバックの時、衛生士さんが『協力してくれる熱心なスタッフと一緒に働ければいいんだけど、なかなかそうはいかない・・・忙しいのはわかるけれど、もう少し何とかならないのかと思うときはある。それから、代理で働いていたりたまに来て働くスタッフ(Timmisといいます)もたくさんいるので引継ぎがうまく行っていないときもある・・・』とぼやいていました。そんなたまに来るTimmis達のために、各入居者さんたちの口腔ケアの仕方が洗面台のところに貼ってあるのですが、まぁ見ていない人も多いのよねと言っていました。

今回一緒に回ったスタッフのような方ばかりではないと思いますが(元気な棟のスタッフさんはとっても良い人だったので)運が悪いとこういうスタッフにあたる可能性もあるのかと少し怖くなりました。

でも、面白かったのが、別の日に検診に行った中国人の子が『あんなに手厚くもてなしてくれるんだったらスウェーデンで老後を迎えたい!』と感動していたので、きっと私が行ったときに運悪く対応が悪いスタッフにあたってしまっただけと考えるようにしたいと思います・・・

義理の妹が先日老人ホームのチーフになったと言っていたのでまた色々聞いてみたいと思います!

KUT卒業しました!

先週金曜日に、KUT卒業しました!

KUTの授業などで書きたいことはたくさんあったのですが、5月になりテスト・プレゼンラッシュになってしまったためにブログを更新する間もなく卒業してしまいました。(下書きには書きかけの記事がたまっています…)

今はSos(厚生労働省)に免許を申し込んだので歯科医師免許を待っている段階です。ついにここまで来ました!
スウェーデンに引っ越してきて2年と3ヵ月ちょっと。やっと第一の目標を達成できそうです。
来た当初は、自分が次の日に何をするのかも分からずいつ免許を取得するかも全く分からない状況で不安でいっぱいでした。引っ越し前に日本で友達や家族から『どういう予定なの?』と聞かれても、自分でも1週間・1か月後に何をしているのかわからなかったので答えることができませんでした。
しかし運よくとても良い語学学校に通うことができ、そのつながりで国民歯科で研修もさせてもらい、無事にコースに通うことができました。本当に運がよかったと感じています!

コースを振り返ってみると、私のような経験のあまりない者はKUTに通うことができて本当に良かったと改めて感じています。国家試験の道を進んだ外国人歯科医師とKUTを卒業した外国人歯科医師とでは知識ややり方に差が出るように思います。もちろん、国家試験の道も研修施設によっては素晴らしいことを学べるとは思いますがKUTではカロリンスカ大学の学生が学ぶ事を一通り知ることができたし、臨床もたっぷり時間が取れカルテの書き方などきちんと学べたし、カリエス・エンド・補綴の専門の先生が付きっ切りで教えてくれたし、先生や学生たちとのつながりもでき、将来の選択肢も広がりました。学生が治療できない少し難しいケースが回ってくることが多かったのですが、先生のサポートをしっかり受けながら治療していくことができたので学ぶことが多かったです。
システムも学べたし、老人ホームへの見学などもあったし、小児・矯正の実習も充実していて、いきなり歯科医院で研修していたら絶対にできなかった経験ができました。

いきなり臨床現場へ出ていたら、常に時間との闘いでお金も稼がなければいけないし、こんなにきちんと基礎からスタンダードなことを学ぶことはなかったと思います。以前国家試験を通ってきた先生方と働いていましたが、システムに関して、さらには小児矯正に関して、治療に関してスウェーデンの大学を出た先生たとなんとなく知識に差があるような違和感がありましたが、自分がコースに行ってみてその理由がわかりました。たった1年のコースでしたが、こちらのやり方や考え方を教え込まれたように思います。

コースももう10年目くらいで、毎年改善されてきた上に選抜方法もかなり厳しくなったために今ではかなりしっかりしたコース内容になっていると思います。職を探す時も『KUT』といえばだいたいの人がわかってくれ、みんな『あんなに入るのが難しいコースを潜り抜けてきたのね』と評価も高かったです。おかげで開業する人を除いたクラスの全員が何も苦労することなく職が決まりました。

患者さんがみんないい人たちで、私のイマイチなスウェーデン語でも理解してくれたくさん質問してくれ良い関係を築くことができたと思います。
これを時間のない職場でどのようにしていくか、これから模索することになると思いますが、それは徐々に考えていきたいと思います!

ただ、色々な文化を背景に持つ15人が集まって勉強するので、それなりに文化の衝突やフラストレーションもありました。例えば、カンニング。1、2人、常にカンニングしている人がいました。その人たちはKUTの選抜試験からその後の試験すべてカンニング。手法は、テスト中にヒソヒソ話すというものすごいリスクの高い方法で(だからみんな知っていたのですが)でもアラビア語で答えを聞くので試験監督ははっきり何を話しているかはわかりません。それから、決まった2人がいつも試験中(2、3時間なのに)にトイレに2、3回行っていました。ケータイを持っていたのできっと確認していたのではないかと思います。みんなカンニングに関して本当に考えが緩く、全く問題に思っていないようでした。
さすがに私たちのグループ(アラビア語が話せない4人)が何回も先生にメールしたり試験中に訴えたのですが、学校側は何も対策をしてくれずにすごくもどかしかったです。後の会議で、これからはきちんと対策すると言っていましたがどうなることやら・・・。
それから、みんな授業に来ない。彼らはいつも、『授業にくる来ないは自分で選べる。もう母国で歯科医師なのだから』と言っており、ほとんど出ていなかった人も数人いたと思います。先生は短いコースなので授業は義務!と言っていましたがそういう文化から来ていないという口実で授業をさぼりまくっていました。
それから、授業をきちんと聞けない。なにかあると手も上げずにすぐに授業を中断し、大きい声で自分の意見を話し始める。先生の発言を遮る。
これはもう当たり前すぎて最後のほうにはもう慣れましたが、本当に人が話しているときに被せて話してくるのには驚きました。
最後に一番違うと感じたのは、中国人の子と私を除いてみんな自信が過剰にあるということです。どこからそんなに自信が湧き出てくるのか不思議に思うほど自信にあふれていました。先生の指示が全く分からなかったのに自分の判断で全く違うものを技工所にオーダーしたり、勝手に色々なことをやったりして先生も頭を悩ませていることがありました。でも最後にはみんなわりと矯正されて、こちらのルティーンを守っていたようです。

私たちはずっと2つのグループに分かれて臨床をしており、私はグループ2に属していました。2はアラビア語が話せない人が過半数で、チリ人、イラン人、中国人、日本人、イラク人、そしてシリア人2人から構成されていましたのでみんなスウェーデン語を話していましたし、経験がわりとある歯科医師が集まっていたのでいつも穏やかでとてもいいグループでした。患者さんがキャンセルになると、ほかの人を手伝ったり、みんな一緒に協力して色々やっていました。
グループ1は全員がシリアから来ていて、常にアラビア語を話し、さらに経験のない若い歯科医師が多かったので常に競い合いストレスの多いグループでした。先生も、なんでグループ1はあんなに競い合っているのかしら・・・と嘆いていました。
たまにグループ1、2の合同の実習などがあると、グループ1の人たちが自分たちが全て1番に終わらせたいからといって走って器具をとったり私たちを押しのけて先生を呼びに行ったりしていました・・・。もう慣れましたがかなり嫌な思いもしました。いろいろな文化の人が一緒に働くとなると、こういう衝突は絶対に避けられないと思います。

でも卒業の日はみんな仲良く楽しく終わることができてよかったです!
(もう二度と関わりたくない人もいるけれど・・・)

終わりよければすべてよし!!です。

先生たちも、これからずっと私たちを頼って、将来研究や教えるためにカロリンスカに戻ってきてね!とエールを送ってくれました。

とりあえずは夏休みを楽しみたいと思います!

少し時間ができると思うので、頑張ってブログを更新していきたいと思います!

KUT開始時

KUT終了時

小児歯科が始まって・・・

小児歯科が始まり、子供の検診や治療をしています。

前にも記載しましたが、スウェーデンは3歳から2年おきに義務検診があり子供は必ず歯科に通わなければなりません。
子供は歯科治療が無料なので、カロリンスカ大学やFTVは代わりに国からお金をもらうので2年おきに”検診をした”ということを報告しなければなりません。
カロリンスカの小児歯科では1歳児から保護者への指導などを部屋に集めて行っています。
私たちが担当しているのはその義務検診やリスクが高い子供への検診、歯の萌出や歯並びのコントロール、そして検診時に見つけたカリエスの治療です。

日本にいる時から子供はすごく好きだったのですが、なかなか治療がうまく行かないこともあり少し苦手意識がありました。
泣かれてしまったり、叫ばれてしまったり・・・でも、こちらで検査や治療をしているとなかなか協力的な子が多く小児が好きになってきました。

最初はスウェーデン語で子供と話すなんで絶対できないと思っていましたが、子供と話すほうが正直楽です。何故なら、子供はあまり難しい単語を使いませんし、私が言ったことがわからないとストレートにわからないと言ってくれるからです。
そっちのほうが私にはありがたいと感じています。

スウェーデンの小児歯科は日本の小児歯科と比べて結構違いがあると感じています。
面白いかったのが、ある日先生から『日本では子供を押さえつけて治療するんでしょ!?ネットにぐるぐる巻きにされてヘルメットみたいなのをかぶらさせられて治療しているというのを、日本から来た先生に当たり前のように見せられてとっても驚いたんだけど本当なの!?』と聞かれました。

ヘルメットはわかりませんが、それはレストレーナーのことだったようです。
治療に協力的でない子供や障害を持つ子供などに安全に治療を受けてもらえるように日本の小児歯科や障がい者歯科で使われているものですが、私も手が出てしまったり動いてしまうような子供のけがを防ぐためには有用なのではないかと思っていました。レストレーナーを使わないにしても、歯科医院のスタッフが数人で抑えて治療するような場面は見たことがあります。

こちらでは一切使われていないとのことで、小児科の先生に『暴れてしまう子供や障害を持つ子供、治療に協力できない子供たちはどうやって対応するのですか?』と聞いたところ以下の回答をもらいました。
1、だいたいの子供はTell Show Doでゆっくり慣らしていけばうまく治療できる
2、不随運動などがあったり協力できない子には押さえつけでなくビーンバッグに座らせると安定して安心するので治療できるようになることが多い
3、保護者に抑えてもらうこともある。
4、それでもだめなら鎮静(ミダゾラムを経口か経腸)
5、それでもだめなら全麻(毎週月曜日、1日2,3症例。なんと1年待ち・・・)
という流れだそうです。

ここでは歯科治療を子供に受けさせるのは保護者の責任であり、歯科医師の責任は適切な検診・治療の提供。そのため、必要に応じて抑えるのは保護者の仕事であり、医療従事者がレストレーナーを使って抑えるものではないということを強調していました。文化の違いなのよ、と。

Tell Show Doの大切さは、今身をもって痛感しています。
本当にできるようになる子が多くて!!
この前来た4歳の子供も、最初は怖くてお母さんの膝から降りようとしなかったし口もあけられませんでしたが、きちんとミラー・探針・ユニット・バキューム・3ウェイシリンジさらにはゴム手袋を見せて触らせて、水や風を出してもらい、ランプを自分でつけてもらったりして徐々に慣らしていきました。口腔内を見る際も、何かを行う前に必ず説明して1段階ずつ丁寧にすすめていきました。
探針を使う際にはまず爪にあてて、その後に『歯にあいさつするからお口ワニさんみたいに開いてね』と言って挨拶しながら歯数をチェックしプラークを見ていきました。フッ化物塗布までうまくできたのですが、残念ながらカリエスがあったので治療の必要がありました。
もう1度時間を取り、今度は削るためのTell Show Doです。
2回目は自分からユニットに座り、大きく口をあけてくれました。お母さんから『この前とっても上手にできたからってすっごく誇らしげに帰ってきて、いまだに歯医者さんからもらったシールを飾ってるんですよ!歯医者さんが好きになったみたい!』と言われたのでとても嬉しくなりました。
ワニのぬいぐるみ”クロコちゃん”を使って、パワードライブを用い患者さんにボタンを押してもらいました。そしてグラスアイオノマーを詰めるところまで見せました。
こうやってすべて見せることで子供も心の準備ができるし、安心して治療が受けられるようになるのかもしれないと思いました。

麻酔の感覚に驚いて怖くなってしまう子供もいるのでそこは難しいのですが、うまく行くケースは本当に多いような気がしています。

それから、かなり注意して言われるのは『子供にまず話しかけること』です。私も子供を待合室に迎えに行くときには必ず保護者より先に子供に握手し、自己紹介します。そして、問診するときも絶対に初めに子供に聞くようにしています。
『元気かな?』と聞いた後にあくまで補足として(問診に書くのはこっちがメインですが)保護者に『大きな病気やアレルギーはないですか』と確認しています。
保護者はあくまでも補足してくれる存在で、治療や検診の中心は子供だからです。
ちょっとやりすぎかな・・・なんて思うこともありますが、保護者の方も慣れているのでうまくやってくれます。
(ただし文化が違う家族などでは『子供はわからないんだから保護者に聞いてくれ、時間がかかる』みたいに怒った方もいますが、それは稀です。)

小さいころからこのような経験をしている子供は歯科に対して恐怖心を抱きにくく、ポジティブなイメージをもってくれるとのことです。
そうすれば大人になっても検診に来てくれるし、もし治療が必要になってもそこまで『歯医者さん行きたくない・・・』とはならないのではないでしょうか。

カリエス治療のほとんどにおいて麻酔が推奨されています。
私たちが削ると判断した歯は、治療に痛みが伴うことが多いからだそうです・・・
10歳以下では麻酔の有無の判断が自分でできないので必ず麻酔を、それ以上なら様子を見ながら・・・とのことです。
こっちは子供にも伝達麻酔を普通に使用します。治療中に痛みを感じさせることが何よりも悪いとされているようです。
ただし、乳歯のオープンになっているカリエスであればカリソルブやパワードライブ・ハンドエキスカを使用して無麻酔での治療も可能です。
パワードライブは自分でボタンを押してもらうので、ゲーム感覚で楽しいみたいです。

検診で調べることはココに記載してあります!
補足としては、3歳の検診では夜にミルクなどを飲んでいるかどうかの確認です。それはリスクなので、きちんと説明して辞めるように指導します。
ちなみに去年の夏ごろに小児について書いていましたが、少しは私にも心境の変化があったのでしょうか・・・
(日本では)小児歯科の実習中に、やるときは泣いてても覚悟を決めて治療する!こっちが弱い態度を取っていたら子供も覚悟ができなくて泣いてしまう、と言われたことがあったので、タイミングを見てぱっと治療するようにしていました。
なのでスウェーデンの、嫌がったらすぐに中断し子供に語り掛け説得するスタイルはなかなか慣れません。
『あーあー、余計泣かせちゃってるよ』と思うこともしばしば。。。
こんなことを書いていましたが、いまではすっかりスウェーデンの考え方に慣れてきたんでしょうね・・・嫌がったら中断して子供に語り掛けるの、すっかり慣れてしまいました。
なんだか自分の心境の変化を見られるのもこのブログをやっていてよかったと思う点です。
日本で育った私は、性別や年齢でできることは変わってくるんだからもっと臨機応変に対応すればいいのになぁなんて思うこともありますけどね。ここだけの話・・・“と最後にコメントしていますが、おそらくスウェーデンはスウェーデンで臨機応変に対応した結果、今のようになっているのかななんて思っています。どっちがいいか悪いかは全く言えません。でも、これがそれぞれの国の文化というものなんだと痛感しています。

でも、ちょっと悲しいと思うのは、子供は治療がタダということは子供1人に予算があってそれを超える治療は医院の持ち出しになってしまうようなので(自費でやる方法もあるようですが、詳しくは知りません。とにかく手続きが面倒くさいとのこと。)必要最低限の治療しかできないケースがあるということです。
例えばカリエスがたくさんあって、乳歯が抜歯になってしまうような子供には予算をカリエスの処置と抜歯で使い切ってしまうために保隙ができずそのまま・・・永久歯が変な場所に生えてきて矯正が必要になる、なんてことが多々あります。
確かそれも地域によってシステムが違い、オレブロという場所では結構保隙や咬合誘導に力を入れているなんて話も聞きますがストックホルムではほぼ保隙は行われていないと思います。
乳歯のエンドは一切行われず、大きな虫歯はほぼ即抜歯になります。エンドしてとりあえずスペース確保に~なんてことはなかなかできないようです。
これも予算の問題が大きく絡んでいるようです。

タダで受けられる、ということはその分我慢しなければいけないこともでてきてしまうということみたいです。小児専門の先生は嘆いていました。

それから、最近の歯科新聞で研究者のCさんが『最近の研究で、2014年にはハイリスクの子供の予防処置に平均29分・リスクが低い子供の予防処置に平均13分の時間がとられている。これは時間的に問題がないと考えられるが、リスクの低い子供には歯科医師が介入する必要があるのかと疑問を投げかけている。リスクが低い子供は衛生士・助手に任せて、歯科医師が介入しなくてもいいのでは。時間をもっと効率的に使うほうがいい。』とコメントしており、さらに、リスクの低い子供は2年ごとの検診は必要なくもっと検診の間隔を長くしてもいいのでは、との見解を述べていました。健康な子はどうせ虫歯にならないから見なくていいわ!ってことなんでしょうか・・・。
スウェーデンでは衛生士さんはカリエス・ペリオの診断が独立して行えるためにこのような提案ができるのだと思います。
これからスウェーデンはよりシステマティックになり、無駄が省かれ、分業化されていくのかななんて思いました。このシステムはほとんどの人口は救えるけれど、1部の急にカリエスになってしまう例は目をつぶる・・・なんてことになるんですよね。スウェーデンらしい考えです。
日本は歯科医師の責任がスウェーデンよりも重く、治療や検診の最後には必ず歯科医師が登場しチェックしているイメージですが、こちらは歯科衛生士さんでも独立して診断できるので歯科医師が介入しなくても大丈夫なようです。
この考え方にもものすごく慣れませんが、きっとまたそれが当たり前になっていくのでしょうか・・・

まだまだ不安なことだらけですが、少しずつ少しずつシステムに慣れていきたいと思います。
常に葛藤し揺れ動き、変化していく移民歯科医師の気持ちは、これからどうなっていくのでしょう・・・。

今、猛烈にアイデンティが迷子になっています!

さて、最後に小児で使われるビーンバッグとワニのクロコちゃんの写真を載せて終わりにしたいと思います。

ビーンバッグ。これにくるまって座ります。


ワニのクロコちゃん達。

日々のこと

いつもブログの記事を書こうと思うと、色々調べたりガイドラインや歯科新聞を読んだりして調べなければいけないのでとても長い時間かかってしまい
なかなか時間がたくさんあるときしか書けないのですが
今日は日々の大学生活について日記感覚で書いてみたいと思います。

さて、昨年8月後半から始まったKUTもあと3ヵ月強しか残っていません。
そろそろ就活をしなければいけない時期がやってきました。
つい先日は卒業間近の学生に向けてたくさんの歯科関係者が集まり、就活セミナーが大学で行われました。

色々と不安です。
なぜかというと、スウェーデンでは大学を卒業したばかりの学生の多くはFTV(国民歯科)で働き始め、数年そこで研鑽してから次のキャリアに移るというのが普通なのですが、ストックホルム(ほかの地域もですが)のFTVはかなり人手不足に陥っておりものすごい忙しいのです。ワークライフバランスのとれたスウェーデン!などと言われていますが、私の職場では先生たちが忙しすぎて業務に全然手が回っていなかったりして色々あり、経験のある先生方が立て続けにやめてしまい、さらに人手不足に。患者さんの予約も数か月先なんてことも。
初めの1年はHandledareというスーパーバイザーの先生がついてくれるのですが、そのHandledareも不足しているといった状態です。
なので職が見つかるかどうか・・・

郊外や田舎に行けばストックホルムよりも落ち着いた環境で仕事ができるとは聞きますが、同じFTVでも使っているレセプトのシステムが違うし何しろストックホルムに家族も家もあるので引っ越すのは無理そうです・・・。

クラスメイトが私の働いているFTVの上司と面接をしたらしいのですが、その時に私の名前が出たらしく『使っていないマイクロがあるから使い放題だね♪ エンドはやってもらおう!』なんて言ってくれていたみたいなのですが、とりあえず数か所見学してから決めたいと思います。(雇ってくれるところなんてあるのかな・・・)

スウェーデンに来て私の短所は極端に自分に自信がないことだとはっきり理解したので、少しは自分が日本で経験があると思いおどおどしないでやりたいと思います。
日本で少しでも働いてきて本当に良かったです・・・これで未経験だったらどうなっていたのでしょう。

大学はというと、1月から本格的に臨床が始まり患者さんを普通に診療しています。
面白いのはFTVではほとんどが検診・CRやクラウン、たまにエンド・・・という感じだったのですが大学では学生が診ることができないケースがKUTに回ってくるので、咬合挙上のケースやパーシャル、さらには内部吸収の歯のエンドまであります。
パーシャルなんてFTVでほとんど見なかったのに!
それからCRでMODBとかの大きな窩洞を修復するのも結構やっています。これはFTVでもかなり見ましたが。

お恥ずかしい話、補綴が苦手だったのですが今では若干鍛えられた気がします。ほぼ毎日技工室に行って石膏を注いでいます。逃げていたことはいつかきちんとやらなければいけない様にできているんですね。

たどたどしいスウェーデン語ながら、きちんと説明するよう心掛けて一生懸命口腔衛生指導を行っていますが、良い患者さんが多く、私の説明や指導にきちんと耳を傾けてくれており今のところ楽しくやっています!
全ての患者さんに対して治療計画を細かく立てなければいけないのでとても勉強になっています。
私は口腔内全体の治療計画を立てるのが割と苦手で、1歯に注目して考えがちだったのですが、計画を立ててチェックしてもらい、さらに治療内容によってさらにチェック表があるので基本からきちんと学ぶことができています。
このコースに入って、本当に良かったと日々感じています!
(エンドに関してはやり方が少し違うしマイクロも使えないので少しストレスですが・・・)

それから、生徒会のメンバーに選ばれました。
コースの改善や選別に関われるらしいので楽しみです。日本で全く器じゃなかったのに生徒会長をやっておりそれをメールに書いたら選ばれたので、やって無駄なことはないものだと感じました。今回の経験も将来につながるかもしれません!

後は、学校のロッカーに泥棒に入られました!
父から送ってもらって慣れ始めたばかりのルーペが盗まれました。
ロッカーにたどり着くまでには鍵が3つあるのですが、2つは上手くすり抜け3つ目はこじ開けられました。
私はルーペとなぜか救急患者さん用のファイル(中身は盗まれませんでした)、クラスメイトは家の鍵(アドレス付き)を盗まれパニックになっていました。
もう1人のクラスメイトはスクラブが盗まれ、犯人は彼女のスクラブと私のファイルを持ち学生に見せかけて逃走したそうです。
鉢合わせてしまった子が追いかけたそうですが、逃げられてしまったようです。
かなり落ち込みましたが、今は少し元気になりました。
盗まれた数日後に、技工士さんから作業模型を落として壊れたと連絡があり印象とり直しになったのでその週はもうガックリでした・・・

スウェーデンに移住し丸2年が経ちましたが、初めに引っ越してきた時の
『スウェーデンの歯科!あこがれる!予防学ぶぞ!』という気持ちから、こちらに慣れれば慣れるほど『自分は海外に住んでいるというだけの若手ペーペー歯科医師・・・スウェーデンの歯科どころか、歯科の基本すらできてない。私ももっとできるようになりたい・・・』と思うようになりました。
あのまま日本にいたらもっとできるようになっていたのかな・・・とか思うこともあります。
活躍する先生方、次のステージに進む先生方を見て、私はなんだかとんでもない方向にずれていっているのではないかなんて考えることも。

とりあえず歯科医師免許を取るのが目標だったのですが、目標に近づくほど自分がやりたいことができているのか、第一の目標のあとに本当にやりたいことはなんなのか悩むことがあります。こちらで免許とってどうすんの!?という気持ちにもなります。
こんなこと書くのはこっぱずかしいのですが(コレ読まれてるし)、私の目標はやっぱり父(そして自分の専門治療をしている時の母)のような歯科医師になることです。口腔内を全体的に把握して、勉強をやめず、患者さんの変化をずーーーっと追っていきたい、自分がやった治療で患者さんがどう変化するか、指導でどれくらい口腔の状態を保っていけるかをずっと見ていきたいです。
でも、それはきっと開業するか同じところでずっと働かなければ無理なことなのかもしれません。だから私はスウェーデンでそれができないかもしれません。ここに居続けていいのか。ここで診療を続けて、自分にしかできないことややりがいがみつけられるのか・・・。まだ何も見えないのでとりあえずはしばらく働いてみてから将来を考えたいと思います。
それからペリオにもカリエスにも補綴にもエンドにも高クオリティな治療と知識を追求し、娘の質問にもだいたいすべて論文付きや自分の症例付きで返事を素早く返すなんてなかなかできることじゃないと思うんです。そういう風になるのはまぁ難しいので何か1つでも武器を身に着けようと思います。

明日からまた診療。とりあえず一歩一歩目の前のことから着実に頑張ろうと思います。

なんだかいろいろ書いてしまいましたが・・・
学校の写真など載せて終わりにします。
くだらない戯言にお付き合いくださりありがとうございました。

15人のクラスです。

私のユニット。今は人形が取られて患者さんが座ります。

カロリンスカ周辺


図書館

印象材で作られた蓋。壊れたものを歯科材料で修復・代用するのは全世界共通のようです。(クラスメイト談)

エンド後の仮封について。

お久しぶりです。
10月後半に親友の結婚式のため5日間という短い時間でしたが日本に帰国していました。
Finnairだったのですが、行きはJALの共同運航に、帰りはエコノミーコンフォート・ビジネスクラス(45分だけですが)にアップグレードされたのでとても快適な空の旅でした。

さすがJAL、ご飯がおいしくサービスも最高、さらにはトイレもなんとウォシュレット、窓はボタンで透過光量が変わるタイプのもので終始感動しっぱなしでした。(JALには十数年ぶりに乗りました。)
帰りも快適であっという間の9時間半で、飛行機恐怖症の私ですが、飛行機にいいイメージを持つことができました。
残念ながら直行便はないのですが、スウェーデンからフィンランドは45分くらいですしフィンランドから日本も9時間~9時間半ほどなので実は結構近いです。

日本とスウェーデンは遠い・・・なんてホームシックになるたびにメソメソしていましたが今回の旅で『いつでも帰れるし、そんなにつらくない距離・・・なんなら5日間だけでも結構楽しめる』と思えたので気が楽になりました。(問題はお金がかかることですが・・・)

さて、今回はエンド後の仮封について説明したいと思います。

エンド後の仮封は、私が働いていたところではだいたい
綿球→キャビトンもしくはキャビトンEX→場合によってグラスアイオノマー
でした。
キャビトンは水硬性セメントで酸化亜鉛 硫酸カルシウム 酢酸ビニル樹脂が原材料とのことです。
皆さんご存知のように、唾液や水分で硬化する使いやすい材料で私もエンドの治療時には毎回使用していました。

スウェーデンでは、私が今まで見た限り・または大学で習った限りではキャビトンのような水硬性セメントを使用したことがありません。(授業では出てきましたし、使っている先生もいるようですが)
その代わり水酸化ユージノールセメント(私たちはZOE、ソーエと呼んでいます。)をかなり使用しています。仮封を取るのも超音波ではなくタービンです。

スウェーデンで使われる水硬性セメントにはユージノールの入っていないCavitという製品もしくはColtosolという製品があります。
しかしどちらも硬化時に吸水膨張し、CavitではZOEに比べて2倍・Coltosolでは17~20 vol%膨張するようです。

この吸水膨張は歯の破折や亀裂の大きなリスクになり、さらに膨張は咬合力によりさらに大きくなります。そのため、Coltosolは仮封などに使用されるべきではないという報告もあるようです。
Cavitに関しては気を付けて使用することが勧められているようです。

グラスアイオノマーは封鎖性があまりよくなく、EDTAなどの洗浄により象牙質の表面において、グラスアイオノマーが歯質にくっつくためのイオンが減ってしまうといわれています。
さらには硬化時の水分や乾燥に敏感で、うまく扱わないと亀裂が入ってしまうリスクが高まるそうです。
しかし、機械的性質には優れています。

そして・・・私が日本では常に使用していた綿球。
これはスウェーデンでは(カロリンスカでは)絶対に使わないように習います。
なぜ!!
根管に仮封材はいっちゃったらどうすんの!
取りにくいじゃん!
と思ったのですが、それには4つ理由があって
1、仮封の厚みが減ってしまい、漏洩のリスクになる。
2、綿球が柔らかいので咬合の度に仮封材が沈み込み仮封の破折や漏洩につながる
3、綿球の繊維が少しでも仮封の外に出ていたらそこから漏洩する可能性がある
4、側枝や髄管などから綿球を通して漏洩する可能性がある

ということでした。

いままで綿球を使っていてそれほど問題が起きたことがなかったので
そうなんだ・・・という感じだったのですが、確かに言われてみれば漏洩のリスクは大きくなりそうです。
ただ、こちらのZOEを治療後の根管にもりもりつめて、次回来院時にすべてタービンで取っているのをみると、パフォらないかちょっとひやひやしてしまいます。
歯質を余分に削ってしまうリスクもあるので気を付けなければいけないと思いました。

水酸化カルシウムもたっぷりつめて、さらにはしっかり仮封をし漏洩のリスクをなるべく減らす!という感じでしょうか。
危ないことは絶対に避けるのがちょっとスウェーデンらしくて少し笑ってしまいました。
治療を見ていると、仮封を取るのにも時間が結構かかっています。(エンドに毎回1時間半くらい予約をとっているのでそれでも大丈夫なのかもしれませんが。)
仮封を取りきらないまま治療をしている先生もいたのでそしたらいくら仮封をしっかりしても水酸化カルシウムをすごく詰めてもダメなんじゃないか・・・と思ってしまうのですが・・・。

過去に仮封の漏洩でSinustractが消えなかった患者さんがいたので
仮封の大切さは身をもって知りました。
なのでそれを忘れないでこれから治療をしていきたいと思います。

まとめると、
仮封は3.5mm以上必要。
ZOE、水硬性セメント(Cavit)は機械的性質はあまり優れていませんが封鎖性はあるので短期間の仮封にはOK。しかし長期間仮封が必要になる場合や大きな窩洞の場合はZOEもしくはCavitの上にIRMセメントもしくはグラスアイオノマーを使用し二重仮封する。(膨張するので低めに詰める。)
綿球は漏洩のリスクを上げるので使用しない。

というのがカロリンスカでのやり方のようです!

IVO。Lex Maria。

仮封の話をする!と意気込んでいたのですが
たまたま今法律の授業ばかりを受けているので今回はそれについて紹介したいと思います。

スウェーデンで医療にかかわると必ず出てくるIVO、Lex Mariaを紹介したいと思います。
IVOはInspektionen(監査) för Vård(医療) och Omsorg(ケア)の略で、医療を監視する政府機関です。
例えば患者さんが歯科治療や歯科医師に不満だったり、間違った診断をされたと思ったらIVOに連絡します。ほかの業務もあるのですが、簡単に言うとIVOは医療の苦情窓口のようなところです。

日本では患者さんは苦情をどこに訴えればいいのかネットで調べてみたところ、歯科医師会だったり、相談センターだったり、弁護士だったりとイマイチきちんと定まっていないようでした。
私のイメージでは患者さんは医療に不満を覚えると『訴えるぞ!』といって弁護士さんに相談するケースや、苦情はあるけれどどこに訴えればいいかわからないので違う歯科医師に相談する、もしくは我慢して苦しんでいる・・・という感じでした。
苦情を訴える患者さんに対してモンスターペイシェント扱いする歯科医師や
それが怖くて何も言えない患者さんもたくさんいると思います。
そして残念ながら実際に歯科医師が最善を尽くしたとしても、思い込みや勘違いからなんでもかんでも苦情を言ったり訴えるぞと脅してくる患者さんも実在します。
なので、医療従事者・患者の間に入り客観的に判断してくれるIVOはありがたい(そしてちょっと恐ろしい)存在なのかなと思います。

基本的にIVOは
『医療機関がきちんとエビデンスに基づいた医療を行っているか』

『医療が安全に行われているか』
を監視しています。

歯科に関係する業務は
1、患者からの苦情の受付
2、医療従事者のコントロール
3、医療機関の業務や活動のコントロール
4、Lex Maria
の4つにわけられます。

患者さんからの苦情をうけた歯科医院は、カルテを開示し
きちんとカルテが書かれているか・レントゲン・医療行為が正しく行われていたかをIVOがチェックします。
カルテは、患者安全法・患者情報法によってきちんと記載されるべき内容が定められています。
もし患者さんが医療行為によって損害を受けた場合は、(国民歯科の場合は) LÖF(Landstingens Ömsesidiga Försäkringsbolag )という県の保険会社が患者さんにお金を支払ってくれるのですが、LÖFもカルテを確認して支払うべきなのかを見定めるのでカルテはとても大事です!

2の医療従事者のコントロールは、上記のように苦情を言われた医療スタッフや料金の取り方がおかしかったり、治療に偏りがある歯科医師が目を付けられチェックされます。
そのあとはHSANという”資格を持つ医療従事者”のための裁判所のような機関に送られ、免許はく奪・もしくは3年間のテスト期間の必要性や薬の処方の権利のはく奪などを判断されます。テスト期間中は、IVOの監視下で条件を満たすように仕事をしなければなりません。

ちなみに2017年に免許をはく奪された歯科医師は7人いるそうで、その例を見せてもらいましたがひどかったです。
正直、医療というより暴力に近いような治療でした。
7人の歯科医師がどこの国からいているのか、スウェーデン人歯科医師なのかという情報は教えてもらえませんでしたが、IVOで働いている方の講義でちらっと
『EUの他の国は全く基準が違うのにテストなしで働けるし、EU以外の国では健康な歯に予防と言って抜髄したりクラウンをかぶせるから・・・』とぼそっとつぶやいていたのでスウェーデンで教育を受けた歯科医師たちよりも外国人歯科医師のほうが多いのではないかという予想ができます。しかし真相はわかりません。

EUの国ではスウェーデンと全く違うモラルで働いていたり、抗生物質の使い方もまるで違うのにテストを受けずにいきなり免許が取れてしまうのでそれは良しあしだなと思います。
しかし、同じコースを受けているシリアの子たちは、歯科医師は神様扱い。お金も儲かるし、位が高い仕事だからいまだに患者さんよりも歯科医師のほうが立場が上で説明とかあんまりいらない!と授業中に言っていたので
歯科医師の立場がスウェーデンとまるっきり違うのにテストだけを受けていきなり働く人もいるということに少し不安を覚えました。
日本とスウェーデンは患者さんと歯科医師の立場が似ているので(中には患者様なんていう歯科医院もあるみたいですが、歯科医師過剰の昨今それはしょうがないのかもしれません・・・)私はモラルや倫理の授業を聞いていても日本の大学で習ったことと重なってやりやすいです。
学生時代に叩き込まれたインフォームドコンセント・共感的態度・治療の説明の仕方などは世界にも通用することだったんだとありがたく思います。
さらに、IVOの人に『日本の歯科の水準はすごく高いから問題ない』と言われたので嬉しかったです。

薬を処方する権利は、麻薬や依存性のある薬を自分に処方したり患者さんに過剰に処方してはく奪されてしまうようです。

3の医療機関の業務や活動のコントロールは、医療機関がきちんと衛生を保っているか、医療行為に必要な機械があるかなどをチェックされます。
例えば、オートクレーブがなければ衛生を保っているとは言えないし、レントゲンの機械がなければきちんとした診断ができません。そいいう場合には期間を定めて期間内に必要な道具や機器をそろえ、改善を示さなければなりません。
それができない場合は、器具を買うよりも高い罰金を支払うことになるそうです。

4のLex Maria(レックスマリア)は
医療従事者がなにかインシデントを起こしたときに医療機関自身がそれを通報することです。
これは法律で義務づけられています。
なぜLex Mariaというかというと、1936年にストックホルムのマリア病院で、スタッフが4人の患者さんに麻酔薬の代わりに間違って消毒薬を注射し、その4人の患者さんが亡くなってしまったのを病院自身が通報したことから来ています。
Lex MariaによってIVOに通報した医療機関は、調査され同じ過ちを繰り返さないようにIVOとともに医療機関内で対策を考えます。

書いていて思ったのですが、IVOは保健所と相談センターと厚生労働省がミックスされたような機関ですね。

管理体制がなかなかしっかりしているスウェーデンですが
このようなことができるのはやっぱり人口が少ないからなのでは・・と思わずにはいられません。

将来IVOとあまり関わらないように・・・気を付けたいと思います。

エンドの講義。貼薬。

今日はエンドの講義がありました。
エンド科で働いていたこともあり、私はエンドが大好きなので特にエンドの講義には力が入ります。

今日の内容は、貼薬と仮封。
貼薬については日本でもいろいろな意見があり、先生によって考え方が違うこともあります。
私が働いていた大学では
“カルシペックスは根管口にちょこっと。根管内にはべったりつけない。根尖に炎症がある場合や出血がある場合は水酸化カルシウム単身を根尖の肉芽に置く”というように使っていました。

根管内の細菌を消毒する!というよりは、仮封からの漏洩で入ってきた細菌をストップさせる、そんなイメージだったと思います。

水酸化カルシウムは現在の根管貼薬剤が最適なものだと考えられていますが、
何しろ根管内にべったりつくと本当に取りにくく、いくらヒポクロを満たして超音波で洗浄しても隙間に入り込みなかなか完全には取れない気がします。
(なので2年目くらいからはカルシペックスはほとんど根管口にちょこっと置くくらいでしか使っていませんでした。)

きちんとした根管形成と洗浄で根管内の細菌や汚物をなるべく除去し、根管充填で細菌繁殖のための空間をできるだけ封鎖する!
というのが現在のエンドの考え方のようで、そうすると1回治療でもほとんど治癒することから感染が重度な症例を除いては必ずしも根管貼薬剤は必要ないとのことです。1)

また、水酸化カルシウムは難治性の根管に存在するE.faecalisに対する抗菌効果が不十分だという報告もあり、これに対してはヒポクロを正しく使用すれば有効とのことです。(海外ではクロルヘキシジンが使用されています)1),2)
※今日クラスメイトと話したところによると、スウェーデンをはじめ、チリも、イランも、クロルヘキシジンを使っているそうです。日本では粘膜に使用できないんだよー根管にも使ってない・・・というとみんなにびっくりされました。

水酸化カルシウムが有効だというのは間違いなさそうなのですが、
それよりもラバーダムの使用やカリエスの除去・適切な機械的根管清掃・化学的根管清掃・緊密な根管充填ができていることがまずエンド成功の第一条件であり、あくまでも水酸化カルシウムは補助的に使う。
適切な無菌処置や根管拡大や洗浄を心がけていれば水酸化カルシウムはエンドの成功をあまり左右しないうえに、除去が難しいので緊密な根充を妨げることさえある。というのが今の日本のエンドの考え方のようです。

さて、スウェーデンではどうなのでしょう。
スウェーデンでももちろん水酸化カルシウムは使われていますが、スウェーデンでは水酸化カルシウム(製品名はカラセプトCalasept。日本でよく使われているカルシペックスとほぼ同じ成分が入っています。つまり、水酸化カルシウム・硫酸バリウム・精製水です。)はレンツロを使い根管壁全体にいきわたるようにべったりと使うよう指導されます。
先生に質問してみると『正直なところ、水酸化カルシウムの必要性はきちんとした信頼できる研究が少ない(少しはあるけどかなり古い)ので何とも言えない。いまだに、1987年・1991年の水酸化カルシウムの有用性を報告する論文にのっとって使用が勧められている。Sos(厚生労働省)のガイドライン作成チームは論文を吟味するときにかなり厳しい基準で判断しているので小さい研究はすべてガイドラインに反映されない。いい研究も意見に取り入れられないことが多い。なので不確か。EUでは水酸化カルシウムを全く使わない国もある。』と言っていました。

厚生労働省のページによると、水酸化カルシウムの抗菌作用と、根管に残存している細菌の増殖を抑える効果のために水酸化カルシウムを根管壁すべてに使用しているようですが、抗菌作用はかなり弱いしE.faecalisに対する抗菌作用は不十分なのでより効果的な薬剤の研究(クロルヘキシジンやヨード)が進められているとのことです。
さらに、Sosのガイドラインによると
“Socialstyrelsens expertgruppsbedömning är att vid pulpanekros med apikal parodontit, såväl som vid övriga tillstånd som föranleder en rotbehandling, ger ett antimikrobiellt inlägg med kalciumhydroxid en viss bakteriereducerande tilläggseffekt utöver mekanisk instrumentering och spolning.”
『厚生労働省の専門チームの判断は、根尖性歯周炎を伴う歯髄壊死および根管治療を行わなければいけない状態の根管において、根管内の細菌の増殖を抑えるために、機械的清掃と洗浄の補助として水酸化カルシウムを使用する』
ということです。

日本もスウェーデンも、
『水酸化カルシウムを使用するべきかどうかははっきりしない!』
といった感じですが
どちらかというと根管形成・洗浄・根充に重きを置き、そこでなるべく細菌を除去し根充はできるだけ緊密に!!菌を閉じ込める!
水酸化カルシウムは補助的な役割しかないんだから、そのせいで緊密な根充を妨げるならなんなら使わなくてもいいんじゃないの?
仮封からの漏洩をちょっとブロックするくらいの意味で使えばいいんじゃないの?
水カルは有効かもだけど、きちんとエンドの治療やってれば結果はかわんないでしょ。
という日本のエンドと

いや、水酸化カルシウムに少しでも有効性があるなら使うべきだ!
補助的とは言え、使ったほうが安心だ!根管形成・洗浄・貼薬のトリプルアタックだ!(と思っているかわわかりませんが・・・笑)
効果的なものは全部やるべきだ!
というスウェーデンのエンド。

何事も慎重なスウェーデンらしい考え方なのかなぁ・・・なんて思ったりします。

個人的には、水酸化カルシウムをべったり根管壁につけると本当に取れないし、根管口だけに使用してもあまり患者さんの症状や根管内の状態に差はでなかった印象があるので
そんなに使わなくていいかなぁ、むしろ形成!!洗浄が大事!!!!!と思っていました。(しかも、パーフォレーションしている根尖孔外に水酸化カルシウムが押し出され急性炎症を起こした方を数回担当したことがあるので軽くトラウマです・・・)
ていうかそんな一生懸命やっても根管は複雑だし完璧に無菌にするなんて無理だよな。。。オペという手段もあるし、根管は自分ができるところまできれいにしよう。
という心境で診療しており、水酸化カルシウムは炎症の時に単味を根尖に置く、くらいでしか頼っていなかったのに
いきなりこれからの学校の実習で根管内にべったり。をやるのは少し気が引けますが・・・
まぁ免許を取ったら自分の判断と日本で学んだ臨床(もちろんスウェーデンの臨床と組み合わせて)をしたいと思います!

長くなってしまったので仮封の話は次回に。

参考文献
1), 小林千尋(2012)『新 楽しくわかるクリニカルエンドドントロジー』医歯薬出版株式会社
2), 阿部修(2012)『Evidence & Technique NiTiロータリーファイルを効果的に使う 実践歯内療法』医歯薬出版株式会社

2人とも私の憧れの先生です。
本は本当にわかりやすく、今でも気になることがあると読んでいます。スウェーデンにもきちんと持ってきました!エンド好きな人におすすめの本です!

KUT、2週間目・・・

毎日やることが多くてあっという間に時間が過ぎていきます。

最近はずっとモラル・倫理のお勉強・・・。
今まで当たり前に感じていたことも改めて、さらにスウェーデン語で学ぶとなんだか新鮮で新しい見方ができます。

患者さんと歯科医師の意見が衝突するとき、何を優先すればいいか。
そういう日々の臨床のジレンマを改めてディスカッションし、頭がこんがらがっています。
1年生のディスカッションを聞いたのですが、歯科の知識が全くないから臨床の倫理なんてきちんと話し合えるのかと思っていたのですが
もう1年生にして専門知識があるし、ディスカッションも論理的だしなんだか感動してしまいました。
歯学部生の中には衛生士さんの資格を持っている人も結構いるのでもうすでに歯科に対する考え方はしっかり持っている人もいます。
私が歯学部1年生の時なんてなーーんにもできなかったのに・・・。

私たちもグループワークでディスカッションを行うのですが、私たちの症例は

『定年になったばかりの甘いものが大好きな患者さん、彼の希望は抜歯してインプラントで1回で治したいけれど、歯科医師Sは根治してブリッジのほうが安くすむし歯も少しは残せるのでそちらをお勧めしている。歯科医師は患者さんの歯の状態・おすすめの治療をきちんと説明したうえで、フッ素治療・口腔衛生指導・食事の指導を行った。
患者さんはどうしてもインプラントで1回で治してほしい。
患者さんは甘いものをやめるのは無理だと言っている。
歯科医師Sはなにをするべきか。
また、患者さんと歯科医師S以外に関わってくる人物は誰か。』

実際はもっと詳しい症例なのですがざっとこんな感じの症例です。

これを倫理意思決定モデルというのに当てはめて問題を抽出し、まとめて答えをだす過程をプレゼンします。

私はケースをモデルに当てはめて考えるのが苦手なようでだいぶ苦労しています。
いままで自分も倫理の判断基準(感覚的な)で行動を決めていたのでこのようにきちんと言葉にしなければいけないのは一苦労です・・・

倫理の本を読んでいてよく目にするのが(さらには社会でよく耳にするのは) “Integritet” 英語では “Integrity” という言葉。
日本語では “高潔さ、誠実さ、真摯さ”と訳されるようですがなんかニュアンスが違くて、

“自分が自分の好きなように存在する権利”

みたいな意味なようです・・・。
例えば、『Man får inte kränka annan persons personlig integritet. (人は他人の”自分が自分の好きなように存在する権利”を脅かしてはいけない)』こんな感じで使います。
私の中では、スウェーデン人はIntegritetにものすごく敏感で、自分が自分であることをかなり大切にしているので
他人の意見を変えようとしたりするのを極端に嫌います。それはみんなそうですよね、きっと。
中にはIntegritetを乱用しすぎな人もいるようで、例えば
『子供が野菜は嫌いだからそれを優先してあげなきゃ。子供のIntegritetを守るために野菜はなるべく出さない!』こんな風に間違った方向に行く親もいるようです・・・。

たまに私がこの社会で感じる言葉に言い表せない違和感は、こういう”権利の主張の濫用”も原因の1つなのかもしれません。

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倫理以外にもレントゲンの法律を学んだり、急患対応について学んだりもしました。
レントゲンの法律は”SSM (Strålsäkerhetsmyndigheten)放射線安全局” で定められています。
レントゲンの機会がある場所にはRALFという責任者がいなければいけないのですが口腔内のレントゲンは普通の歯科医師が、パノラマにはパノラマの資格(面白いことに、パノラマ運転免許と言っています。笑)をもった歯科医師が、CBCTには専門医が必要になります。
その外にも、放射線を扱う建物の基準、レントゲン装置の基準、管理方法、被爆の上限、鉛のエプロンの使用、レントゲンホルダーの使用などがSSMによって定められています。
スウェーデンでは、各ユニットにレントゲン装置がついており、撮影する人は部屋の外に出て壁の後ろに隠れます。ドアは開けっ放しですが放射線は一定方向に進むのでそれで十分だそうです。さらに、患者さんも甲状腺を守る首周りのエプロンだけつけ、パノラマではエプロンなしで撮影します。パノラマの放射線は斜め上の方向に進むのでエプロンの意味がないとのことです。
最初はいろいろカルチャーショックでしたが、理論を習ううちに納得してきました。でもまだ少しなれません・・・。放射線に関していろいろあった日本で生まれたので少し敏感になってしまいます。。。

救急ではPulできた患者さんの対応、ステップワイズエキスカベーションを学びました。時間がない時には歯冠の歯髄をとることは常識ですが、こちらの救急では髄腔開拡をしたらそのままZOE(酸化亜鉛ユージノールセメント)を詰めてそのままグラスアイオノマーかIRMというユージノール系のセメントでふたをするとのこと。綿球はいれない、何故なら歯冠が破折したときに汚れがたまるから・・・らしいです。
日本ではそもそもユージノールセメントはほとんど使わなかったし、基本的にエンドをする歯は咬頭を落としていたので破折などはあまりなかったのですが・・・こちらはそのままCRで治すことが多いので咬頭を落とさずかみ合わせをばっちり与えてることもよくあります。

ステップワイズはこちらでは本当によくやられている治療なのですが、前までは残存カリエスの上に水酸化カルシウムを引いていたけれど今では何も引かずにグラスアイオノマーor IRM or biodentineを密に詰めて4~6か月待つ、Biodentineの場合は全て削らずに上からCRで大丈夫とのことでした。
『シールドレストレーション(カリエスを取りきらないまま最終修復をする方法)はどうですか?』と聞いたら、
学生には勧めてない、とのことでしたが私はこっそり『Biodentineとらないでその上からCRするならシールドレストレーションと変わらないじゃん。』と思いました。
ただ、先生も実際はカリエス残しても大丈夫だよね、密に詰めてれば・・・とつぶやいていたので臨床現場では行われているのでしょう。
Sos(厚生労働省)のガイドラインでは、ステップワイズは高いエビデンスを持つ治療とされているのに対し、シールドレストレーションはエビデンスが不十分という記載がされていました。

これからスウェーデンの歯科の点数の取り方について学ぶので楽しみです!

KUT始まりました。

28日、ついに外国人歯科医師のためのコース、通称KUTが始まりました。

メンバーは16人。
シリア人12人と、あとは中国人、チリ人(スウェーデンで生まれたのでスウェーデン語はネイティブです。)、イラン人と日本人の私です。

やはりシリア人はシリア人で固まる傾向があり私たちマイノリティグループは4人で固まっています。語学学校の時と全く同じ図式なのでもう慣れましたが・・・
4人のうちスウェーデン語ネイティブを除いてみんな同じ語学学校(SFA-medicin)に通い、同じ先生に習ったとのこと。偶然です!

中国人の子は2年前にコースに応募したけれど落ちてしまったので、カロリンスカの衛生士コースに2年通い今年の6月に卒業、そしてKUTに入ったという少し変わった経歴の持ち主です。
私を含めた4人はだいたい皆同じ年代(29~33歳)くらいで話も割と合うので仲良くしています。

さて、昨日から1学期が始まりましたが、1学期はどうやら座学が多いようでカロリンスカの生徒たちと勉強することが多くなるようです。

昨日は矯正。4年生と一緒に授業を受けたのですが、学生たちは矯正の授業が初めてだったようで全く知識がありません。なので先生は、矯正の歴史や基礎の基礎、診断の仕方を講義していました。
ここだけの話、Kunskapsprovのためにカロリンスカの過去問・過去の授業を見て勉強したので見たことのあるスライドでした・・・
でもいい復習だと思って頑張ります。

今日はMänniska och samhälle (人間と社会) という授業をなんと歯科医師・歯科衛生士の1年生と一緒に受けました!
共感、信頼、同じ社会に生きている人たちとどううまくやっていくか、幸せとは何か、生きる上でのジレンマ、医療者として大切なのは何か・・・というような話を延々朝から夕方まで聞き、頭が爆発しそうです。
専門用語がたくさん出てくる歯科の授業はほぼ100%理解できるのですが、倫理的な、社会的な、そういう一般的な話になると本当にスウェーデン語が理解できません!
講義する人はものすごい冗談を言う先生で、それにも65%くらいしかついていけませんでした・・・。
言葉ができないって悔しいです。

1年生の授業なので『これから歯科は楽しいぞ!いい職業だぞ!』のような励まし・モチベーションを上げ、これからの学生生活に希望を持たせるような授業でした。

もう6年も大学通った上に、働いてたのにまた学生生活に希望をもたされてもねぇ。。。
とか
この子たちはあと5年通って卒業すると歯科医師になるのかぁ。。。
とか、さらには
私も1年生の時はこんな感じだったのかなあ・・・歯科のこと全く知らなかったな・・・
とかいろいろな思いが頭をめぐっていました。
1年の時と今では、考え方が全然変わりました。
理論だけじゃうまくいかない、患者さんとのコミュニケーションは匙加減が難しい。こういうのは臨床をやらないときっと気づけないことで、臨床経験後にこのような授業を受けられ、初心を思い出すとともに考え方の変化を感じられたのである意味よかったのかもしれません。

最後の授業は有名な先生が来て口腔内の話をしたので面白かったです。
個人的にちょっと思い入れのある先生だったので挨拶したら、優しい対応をしてくれました。

10年前、インターネットでカロリンスカのページを見ながらその先生やほかの有名な先生の顔を見て、
将来ぜったいスウェーデンで勉強してやる!直接この人たちから学んでやる!
そんな野望を抱いていたわけですが、なにから手を付ければいいか、スウェーデン語も話せないし。。。そんな風に悩んでいました。

そして今、実際に目の前に10年前にネットで見た先生が講義をしていて憧れだったカロリンスカの学生になってスウェーデン語で授業を受けている。

なんだか不思議な気分です。

2日目にしてさっそくへとへとですが、明日からも頑張ります!!!